まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本と新しく買った本 4月・5月

2015-05-20 12:14:42 | 文庫のページ
寄贈本
4月にいただいた本です。
内田麟太郎さんからいただきました。ありがとうございます。
『だれかさん』 今森光彦 切り絵/内田麟太郎 文 アリス館(2015.4)
 猫とねずみの愉快な物語。切り絵で描かれる猫とねずみがなんとも愛嬌があって魅力的です。大きな欠伸をする猫の姿も愉快です。眠っている猫のそばで、知らずに眠ってしまったねずみ、目が覚めてびっくり。さてどうなるか。
 猫とねずみの楽しく歌う歌が聞こえてきます。内田麟太郎さんの言葉遊びも楽しめます。

新しく買った本
『カエサルくんと本のおはなし』 いけがみしゅんいち/せきぐちよしみ 福音館書店 2015
 今、私たちが手にしている本がどうやってできたのか、ローマの偉大な将軍カエサルが登場して、その長い歴史を語ってくれます。2000年以上も前、ページのある本を思いついたのがカエサルだったということも興味深いです。大切なことを正確にずっと後まで残すために文字が生まれ、それを記すため、古くはパピルスや羊皮紙が使われ、やがて紙が発明されます。グーテンベルクの印刷術の発明は今から600年前のことです。紙の本の持つ良さについても考えさせてくれます。
『いのちのひろがり』 中村桂子/松岡達英 たくさんのふしぎ4月号 福音館書店 2015
 地球上に初めて生きものが生まれたのは38億年も昔だそうです。その時代から現代の私たちまでどのように命がつながってきたのか、興味深く知ることができます。命が綿々とつながって、今、私たちがここにいることの不思議を感じさせられます。その意味では、虫たちも動物たちもみんな私たちの仲間と言えます。
『木の実は旅する』 渡辺一夫/安池和也 たくさんのふしぎ5月号 福音館書店 2015
 木は動くことはできませんが、木の実は旅をします。なぜ旅をするのか、どうやって旅をするのか、とても興味深いです。<風と旅する木の実><鳥と旅する木の実><リスやネズミと旅する木の実>について、それぞれ丁寧に紹介されています。さし絵も見事です。精密に描かれたたくさんの木の実が美しいです。木の実が熟する季節、この本を手にし、しっかり観察したくなります。
『川のホタル 森のホタル』 宮武健仁 たくさんのふしぎ6月号 福音館書店 2015
 暗い森の中一面に、光の帯が無数に輝くたくさんの写真にまず圧倒されます。息をのむような美しさです。徳島県の川田川や高知県の四万十川のゲンジボタル、広島県の水田のヘイケボタル、広島県の山間部のヒメボタル(キンボタル)などが紹介されています。ホタルは小さな川に住むことが多いのですが、四万十川のように川幅の大きな川でも見ることができます。また川から離れた山の中の森の中でも見ることができるというのは驚きです。ホタルの生態についても詳しく知ることができます。「ホタルは人里の近くで暮らす生きもの」という言葉が印象に残ります。
『かはたれ 散在ガ池の河童猫』 2005
『たそかれ 不知の物語』 2006
       朽木 祥/山内ふじ江 福音館書店
 『かはたれ』は『八月の光』『光のうつしえ』の作者、朽木さんの処女作です。『たそかれ』はその続編です。瀬田貞二さんが1950年代に編集した『児童百科事典』(平凡社)の「河童」の項目で「河童は今もちゃんと川や沼に住んでいる」と語っていますが、まさにこの物語は、河童と人が深くつながりながら生きていることをすてきに証明してくれる物語です。
 鎌倉を舞台にした物語です。見返しの、河童たちのすむ散在ガ池と人間たちが住む宮の前地区の地図を見ながら物語を楽しむことができます。
 『かはたれ』は家族を失ってたった一人になってしまった河童の八寸が長老の言いつけで、猫の姿になって人間界に修行に行く物語です。5年生の「麻」と出会い、一緒に暮らすことになった八寸は何度か窮地に立たされますが、そのたびに麻と八寸の絆が深くなっていきます。それから4年後の話が『たそかれ』です。中学校のプールに住む不知という河童を連れ戻しに行く八寸の物語です。それを身につけていれば、人間から姿が見えないという「見え隠れの珠」を身につけていきます。八寸は中学生になっている麻と再会することができます。不知がなぜ人間界に住み続けるのか、60年も不知が待ち続けた人とは誰だったのか、麻は友人の河井君の力も借りて、その謎を追います。
 河童と人間の触れ合いが豊かに語られていて感動的です。河童と心を通い合わすことができるということはどういうことか、目に見えないものを信じ、見通す力を持つことができるかどうかにかかっているのかもしれません。
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