まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

今月の詩 5・6月

2014-05-28 10:37:46 | 文庫のページ
   けやき  みずかみかずよ
 
 てんを ゆびさして
 ぐんぐん のびた

 おおきな
 おおきな
 ふんすいだ

 ひの におい
 みずの におい

 つちの におい
 かぜの におい

 
 まぶしい におい
 けやきの におい

 ひかりの
 ひかりの
 ふんすいだ

 てんから ふってくる
 みどりの しぶき
   (『きんのストロー』 国土社)

 今月はみずかみさんの「けやき」の詩を取りあげます。新緑のきれいなこの季節になるといつもこの詩を思い出します。上へ上へと伸び、緑の葉っぱを大きく広げているけやきは美しく、見ていると、そのみなぎる力がこちらまで伝わってくるような気がします。そんな勢いがあります。みずかみさんは「ふんすい」「みどりのしぶき」とうたっています。本当に「みどりのしぶき」を浴びているような気がします。うまい表現ですね。
 近くの卸町団地のけやき並木も年々大きくなって見事です。けやきは秋の紅葉も美しく、春も秋も楽しませてもらえてうれしいです。
 桐の花を見たことがありますか? 5月も半ばになると、気になるのが桐の花です。数年前、石井桃子さんの『幼ものがたり』を読んだときに、名前は知っていても花を見たことがなかったので、見てみたいと思いました。探してみると、意外といろんなところで見ることができました。大和幼稚園の近くのお家にもありました。それからここ数年楽しんでいるのが、東北大学の植物園の近くと宮城教育大学の構内にある大きな桐の木です。
 石井さんが子どもの時に味わった、あの甘い香りをぜひ味わいたいと思い、必ずこの時期になると、桐の木の下に立つことにしています。落ちた花にもかすかに甘い香りが残っています。
 トチの木の花を見たことがありますか? トチの木は、東北大の構内に、青葉山に向かう道に、宮城教育大学の構内にと、たくさん植えられていることに今年初めて気づきました。大きく茂った葉の上からベージュ色をした三角錐のようなものが天に向かってたくさん突き出ています。遠くからも目立ち、とても印象的です。
 いったい何の木だろうと思い、調べてみました。トチの木だとわかりました。三角錐に見えたものはたくさんの花の集まりで、これから一つ一つ花が開いていくようです。これまでどうして気づかなかったのか、ここ数年、毎年、この時期、この道を通っているのですが、今年初めて気づきました。
 *木の本も楽しんでください。
   『木の本』        荻原信介/高森登志夫(福音館書店)
   『20本の木のノート』 いわさゆうこ(文化出版局)
 
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