まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 1月

2021-01-18 17:51:02 | 文庫のページ
新しく買った本
①『くいしんぼうのはなこさん』 いしいももこ/なかたにちよこ 福音館書店 1965
はなこというわがままこうしのお話です。牛たちのちゃんばらで勝ち抜き、牧場の女王になったはなこはますますわがままになっていきます。ある日、さつまいもとかぼちゃを食べ過ぎて、アドバルーンのように膨れて、死にそうな目にあい、やっと自分の愚かさに気がつきます。
食いしん坊のはなこの姿は、元気いっぱいの食欲旺盛な子どもと重なり、微笑ましいくらいです。
1945年8月から数年、石井さんは宮城県栗原郡の鶯沢で友人と一緒に農業と牧場を始めます。牧場はノンちゃん牧場と呼ばれていました。
②『あるヘラジカの物語』 星野道夫原案 鈴木まもる 絵と文 あすなろ出版 2020.9
裏表紙に載っている一枚の写真。1996年、不慮の事故で亡くなった星野道夫さんが撮った写真です。角が絡み合ったまま、骨だけになっている2頭のヘラジカの写真です。
星野さんと同じ歳で、親交のあった鈴木まもるさんは、夢の中にこの写真が出てきて、「この写真の絵本を作ろう」と思いたち、アラスカに向かいます。2頭のヘラジカはなぜ角を絡ませたまま命を落としたのか、そこにどんな物語があったのか、絵本は語ります。
2頭のヘラジカの、命と命のぶつかる激しい息づかいに圧倒されます。大自然の中での生き物たちの生と死のドラマがダイナミックに描かれ、感動的です。新しい命の誕生につながる結末も素晴らしいです。
③『シノダ! 夢の森のティーパーティー』 富安陽子/大庭賢哉 偕成社 2019
「シノダ!」シリーズの11巻目。人間のパパとキツネのママを持ち、それぞれに「風の耳」や「時の目」、「魂よせの口」を持つユイとタクミとモエたちきょうだいが、今回は不思議な夢の世界で奮闘する物語です。
夜叉丸おじさんの夢に引っ張り込まれたユイたちは、おじさんにとりついた夢魔(夢に巣くう魔物)の恐ろしさを知ります。この夢の中で何かを食べると動物に変えられてしまうので、みんな用心するのですが、おじさんもタクミもモエも動物に変えられてしまいます。この夢から抜け出すためにどうすればいいのか、ユイは、動物に変えられたタクミとモエと一緒に果敢に夢魔に立ち向かっていきます。窮地に追い込まれても決してあきらめないユイの勇気に感動できます。高学年におすすめです。
<あとがき>で、江戸時代に最も親しまれた回文の一つと言われている「長き夜の遠のねぶりの皆目覚め波乗り舟の音のよきかな」が紹介されています。この言葉を紙に書いて枕の下に入れて眠るといい初夢が見られると言われています。以前教えてくれた方がいて、文庫でも楽しんでいる回文です。
④『貸出禁止の本をすくえ!』 アラン・グラッツ ないとうふみこ訳 ほるぷ出版 2019
自分の大好きな本を守るため友人たちと一緒に行動を起こす、9才の女の子、エイミー・アンの物語です。
家でも学校でも思っていることのほとんどを語らず、おとなしいと思われているエイミー・アンに変化が起きたのは、大好きな『クローディアの秘密』が図書室の棚から消えてしまったから。『クローディアの秘密』がなぜ貸出禁止になったのか、貸出禁止になった他の本も全部読もうと決意します。そのうち、自分が読むだけでなく、貸出禁止になった本を読みたいと思う人に貸し出しできるように、先生たちに内緒で学校の中で友人たちとロッカー図書館を始めます。
大きな困難にぶつかりながらも、あきらめず立ち上がる子どもたちのエネルギーに勇気がもらえます。エイミー・アンがどんどんすてきな女の子に変わっていくところも見どころです。図書館の司書のジョーンズさんやエイミー・アンの両親など、彼女を支える大人たちも魅力的です。読書の自由や図書館の存在意義についても考えさせてくれる興味深い作品です。
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