まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

レンゲの会 3月

2019-03-13 17:28:05 | 文庫のページ
レンゲの会  3月18日(月)10:00~13:00
   月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。

 『グリーン・ノウのお客さま』(1961) L.M.ボストン 評論社 1968 を取りあげます。シリーズの1冊です。
 時間のある方は『グリーン・ノウの子どもたち』『グリーン・ノウの煙突』もお読みください。
※※※2019年度の計画を立てたいと思います。取り上げたい作家、作品をお持ちください。
※※※次回は5月27日(月)10:00  詳しくは4月の文庫だよりをご覧ください。
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新しく買った本② 3月

2019-03-13 16:51:02 | 文庫のページ
『ローズの小さな図書館』 キンバリー・ウィリス・ホルト 谷口由美子訳 徳間書店 2013
 第1章は14歳の少女ローズの物語(1939年~1940年)です。本が好きで、将来は小説家になりたいと思っているローズが、生活のため17歳と偽って、移動図書館バスの運転手として働く話。その後、ローズがどんな人生を送ったのか、第2章ではローズの息子、第3章ではローズの孫娘、第4章ではローズのひ孫の男の子を主人公に、同じ13歳の子どもたちの喜び、悲しみを描くことを通して語られていきます。
 母として、祖母として、曾祖母としてのローズが時々登場します。最終章は2004年。ローズは79歳になっています。14歳のころの体験を書いた本が出版され、小説家になりたい夢が実現し、家族や友人、みんなから祝福を受けるローズです。ローズの14歳から79歳までの65年間の、4世代にわたる壮大な物語です。読者は何度もローズの家系図を確かめながら読んでいくことになります。本や図書館のこと、図書館で働く人についてもすてきに描いた興味深い作品です。
『かこさとし 子どもと遊び、子どもに学ぶ』 別冊太陽 平凡社 2017.3
 かこさんは2018年5月2日、92歳で亡くなりましたが、これは亡くなる前年に出版された本です。
 1959年、『だむのおじさんたち』(こどものとも)で絵本作家としてデビューしたかこさんは、それから60年間、たくさんの絵本や紙芝居、子どもの遊びに関する著作など、600冊以上の本を出版します。そんなかこさんの絵本作家としての歩み、子どもと子どもの本に捧げた生涯をまとめた貴重な本です。写真も多く掲載され、年譜、著作リストも充実しています。
 年譜を見ながら、気づいたことがあります。1926年、福井県の武生で生まれたかこさんは、7歳の時に東京に引っ越します。成蹊高校に入学し、1944年、高2の頃、国語の教師であった俳人の中村草田男に俳句の指導を受けています。かこさんより10歳年上の瀬田貞二さんはそれよりはやく、1939年23才の頃から中村草田男に師事して俳句をやっています。1950年代後半から、福音館書店で「こどものとも」の仕事をたくさんなさっているおふたりが、俳人の中村草田男とつながっていて驚きました。ちょっとした発見です。
MОE『かこさとし』 白泉社 2019.3.1 月間モエ2019.4月号
 「かこさとし 永遠の宝物」と題して特集が組まれています。長女の鈴木万里さんや、松居直さん、中川李枝子さん、最後の絵本となった『みずとはなんじゃ?』の絵を担当した鈴木まもるさんなどが、かこさんについて語っています。今春から『かこさとし展』が全国を巡回するという記事も載っています。まず3月21日から5月12日まで、越前市の武生公会堂記念館で「加古里子 ~ただ子どもたちのために~」が開催されます。
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寄贈本と新しく買った本① 3月

2019-03-13 15:58:24 | 文庫のページ
ありがとうございます。 寄贈本
■□■富谷市の大高美和さんからいただきました。
『犬とおばあさんのちえくらべ』 アニー・M・G・シュミット/西村由美訳/たちもとみちこ絵 徳間書店 2017
 2月の大人向けおはなし会(レンゲの会)で、大高さんが語ってくださったお話が入っている本です。動物たちの愉快なお話が9つ入っています。オランダのアニーさんの3冊目のお話集です。大高さんの語りを聞いて、ぜひ読みたいと思った方も多かったことと思います。どうぞ楽しんでください。

新しく買った本①
『かぜのひ』 サム・アッシャー 吉上恭太訳 徳間書店 2018
 色さまざまに紅葉した葉っぱが舞い飛ぶ強風の中、男の子は外に遊びに行こうと祖父を誘います。決してノーとは言わないおじいちゃんが言った言葉は、「たこを あげるのにもってこいだな。」でも凧が見つからず、家中探し回り、やっと見つけ、外へ出るまでにずいぶん時間がかかってしまいます。その間、ふたりの凧揚げをしたい気持ちがどんどん大きく膨れて、やっと凧あげができた時、奇跡が起こります。
 すばらしい凧あげを体験することになる男の子とおじいちゃんの話。落葉の季節に楽しみたい絵本。
 おじいちゃんと一緒に出掛けた雨の日の冒険の話(『あめのひ』)もあります。一緒に楽しんでください。
『村じゅうみんなで』 ヒラリー・ロダム・クリントン/マーラ・フレイジー 落合恵子訳 徳間書店 2018
 丘の上の一本の大きな桜の木を見つめながら「あったら いいな」と願った、ひとりの子どもの願いを、村じゅうみんなで、子どもも大人も一緒になって考え、作りあげていくすてきな話。大きな桜の木を囲んで、素晴らしい子どもたちの冒険公園ができるのですが、そこで遊ぶ子どもたちのはじけるような笑顔が、生き生きした表情が、印象的です。
 遊具を囲んでおかれたベンチには、親子連れや、若者、高齢者など、さまざまな年齢層の人々の姿を見ることができます。子どもが幸せになれる世界は、大人にとっても幸せな世界であるというすてきなメッセージが文からも絵からも伝わります。文を書いたのはアメリカのヒラリー・ロダム・クリントンさん。2016年、トランプ大統領と大統領選で闘った女性です。裏表紙に写真が載っています。大型絵本の画面いっぱいに描かれるマーラさんの絵もやさしい色づかいで、素晴らしいです。
『命の水 チェコの民話集』 カレル・ヤロミール・エルベン編 出久根育 絵  阿部賢一 訳 西村書店 2017 
 エルベンは19世紀にボヘミア(現在のチェコ共和国)で活躍した民俗学者で、チェコ語の民話や民謡を多数収集し、詩人、文筆家としても活躍した人です。この本はエルベンの生誕200年を記念して刊行されたアンソロジー(民話、なぞなぞ、バラットなど)です。
 表題作の「命の水」は、目の病にかかった王さまのために3人の息子たちが命の水を探しに行く話。3番目の末の息子がオオカミに助けられながら見つけてきた命の水を二人の兄たちが横取りしますが、銀の城のお姫さまの力でだれが命の水を見つけたかが分かる場面はユニークな展開で楽しめます。
 「物知りじいやの三本の髪の毛」はグリムの「金の髪が三本ある悪魔」と似ていますが、金の髪を持つのは悪魔ではなく、物知りじいや(太陽)です。また蛇を食べると動物の言葉が分かったり、お姫さまが呪いをかけられて蛇にされたり、蛇が印象深く登場します。スラヴ語圏の独特な味わいのある昔話をたくさん楽しめます。出久根育さんのテンペラ画の技法で描かれた幻想的な絵も素晴らしく、昔話の世界をより深く味わわせてくれます。
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