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まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

今月の詩 11月

2024-11-02 11:45:42 | 文庫のページ
  秋かぜに
          みずかみかずよ

 風は
 光を
 小さな虫にして
 とばし

 空の青さを
 すくいとるように
 流れ

 ギャロップしながら
 枯葉を
 きりもみさせている

 風よ
 おいで
 高い木のてっぺんから
 まっかにもえる葉を
 みんなあげよう

 とがった小枝が
 空をさし
 わたしの目が痛むとしても

 明るくなった
 林のおくで
 いろとりどりの
 小鳥たちのおしゃべりが
 いちだんと
 にぎやかになるだろう
   (『いのち』 みずかみかずよ 石風社)

 秋が深まり、朝晩はぐんと気温が低くなりました。庭のハナミズキもハウチワカエデもドウダンツツジも赤く色づきました。
 今月はみずかみかずよさんの「秋風に」を選びました。赤や黄に染まった木の葉が風に舞い散るのももうすぐです。風に呼びかける言葉がすてきです。みずかみさんの秋の詩はこれまでもたくさん楽しんできましたが、この詩は初めて取りあげます。どうぞ楽しんでください。
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新しく買った本 9月

2024-09-25 17:25:47 | 文庫のページ
新しく買った本
①『チリとチリリ ちかのおはなし』 どいかや アリス館2013
 自転車で走る、おかっぱ頭の赤いほっぺのチリとチリリの冒険シリーズ6冊目です。
 ふたりはほとんどそっくりで見分けがつかないのですが、絵をよく見ると違いがしっかり描かれています。このシリーズを楽しんでいる人はもう気がついているかもしれませんね。出かけようかと声をかけるのは必ずチリリで、自転車で、前を走っているのは必ずチリです。ワンピースのボタンの色の違いでわかります。です。チリは赤いボタン、チリリは青いボタンです。どちらも黒いズボンだと思っていましたが、チリリはズボンではなくタイツです。持ち物、身につけるものもチリは赤いもの、チリリは青いものに統一されています。
 今回は初めてふたりの家の中から物語がスタートします。地下の貯蔵庫の壁が壊され、逃げていく何者かを追って、ふたりは地下の国を自転車で走ります。モグラたちの落花生畑や、地下の美しいお花畑や湖にも出会います。犯人はアナグマの子どもたちでした。お詫びにアナグマのお母さんから美味しいてんぷらとスープをごちそうになるふたりです。
②『チリとチリリ あめのひのおはなし』 どいかや アリス館2019
 シリーズ7作目です。いつものように自転車で出かけたふたりは途中で雨にあいます。雨ふる森のたたずまいが美しいです。雨の日だけ営業しているカフェで、額縁のような窓から雨を眺め、お茶を楽しみます。レインコートを着たふたりはますます激しくなる雨の中を走りながら、不思議な体験をします。なんと「さかさあめ」の上を走っているのです。
雨がやみ、さて地上にもどるにはどうしたらいいか、かんでいたグミガムキャンディーのおかげでふたりは無事地上にもどれます。
③『チリとチリリ よるのおはなし』 どいかや アリス館2021
 シリーズ8冊目です。森の方から聞こえてくるお囃子に誘われて、チリとチリリはお祭りに出かけます。森の入り口のドリンクスタンドで黒猫が作るおつきみドリンクのおいしいこと!なんばいもおかわりしているうちに、ふたりの顔や体にひげやしっぽが現れ、耳も大きくなります。ふたりは夜の森の動物たちのお祭りに招待されたのです。おいしそうな屋台がいっぱい。ヨーヨーで遊んだり、花火をしたり、動物たちと一緒に楽しい夜の祭りを堪能します。
④『ちいちゃな女の子のうた「わたしは生きてるさくらんぼ」』
       デルモア・シュワルツ/バーバラ・クーニー しらいしかずこ訳 ほるぷ出版1981

 自然と一つになり、喜びいっぱいの小さな女の子の高らかにうたいあげる生への賛歌の絵本です。
 毎朝、新しいものに生まれ変わる私。さくらんぼにもリンゴにもプラムにも、時には木にも猫にも花にも、そして様々な色にも、赤にも金にも緑にも青にも自由に生まれ変わる私。その可能性を前に「わたしはわたし」と誇らかに唄う姿に感動をもらえます。
 そんな小さな女の子をバーバラ・クーニーはすてきに描いて見せてくれます。雪景色の向こうに広がる夕焼けでしょうか。赤が印象的です。白と赤が織りなす世界の神秘さ、その静けさに圧倒されます。木の葉が黄葉する森も、夜明け前の朝もやの立ち込める世界も美しいです。
 古書店で見つけて思わず購入してしまいましたが、2019年に復刊になりました。
 『ルピナスさん』や『クリスマス人形のねがい』(ルーマー・ゴッテン文)など、文庫にはバーバラ・クーニーの絵本がたくさんあります。
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寄贈本 9月

2024-09-25 15:42:52 | 文庫のページ
ありがとうございます。
 寄贈本

◆汐﨑順子さんからいただきました。
『読者としての子ども』 松岡享子 東京子ども図書館 2024.7.30
 2014年から2015年にかけて、東京子ども図書館設立40周年記難事業「児童図書館の基本を学ぶ出張講座キャラバン」を広島、仙台、新潟で開催したときの松岡享子さんの講演記録です。子どもと子どもの本に寄せる松岡さんの熱い想いを改めて知ることができます。
◆「こどものとも東北」さんからいただきました。
『絵本で楽しむアジアのくらし こどものとも アジアのおはなし』全10冊 福音館書店 2023.1
 スリランカの昔話「まほうのひょうたん」など月刊誌「こどものとも年中向き」や「こどものとも」で出たアジアのおはなし10冊をまとめて刊行。貴重な絵本ばかりです。
◆武田節子さんからいただきました。
『おはなしのろうそく33』東京子ども図書館 2023.3
 長く絶版の『アメリカのむかし話』(渡辺茂男編・訳 偕成社)から出た「小さなこげたかお」など興味深い6篇を収録。
『海を見た日』 М・C・ヘネシー 杉田七重訳 すずき出版 2021.5
 里親ミセス・Kの家で暮らす、里子になった経緯も抱えている問題もさまざまな8歳から13歳までの4人の子どもたちの再生の物語です。重いテーマの物語ですが、ある出来事をきっかけに、それまでばらばらだった4人の子どもたちが少しずつ歩み寄り、喜びを共有し、互いを思いやる結末が素晴らしいです。
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レンゲの会・大人のコーヒーサロン・お知らせ 9月

2024-09-25 14:45:14 | 文庫のページ
月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。
 レンゲの会
         9月30日(月)10:30~13:00 大人向けおはなし会  
 *13:00~14:00 コーヒータイム

・鬼の面 (日本の昔話)  東海林智子
・世界でいちばんやかましい音(ベンジャミン・エルキン)   岩田みち子
・おばばのお手玉(君川みち子)       高橋惠子
・一つ目ふたつ目みっつ目(グリムの昔話)  武田節子
・つぶむすこ(遠野の昔話)         笹森 環
・太陽と雲とラピナラ(マダガスカルの昔話) 佐々木文江
・小さなこげた顔(アメリカの昔話)     菅生まさ子
・テイザン(ハイチの昔話)         松尾福子

     語ってくださる方はこれからでもかまいませんので、申し込んでください。
     お時間のある方は、どうぞお話を聞きにいらしてください。
 次回は10月21日(月)10:30です。
  『ハックルべり―・フィンの冒険』(1885)マーク・トウエインを取りあげます。
   大塚勇三訳 福音館書店1997   千葉茂樹訳 岩波少年文庫2018

コーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんでいます。どなたでも参加できます。《大人のコーヒーサロン》 
         10月9日(水)1:00~3:00
  第2水曜日です。

 秋のひととき、お時間があったら、どうぞお出かけください。
 次回は11月13日(水)1:00です。

名取市図書館友の会・なとと主催  《講演会のお知らせ》
 鈴木まもるさんの講演会 「絵本と鳥の巣のふしぎ 鳥の巣が教えてくれること

  日時 10月14日(月)13:30-16:00  場所 増田公民館ホール(名取駅前北棟)
     参加費 一般500円  定員80名    申し込み:名取市図書館 022-382-5437
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おねがい

2024-09-23 15:35:10 | 文庫のページ
<お家の方へ>
  いよいよ11月の子ども市に向けて準備が始まりました!
 文庫を始めて1年目の10月、1周年を記念して開いたのが子ども市です。
それから毎年開催してきましたが、コロナの中で2020年・21年・23年は開催できず、22年だけは文庫の45周年の年でしたので、規模を縮小して開きました。60人ぐらいの方が来てくださって、特に小さい人たちにとっては初めての子ども市で、楽しんでもらいました。思いがけずNHKテレビの取材もあり、45周年のいい記念になりました。
 さて、今年は2年ぶりの開催になります。文庫で楽しんでいるおもちゃや人形などを中心に、すべて手作りのものが並びます。収益金で文庫の本を購入させていただいています。
 これから11月まで2カ月、準備をしていきます。お時間のある方、どうぞ、ご協力ください。よろしくお願いします。
 時間は 1:30~4:30 です。
 9/27(金) 10/4(金) 10/15(火) 10/28(月) 11/5(火) 11/8(金)  
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文庫の47周年を祝う会

2024-09-23 15:09:14 | 文庫のページ
 文庫の47周年を祝って
  10月2日(水)4:00から  おはなし会とおもちの会

 まつお文庫が誕生したのは1977年10月1日です。47年になります。その頃、仙台には市の図書館が1館しかありませんでしたが、市にはたくさんの文庫がありました。どの文庫も子どもであふれ、まつお文庫も利用者が100人を超える日もありました。1980年度は年間登録者が600人を越えました。たくさんの子どもたちが利用し、たくさんのお母さんたちに支えていただいて、文庫は47年間続いてきました。
 ささやかですが、そのお祝い会を開きます。コロナ禍でこの4年間、おもちの会を開くことができませんでしたが、今年は5年ぶりにおもちを食べてお祝いします。お家の方もどうぞ一緒にお祝いしてください。子どもの頃文庫に来ていたという方も、来ていただけたらうれしいです。当日は文集「なかま」1号から46号までを展示しますので、どうぞ見に来てください。
4:00 おはなし会   4:50 おもちの会
・今月の詩 「あきのそら」こねずみしゅん
・詩とわらべうた 
めのまどあけろ・かくかくかくれんぼ・くちびるたいそう
2羽の小鳥・今日は朝から晩だった・ひとつひばしでやいたもち

・絵 本 『かっぱ・かぞえうた』 せがわやすお 福音館書店
・短いお話 「ふたりのあさごはん」(にしゆうこ)  「あのつく話」(松岡享子)
・おはなし 「三びきのくま」イギリスの昔話
・巻紙話 「おおきなおおきなおいも」(赤羽末吉 福音館書店)
・パネルシアター 「これはジャックのたてた家」(マザー・グース)
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9月・10月の文庫の日

2024-09-23 14:05:42 | 文庫のページ
9月25日(水)
 4:00 おはなし「おんちょろちょろ」 松尾
 4:30 おりがみ(5色の鶴)
9月28日(土)
 4:00 おはなし「あくびがでるほどおもしろい話」松尾
 4:30 ストローのアメ
10月2日(水)
 4:00
 47周年を祝って
     おはなし会とおもちの会

10月5日(土)
 4:00 おはなし「金いろとさかのおんどり」 武田
 4:30 紙テープのしおり
10月9日(水)
 4:00 おはなし「スズメとカラス」 笹森
 4:30 ストローのアメ
19月12日(土)
 第2土曜日は
     文庫お休みです

10月16日(水)
 4:00 おはなし「まのいいりょうし」 武田
 4:30 おりぞめ
10月19日(土)
 4:00 おはなし「ブラックさんとブラウンさん」 松尾
 4:30 おりぞめ
10月23日(水)
 4:00 おはなし「だんなもだんなも大だんなさま」 松尾
 4:30 牛乳パックの変身箱パズル
10月26日(土)
 4:00 おはなし「バター坊や」 中村
 4:30 牛乳パックの変身箱パズル

文集「なかま」第46号がやっとできました!
半年もかかってしまいましたが、やっと出来上がりました。
文庫に来た時に、どうぞもらってください。
今回は1992年と1993年に開いた座談会の記録を再掲載しました。30年前の子どもたちがどんな本を楽しんでいたか、どうぞ読んでみてください。最後の方には昨年5月から情報誌「ままぱれ」に掲載させていただいた絵本の紹介も載せていますので、どうぞ楽しんでください。
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今月の詩 9月

2024-09-23 13:52:38 | 文庫のページ
   あきのそら
        こねずみしゅん
 くぬぎばやしで
 どんぐりを
 だいていたら
 かぜが ひゅうと
 とおりすぎました
 みあげると
 こえだを すかして
 あおいそらが みえました

 きれいだよ きれいだよ と
 なんかいも いいたくなる
 あおい そらでした

 しんこきゅうしたら
 こころの なかまで
 そらいろに そまりました
     (『のはらうたⅤ』工藤直子 童話屋)

 やっと秋らしくなりました。庭の彼岸花もここ数日でぐんぐん伸び、花を開きそうです。
 今月は『のはらうた』からこねずみしゅんくんの「あきのそら」を選びました。もうすぐ10月です。どこまでも青く澄み切った空を見たら、しゅんくんのように深呼吸してみよう! 心の中まで空色に染まるなんて、すてきです。

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新しく買った本 8月

2024-08-21 12:03:08 | 文庫のページ
新しく買った本
①『王さまめいたんてい』 理論社2012
②『たまごがいっぱい』  理論社2013
③『王さまレストラン』  理論社2014 寺村輝夫 原作/わかやましずこ 構成・絵

 寺村さんの死後、2012年から「新 王さま絵本」として新しく3冊出版になりました。
①遊ぶのが好きで勉強が嫌いな王様は、大臣に頭のいいところを見せてやろうと、自分で人形を隠し、盗まれたと騒ぎ、名探偵ぶりを発揮しようとしますが、大臣には誰が犯人かわかってしまいます。(『王さまめいたんてい』1977 に収録されている話。)
②大好きな卵を自分だけ食べようと、国中に卵を食べることを禁止する王さま。国中大騒ぎになりますが、一番腹を立てたのは自分たちの出番がなくなったフライパンたちです。王さまに抗議するフライパンたちの活躍が見ものです。(『王さまびっくり』1974 に収録されている話。)
③お城の庭でレストランを始めた王さまですが、王さまの作る料理はまずく、お城の人は誰も来なくなります。ところが冷蔵庫に残ったたった一つの卵を割ると、不思議なことが起こり、おかげで王さまはみんなにおいしいトンカツをごちそうすることができるのです。(『王さまレストラン』1981に収録されている話。)
 和歌山静子さんの描く茶目っ気たっぷりの王さまがなんとも魅力的です。
④『ねえねえ、きょうのおはなしは‥‥ せかいのたのしいむかしばなし』 大塚勇三再話・訳 PEIACO絵 福音館書店 2024
 グリムやノルウェーの昔話の他、ギリシャ、ウィグル、朝鮮半島、リトアニア、アイスランド、ロシアの昔話など、世界のいろいろな国の昔話が楽しめます。大塚さんの訳された『グリムの昔話』(全3巻)、『ノルウェーの昔話』から選ばれた昔話が10話、「母の友」や「おおきなポケット」に掲載された昔話が10話、あわせて20話をまとめた小型サイズの昔話集です。装丁もすてきで、低学年の子どもにも手に取ってもらえそうです。
 最後にある斎藤惇夫さんの「解説」も興味深いです。
⑤『風の見たもの 銀色の糸 不思議な一粒』 沓澤小波/フジコ・ヘミング 自費出版 2024.7
 宮城県柴田町在住の沓澤さんの童話「銀色の糸」と「不思議な一粒」に、4月に92才で亡くなられたピアニストのフジコ・ヘミングさんの挿絵がついたすてきな童話集です。お二人の出会い、付き合いは20年以上になります。沓澤さんは仙台で何度かフジコ・ヘミングさんのコンサートを開催してきました。
 「銀色の糸」は、満月の夜に聞こえてきたバッハの「無伴奏チェロ組曲」を聴きながら眠ってしまった女の子の夢の中の物語です。満月の夜までに、切れてしまったチェロの糸を直さなければならないという猫に出会い、亡くなったお母さんにもらった銀の糸で直してあげるのです。チェロを弾く猫とのふしぎな時間が流れる物語です。
 「不思議な一粒」は、一度もぶどうの「ド」を食べたことのない王子さまの物語です。それを食べると、人の心の奥を読むことができるのです。ある時、山ぶどうの「ド」を食べてしまった王子さまの心には悲しみが広がります。コウモリと再会し、再び笑顔を取り戻す王子さまの再生の物語。
 おふたりの最初の絵本『青い玉』(2009)も文庫にありますので、どうぞ手に取ってみてください。
⑥『夏のサンタクロース フィンランドのお話集』(1933) アンニ・スヴァン/ルドルフ・コイヴ
古市真由美訳 岩波少年文庫 2023.10

 1933年に出版された『アンニ・スヴァン童話集』には46編の童話が収めてあります。その中から訳者の古市さんが心ひかれた童話13編を選んでまとめた童話集です。
 表題作の「夏のサンタクロース」は、大切なブーツの片方を盗まれて困っているサンタクロースを子どもたちとキツツキが助ける話です。「森のクリスマス・イヴ」に出てくるクマの言葉、「春を迎えに行った三人の子どもたち」に出てくる春の女神の言葉が印象深いです。「ふしぎの花」は魔物に足をつかまれ、獣の足にされてしまった若者と、黒い美しい花が咲くまでは誰がきても決して戸を開けてはならないという亡くなった母の言葉を守る娘との出会いと別れと再会の物語です。
 どのお話も北欧フィンランドの豊かな森や自然を感じます。小鳥や動物たちが言葉を交わし、小人や妖精や魔物が登場し、子どもたちの喜びや若者たちの愛の物語など、想像の翼を存分に楽しませてくれる童話にたくさん出会えます。物語の世界を印象深く描いたルドルフ・コイヴのモノクロのペン画も美しく、心に残ります。
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寄贈本 8月

2024-08-20 12:13:52 | 文庫のページ
ありがとうございました 寄贈本
◆金須桂子さんからいただきました。
『子どものことを子どもにきく「うちの子」へのインタビュー 8年間の記録』 杉山亮 ちくま文庫 2022.11
 おもちゃ作家で子どもの本を書いている杉山亮さんが息子さんにインタビューした記録です。3歳から10歳まで8年間の記録。雑誌に掲載された後、岩波書店から出版され、新潮OH!文庫に入り、2022年にはちくま文庫で出版されました。15才の息子さん、37才の息子さんについて触れてある「あとがき」も興味深いです。子どもを理解し、子育てについて考えるときのたくさんのヒントがもらえる本です。
◆堀米薫さんからいただきました。
『東北まつり物語 東北6つの物語』 みちのく童話会編著 国土社 2024.7
 「東北6つの物語」全6巻は、堀米さんたち東北出身、在住の児童文学者13人が執筆を担当し、東北6県の魅力を様々なテーマで描くシリーズです。『東北まつり物語』は2巻目で、東北の夏祭りをテーマに6人の方が書いています。子どもたちがまつりと出会いながら成長していく物語です。東北6県の夏祭りの魅力を堪能できます。
◆内田麟太郎さんからいただきました。
『ひとのなみだ』 内田麟太郎/nakaban 童心社 2024.6
 インパクトのある表紙。僕たちの代わりにロボットの兵隊が戦争に行く。いつの間にか僕たちの心がロボットに支配されていないか。幼い日の両親との思い出が人としての心を、涙を思い出させてくれる。人としての思いをどう持ち続けるか、表紙の主人公の涙が問いかけてきます。
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