小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

田中真紀子文部科学大臣の3大学認可問題について。

2012-11-08 | 高等教育機関
前回(自民党所属時代)、外務大臣を更迭された田中真紀子大臣。外務省の機密費の開示を要求したことが原因だった。(また鈴木ムネオ議員との確執もあった。)今回の発言でも、文部科学省のお役人さん(官僚)との確執が深いところであったろう。それは、実父田中角栄氏が舐めた辛酸を思い出してのことだろう。(学がなかった父を、官僚があざ笑ったことを、真紀子さんは忘れていない。)
冷静に今回の件を整理する。
大学設置設置基準の大綱化(1990年)が今回の事態の直接的原因である。
設置基準がかなり甘くなり、大学などの高等教育機関の粗製乱造が始まった。
一方、高等教育機関への進学率は67%に達しており、進学希望者と募集定員がほぼ拮抗する状態、すなわち大学全入時代を迎えている。当然、今回の真紀子大臣の発言にあるように「高等教育機関の質」の問題が問われる。つまり、大学初め高等教育機関への進学率が50%をこえることを、かつてマーチン・トゥロウは「ユニバーサル化」と表現し、教育内容はじめ質も含めて、そこでの教育内容の再検討を必要とした。
おそらく、真紀子大臣の側近の教育学者のどなたかが「高等教育機関の質の保証」を進言されたことが背景にあったのではなかろうか。実際、初年次教育、リメディアル教育の見直しが各大学で行われている。そうした中で、安易な認可はもう許されないことを、真紀子大臣は強調したかったのではないか。
大臣にお願いしたいのは、「1990年の大学設置基準の大綱化」の見直しです。
教養課程が廃止され、豊かな教養を兼ね備えた、専門人の養成がなおざりにされています。教養教育(リベラルアーツ)をもう一度検討すべき時期でもあります。
真紀子大臣、宜しくお願い致します。

(大学教養部が廃止されたことを多くの大人は知りません。)
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中国市場から、撤退か?日本... | トップ | 日本の航空機産業の将来は明... »

高等教育機関」カテゴリの最新記事