goo blog サービス終了のお知らせ 

ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

河本ダム

2017-04-17 11:21:56 | 岡山県
2017年4月9日 河本ダム
 
河本ダムは岡山県新見市金谷の一級河川高梁川水系西川にある岡山県土木部が管理する多目的中空重力式コンクリートダムです。
高梁川河口部水島地区は高度成長期に水島臨海工業地帯として発展する一方、増加する工業用水源確保が大きな課題となってきました。
一方、高梁川中上流部では河川改修が遅れ抜本的な治水対策が求められていました。
そこで岡山県は高梁川上流部への多目的ダム建設を軸とした『高梁川総合開発事業』に着手し、1964年(昭和39年)に竣工したのが河本ダムです。
河本ダムは中国地方では唯一、日本で13基しかない中空重力式コンクリートダムとして建設されました。
河本ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、高梁川の洪水調節(最大375立米/秒の洪水カット)、水島工業地帯への工業用水の供給、岡山県企業局新見発電所でのダム水路式発電(最大1万900キロワット)を目的としています。

県道33号線の正田トンネル北側の正田橋から旧道に入ると右手に岡山県企業局新見発電所が見えてきます。
ちょうど桜が見ごろになっています。
 
下流から
クレストはラジアルゲートが2門、低水放流設備として左岸にハウエルバンガーバブルがあります。
 
ダム下流右岸は公園として整備され桜が満開です。
 
ハウエルバンガーバルブ。
 
堤体下流面
堤頂部からすぐにスロープが始まる下流面と、洪水吐導流部中段の膨らみがいかにも中空ダムといった風。
 
上流面と管理事務所。
 
上流面からゲート
水位が高いため中空ダム特有のタコ足スリットは見ることができません。
 
天端は車両通行可能。
 
減勢工と右岸の桜。
 
左岸から下流面。
 
河本ダムの管理事務所では河本ダムのほか、小阪部川ダム、三室川ダムのダムカードが配布されています。


(追記)
河本ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
  
1873 河本ダム(0927)
岡山県新見市金谷
高梁川水系西川
FIP
HG
60メートル
258.6メートル
17350千㎥/11100千㎥
岡山県土木部
1964年
◎治水協定が締結されたダム


草月ダム

2017-04-17 01:33:18 | 岡山県
2017年4月9日 草月ダム
 
草月ダムは岡山県新見市哲多町にある灌漑用の重力式コンクリートダムで、岡山県の事業で2000年(平成12年)に完成しました。管理者は確認できませんでした。
 
県道33号の吉清口バス停を東に折れ2車線の農免道路を進むとダムの入口となる井原地区に到着します。集落を抜け井原川沿いに進むとすぐにダートになるので、路肩に車を置いて徒歩でダムへ向かいます。
途中にある灌漑用水への分水工
草月ダムの水をここで取水するんでしょうか?
 
約1.5キロ歩くとダムの管理室らしき建物が現れます。
 
右岸から
クレストに自由越流式洪水吐が1門あるだけの坊主ダムです。
 
天端は立ち入り可能
ゲート部分だけ少し高くなっています。
 
上流面
木が邪魔ですがゲート右岸側に取水設備があります。
 
取水設備の操作バルブ。
 
総貯水容量5万5000立米の小さな貯水池。
 
導流部と減勢工
写真ではわかりづらいですが薄く越流しています。
 
上流面。
 
堤体直下への道は薮がひどくギブアップしました。
 
3535 草月ダム(0926)
岡山県新見市哲多町荻尾
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系井原川
24メートル
69メートル
千㎥/千㎥
管理者未確認
2000年


湯野ダム

2017-04-17 00:47:18 | 岡山県
2017年4月9日 湯野ダム
 
湯野ダムは岡山県高梁市備中町西油野の一級河川高梁川水系正信川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた岡山県の総合かんがい排水事業により1975年(昭和50年)に建設されました。
運用開始後は備中町が、現在は市町村合併により現在は高梁市が管理を受託し備中町西油野から東油野丘陵上の農地約150ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
湯野ダムへは上流からのアプローチとなります。
ダム右岸側の道路を進むと堤体が見えてきます。
 
上流面。
 
湾曲した洪水吐が特徴。
 
洪水吐導流部。
 
天端
轍がありますが対岸で行き止まり。
 
ダム湖は総貯水容量15万8000立米の細長い貯水池です。
 
ダムの直下には揚水機場があります。
 
取水設備
初めて見るタイプ。
 
ダム下の揚水機場
ダムの天端標高430メートルに対し、受益農地は高所の標高450~500メートルの丘陵上にあるため、貯水池の水はここからポンプアップして農地に送られます。
 
ここから見るとロックフィルだとわかります
 
(追記)
湯野ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1887 湯野ダム(0925)
岡山県高梁市備中町西油野
高梁川水系正信川
20.9メートル
71.5メートル
158千㎥/136千㎥
高梁市
1975年
◎治水協定が締結されたダム

新成羽川ダム

2017-04-15 04:45:07 | 岡山県
2017年4月9日 新成羽川ダム
 
高梁川河口部では1950年代後半から水島臨海工業地帯が形成され、中国電力は増加する電力需要へ対処するため新たな電源開発に迫られました。
そこで中国電力は高梁川の主要左支流成羽川に着目、1963年(昭和38年)に『新成羽川発電所建設計画』を策定し1968年(昭和43年)に成羽川中流域に3基のダムを建設しました。
この事業の中核として3基のダムの最上部に建設されたのが新成羽川ダムで新成羽川ダムを上部池、下流の田原ダムを下部池とする新成羽川発電所で最大30万3000キロワットの揚水式発電を行っています。この出力は完成当時は西日本の水力発電所で最大規模を誇りました。
新成羽川ダムは発電のほか岡山県臨海部の工業用水の水源として岡山県企業局が建設時から事業参加していました。現在は千屋ダム、河本ダムとともに水島工業用水道事業、笠岡工業用水道事業の水源となっています。
新成羽川ダムの型式は日本では珍しい重力式アーチで、堤高103メートルの日本最大の重力式アーチダムとして日本ダム100にも選定されています。
 
田原ダムから県道107号を西進すると新成羽川ダム左岸に到着します。
天端を渡り成羽川右岸に向かいますが、右岸の県道437号は落石により通行禁止のため歩いてダムの下流へ向かいます。
すぐにダムの堤体が見えてきました。
 
日本一の規模を誇る重力式アーチとほぼ真正面から正対できます。
まるで鷲が羽を広げたような雄姿、クレストには6門のラジアルゲートが並びます。
発電所は洪水吐下のダムの堤体内にあり、洪水吐下部が発電の放流口及び取水口となっています。
 
左岸に戻ります
天端には取水設備建屋、対岸に管理事務所があります。
 
洪水吐のシュート部分
この下に発電所があります。
 
右岸の変電所。
 
天端は車両通行可能
建物は取水設備。
 
補助ゲートはキャタピラゲート。
 
ダム湖は備前湖
岡山県から広島県へと続きます。
 
右岸から。
 
取水口からの水圧鉄管。
 
上流面。
 
(追記)
新成羽川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1879 新成羽川ダム(0924)
岡山県高梁市備中町西油野
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系成羽川
IP
GA
103メートル
289メートル
㎥/㎥
中国電力(株)
1968年
◎治水協定が締結されたダム

田原ダム

2017-04-14 20:20:34 | 岡山県
2017年4月9日 田原ダム
 
高梁川河口部では1950年代後半から水島臨海工業地帯が形成され、中国電力は増加する電力需要へ対処するため新たな電源開発に迫られました。
中国電力は高梁川の主要左支流成羽川に着目、1963年(昭和38年)に『新成羽川発電所建設計画』を策定し1968年(昭和43年)に成羽川中流域に3基のダムを建設しました。
田原ダムは3基のダムの中間に位置し田原ダムを下部池、新成羽川ダムを上部池として新成羽発電所で最大30万3000キロワットの揚水式発電を行うほか、ダム直下の田原発電所で最大出力2万2000キロワットの一般水力発電もおこなっています。
 
黒鳥ダムから成羽川に沿って県道33号を北西に進むと田原橋で左手に田原ダムを望むことができます。
クレストには7門のラジアルゲートが並びゲートビアには被覆された管理橋が設置されています。
 
田原橋から県道107号を左折するとダム左岸に到着します。
整然と並ぶゲートと白いゲートピア、減勢工の2列のブロック工・・・非常にスマートなダムです。
 
2列に並ぶ減勢工のブロック工。
 
右岸ダム下には円形の田原発電所があります。
 
天端は立ち入り可能です
ちょっと霧が出ています。
 
導流面と減勢工
ここから見ると2列のブロックはそれぞれ形状が異なっているのがわかります。
上流側は櫛形切欠き、下流側は歯型閾というようです。
 
黒鳥ダムと異なりゲートビアには被覆された管理橋があります。
 
田原発電所
手前に水圧鉄管があります。
 
右岸から下流面。
 
上流面。
 
(追記)
田原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1880 田原ダム(0923)
岡山県高梁市備中町東油野
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系成羽川
41メートル
206メートル
千㎥/千㎥
中国電力
1968年
◎治水協定が締結されたダム

黒鳥ダム

2017-04-14 18:32:25 | 岡山県
2017年4月9日 黒鳥ダム
 
高梁川河口部では1950年代後半から水島臨海工業地帯が形成され、中国電力は増加する電力需要へ対処するため新たな電源開発に迫られました。
中国電力は高梁川の主要左支流成羽川に着目、1963年(昭和38年)に『新成羽川発電所建設計画』を策定し1968年(昭和43年)に成羽川中流域に3基のダムを建設しました。
3基のうち最下流に位置するのが黒鳥ダムで、上流の発電所の逆調整池としての役割を持つほか、自身も黒鳥発電所で最大2200キロワットの発電を行っています。
 
国道313号の手川橋交差点から県道33号に入り成羽川沿いに西進すると右手に黒鳥ダムが見えてきます。
クレストには6門のローラーゲートが並びます。
ゲートピアには管理橋がなく扶壁前面の建物の中に巻き上げ機があるのは前日見学した呉の二級ダムと同じスタイルです。
 
ダム右岸に黒鳥発電所があります
天端は対岸との生活道路になっており、歩行者及び二輪車が通行可能です。
 
右岸上流から
手前が発電所の取水ゲートになります。
 
ゲートピアの壁面には番号が振られています。
 
ダム湖
右岸県道沿いの桜は満開、朝霧が幻想的な雰囲気を掻き立てます。
 
 
上流面。
 
右岸の桜。
 
左岸下流から
対岸の発電所から放流されているのがわかります。
 
東北や北陸の発電ダムの被覆されたゲートピアに慣れているせいか、広島や岡山で見られるこのタイプのゲートピアには何となく違和感を感じてしまいます。これから西日本のダムの見学を増やせばこのタイプにもなじんでくるんでしょうね?
 
(追記)
黒鳥ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1881 黒鳥ダム(0922)
岡山県高梁市備中町長屋
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系成羽川
15.5メートル
122メートル
千㎥/千㎥
中国電力
1968年
◎治水協定が締結されたダム

旭川ダム(元)

2017-01-16 14:04:57 | 岡山県
2016年12月31日 旭川ダム(元)
 
旭川ダムは岡山県岡山市北区(左岸)と加賀郡吉備中央町(右岸)の境界の旭川中流域にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムで1954年(昭和29年)に建設されました。
吉井川、高梁川とともに岡山三大河川の一つに数えられる旭川は、古代吉備王朝の時代からこの地を支える貴重な河川ですが、洪水被害が絶えず旭川の治水がこの地を治める為政者の大きな課題となっていました。
1934年(昭和9年)の室戸台風は流域で死傷者約500名、浸水家屋約5万戸という未曽有の被害が発生し旭川の抜本的な洪水対策が求められました。
これを受け岡山県は1942年(昭和17年)に旭川ダムの建設に着手しますが戦況悪化により事業は中断となりました。
戦後岡山県は復興の柱として旭川総合開発計画を策定し1954年(昭和29年)に完成したのが旭川ダムです。
旭川ダムは旭川の洪水調節、既得取水権への補給と安定した河川流量の維持、岡山市などへの上水道の供給を目的とするほか、岡山県企業局が運営する旭川第1発電所で最大1万8700キロワットの発電を行っています。
その後1984年(昭和59年)に竣工した再開発により、洪水調節能力や利水放流量の増強をはかりました。
さらに2020年(令和2年)に旭川中上流ダム再生事業が採択され、新たな放流設備の増設及び不特定利水容量を上流の湯原ダムに振り替えることで、洪水調節容量を従来の2300万立米から2900万立米に増大させるダム再開発事業が着手されました。
  
左岸上流から
旭川ダム周辺は桜や釣りの名所になっていますが、年末12月31日ということで観光客の姿は全くありません。
釣用のボートがさみしげに係留されています。
 
旭川第1発電所の取水口。
 
下流の眺め
対岸にバウチャープラント跡、その下に再開発で建設された放流ゲートがあります。
 
複雑な形状の副ダム
右手が改修で追加された放流ゲート。
 
ダム直下左岸に旭川第1発電所があります。
 
再開発で建設された取水塔。
 
天端
明暗差が大きく撮影が難しいシーン。
 
下流面。
 
ずらっと並ぶ10門のラジアルゲート
まるで電力会社の発電ダムのようです。
 
左岸(向かって右手)は発電所放水口。
 
1954年(昭和29年)竣工のダムということで、造形やデザインの各所で戦前、戦中のダムの要素が見られる旭川ダムです。
 

(追記)
旭川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1867 旭川ダム(元)(0808)
左岸 岡山県岡山市北区建部町和田南
右岸    加賀郡吉備中央町神瀬
旭川水系旭川
FNWP
 
45メートル
212メートル
57383千㎥/51772千㎥
岡山県建設部
1954年
◎治水協定が締結されたダム
-------------
3716 旭川ダム(再)
左岸 岡山県岡山市北区建部町和田南
右岸    加賀郡吉備中央町神瀬
北緯34度54分49秒,東経133度51分23秒
旭川水系旭川
FNWP
 
45メートル
212メートル
57382千㎥/51772千㎥
国交省中国地方整備局
2020年~

恩木ダム

2017-01-16 13:28:12 | 岡山県
2016年12月31日 恩木ダム
 
恩木ダムは岡山県加賀郡吉備中央町にある防災専用の重力式コンクリートダムで、岡山県により1987年(昭和62年)に建設され吉備中央町が管理を行っています。
農水省の補助を受けて岡山県農林部の事業で建設されており、いわゆる農地防災ダムとなります。
 
吉備中央町を縦断する県道66号を北上し、溝部で左に分岐する町道に入ると恩木ダムが見えてきます。
クレストは自由越流式洪水吐が2門、オリフィスゲートから放流しています。
 
右岸から
天端は車両通行可能。
 
防災専用ダムですがダム湖には水が溜まっています。
 
減勢工。
 
左岸から下流面。
 
天端と管理事務所。
 
 
上流から。
 
追記
恩木ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により併せて合計37万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。 
 
1913 恩木ダム(0807)
岡山県加賀郡吉備中央町溝部
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系豊岡川
30.8メートル
106.5メートル
千㎥/千㎥
吉備中央町
1987年
◎治水協定が締結されたダム

竹谷ダム

2017-01-16 11:07:09 | 岡山県
2016年12月31日 竹谷ダム
 
竹谷ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の旭川水系宇甘川支川竹谷川にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムで、宇甘川総合開発事業の一環として2003年(平成15年)に建設されました。
宇甘川は1945年(昭和20年)と1972年(昭和47年)に大きな洪水被害をもたらし1981年(昭和56年)に支流の加茂川に鳴滝ダムが完成しましたがさらなる洪水対策を求める声が続きました。
一方1973年(昭和48年)より当時の加茂川町と賀陽町境界地域(現吉備中央町)で吉備高原都市構想がスタートし上水道の需要増加が見込まれました。
さらにダム建設中の1994年(平成6年)には異常渇水が発生し宇甘川流域では24時間断水が110日間も続く異常事態が発生しダム完成を求める声が一段と高まりました。
竹谷ダムは、竹谷川及び宇甘川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、吉備中央町への上水道の供給を目的としています。
 
県道31号線を西進すると右手に竹谷ダムが見えてきます
クレストは自由越流式が1門、オリフィスから放流中。
 
直下の浄水場は一見普通の住宅のようです。
 
白い建物は利水放流設備。
 
左岸から
下流から見るよりも堤頂長がはるかに長く見えます。
 
天端は車両通行可能
右手は管理事務所。
 
上流面
取水設備が見えます。
 
ダム湖
竹谷の名の通り周辺には竹林が広がります
総貯水容量は49万8000立米でいわゆる生活貯水池です。
 
減勢工と副ダム
手前は利水放流設備、奥は上水道浄水場。
 
右岸から下流面。
 
右岸にある展望台から
上の写真とあんまり変わりません・・・
 
追記
竹谷ダムには27万1000立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が@とになりました。

3173 竹谷ダム(0806)
岡山県加賀郡吉備中央町豊野
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系竹谷川
FNW
38メートル
199メートル
千㎥/千㎥
岡山県土木部
2003年
◎治水協定が締結されたダム

鳴滝ダム

2017-01-16 09:47:12 | 岡山県
2016年12月31日 鳴滝ダム
 
鳴滝ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の旭川水系宇甘川支川加茂川にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
、宇甘川総合開発事業の一環として1981年(昭和56年)に建設されました。
宇甘川は1945年(昭和20年)と1972年(昭和47年)に大きな洪水被害をもたらし抜本的な洪水対策が求められました。
一方1973年(昭和48年)より当時の加茂川町と賀陽町境界(現吉備中央町)で吉備高原都市構想がスタートし上水道の需要増加が見込まれました。
そこで岡山県は宇甘川総合開発事業を策定し宇甘川支流の加茂川への多目的ダム建設事業に着手、1981年(昭和56年)に竣工したのが鳴滝ダムです。
鳴滝ダムは加茂川及び宇甘川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、上水道の供給を目的としています。
鳴滝ダム周辺は吉備高原都市に隣接した『21世紀の森』として整備され吉備青少年自然の家などの施設や遊歩道が整備され、周辺地域代表するレクリエーションゾーンとなっています。
ダム便覧では鳴滝ダムは日本で初めて堤趾導流壁が採用されたダムとされていますが、福島県の東山ダムもまた日本初の堤趾導流壁が採用されたダムとなっています。
両者の着工、竣工年度を比較すると着工ベースでは東山ダムが1年早く、竣工ベースでは鳴滝ダムが1年早くなっていますので、鳴滝ダムは竣工ベースでは日本で初めて堤趾導流壁が採用されたダムとするのが妥当かと思います。
 
鳴滝ダムへは『21世紀の森』に入り鳴滝ダムの標識に従うと到達できます。
ただし、ダム手前で車両進入禁止となるためダムまでの数百メートルは徒歩となります。
車止め手前の駐車場に車を止めて歩くと右手に鳴滝ダムが見えてきます。
クレストは自由越流式で取水設備があります。
 
左岸から
取水設備の向こうになにやら面白そうなものが見えます・・・・。
 
天端は徒歩のみ通行可
車道は対岸で行き止まりですが遊歩道が続いています。
 
オリフィスはダム穴風の半円形越流式洪水吐。
 
 
減勢工
オリフィスから放流されていますが残念ながら下流から拝むことはできません。
 
ダム湖(鳴滝湖)
周辺は21世紀の森として整備されレクリエーション施設があるほか遊歩道が整備されています。
 
堤高は34メートルとさほど高くはありませんが、猛禽の翼を連想される特徴的な導流壁。
竣工ベースでは日本で最初に堤趾導流壁を採用したダムとなっています。(着工ベースでは福島県の東山ダム)。
 
上流面
やはりダム穴に目が行きます。
 
 
吉備高原都市は岡山県の財政悪化やバブル崩壊で自治体が展開した開発事業お決まりの展開・・・
住宅地や工業団地もすかすか状態で高原に住宅や工場がぽつぽつと点在しているのが現状です。
温暖な気候、豊かな自然と環境は悪くはないのですが、すでに人口減少時代となった日本において地方でのこの手の事業には残念ながら未来はなさそうです。
 
(追記)
鳴滝ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
 
1899 鳴滝ダム(0805)
岡山県加賀郡吉備中央町竹部
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
旭川水系加茂川
FNW
34メートル
127メートル
1680千㎥/1460千㎥
岡山県土木部
1981年
◎治水協定が締結されたダム

美和池

2017-01-16 09:02:57 | 岡山県
2016年12月31日 美和池
 
美和池は岡山県加賀郡吉備中央町北にある灌漑用アースダムで、1963(昭和38年)に県の事業で建設され農水省のリストでは土地改良区が管理を行っています。
 
国道484号の道の駅『かよう』と賀陽インターの間の池の砂集落から町道を北に入り集落を抜けると美和池が現れます。
堤体直下から
基部は谷積み。
 
取水設備からの底樋吐口
美和池の銘があります。
 
右岸洪水吐導流部。
 
下流面
 
民家の脇をスイッチバック気味に上がって行くと右岸に出ます
洪水吐で堤体が切れているので天端に向かうことができません。
周辺は一面の松林、時期が時期だとマツタケドロボーに間違われそう。
 
右岸の階段式斜樋。
 
3529 美和池 (0804)
ため池コード
岡山県加賀郡吉備中央町北
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系大谷川
18.1メートル
66.8メートル
千㎥/千㎥
土地改良区
1963年

楢井ダム

2017-01-14 14:30:16 | 岡山県
2016年12月31日 楢井ダム
 
楢井ダムは岡山県高梁市松山の一級河川高梁川水系右の谷川にある岡山県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
右の谷川は高梁川の3次支流ですが、下流の佐与谷川流域では洪水や渇水が多く治水対策が求められていました。
一方岡山自動車建設に合わせてダム建設地点に隣接して工業団地が造成されるなど上工用水源確保が課題となります。
こうした状況を受け、岡山県は建設省(現国交省)の小規模ダム補助事業である生活貯水池事業を活用した多目的ダム建設を採択、1996年(平成8年)に竣工したのが楢井ダムです。
楢井ダムは建設省の補助を受けた補助多目的ダムで、右の谷川および佐与谷川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、高梁市松山地区への上工水の供給を目的としています。
 
ダム周辺はよく整備されておりダム湖上流に親水公園があるほかダム湖を周回する道路各所に駐車場があります。
ただ、ダムを下流から正対できるポイントはありません。
左岸から下流面
左右両岸にはフーチングが設けられ、中段から堤趾導流壁が設置されています。


天端は車両通行可能。


上流面。


天端から減勢工を見下ろすと
がっちりした導流壁が印象的、右手は放流設備
放流設備の右手はポンプ室か?


生活貯水池ダムということで総貯水容量47万立米の小さなダム湖。


建設着手がまだバブルの余韻が残る時期だったせいもあり、ダム周辺には手の込んだ装飾や意匠が目立ちます。
天端高欄には高梁市の武家屋敷のなまこ壁をモチーフにした装飾。


天端入り口には燈篭を模した照明。


照明もガス灯風。


竣工記念碑。


上流から
クレスト自由越流頂2門、自然調節式オリフィス1門を備えたゲートレスダム
水中に没していますが、ゲート右手に多孔式取水設備があります。


管理事務所もバブリーな雰囲気の凝ったデザイン。
職員の常駐はありません。


(追記)
楢井ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3088 楢井ダム(0803)
岡山県高梁市松山
高梁川水系右の谷川
FNWI
 
38.2メートル
92メートル
470千㎥/400千㎥
岡山県土木部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

槙谷ダム

2017-01-14 02:09:16 | 岡山県
2016年12月31日 槙谷ダム
 
槙谷ダムは左岸が岡山県加賀郡吉備中央町、右岸が岡山県総社市境界の高梁川水系落合川上流部にある防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
1976年(昭和51年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営槇谷用水改良事業及び槇谷川防災ダム事業がスタート、同年事業着手され1988年(昭和63年)に竣工したのが槇谷ダムです。
槇谷ダムは落合川の洪水調節・落合川流域農地へのヵんがい用水の補給を目的としており、ダム完成後は総社市が受託管理を行っています。
 
槙谷ダムは県道307号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずはダムの下流から
2門のオリフィスゲートから放流しています。
槙谷ダムは堤体にタッチできるます。
 
左岸上流から
クレストは自由越流式洪水吐が2門、その下にオリフィスゲートが2門
ゲートの右手に取水設備があります。
 
左岸の管理事務所とインクライン。
 
上流面。
 
天端は歩行者のみ通行可
ゲート部分だけわずかに高くなっています。
 
ダム湖
総貯水容量219万立米。
 
下流の眺め
減勢工には副ダムがあり、右岸は桜が植えられ公園になっています。
 
ダムは総社市と旧賀陽町(現吉備中央町)の境界になっています。
 
堤体右岸には『まきだにダム』の文字。
 
右岸から
取水設備。
 

(追記)
槇谷ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1906 槙谷ダム(0802)
岡山県加賀郡吉備中央町岨谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系落合川
FA
45メートル
140メートル
千㎥/千㎥
総社市
1988年
◎治水協定が締結されたダム


落合ダム

2017-01-14 01:03:21 | 岡山県
2016年12月31日 落合ダム
 
落合ダムは岡山県加茂郡吉備中央町の高梁川水系落合川源流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省の補助を受けた岡山県の事業で1980年(昭和55年)に建設され、完成後は賀陽町が、合併後は新たに誕生した吉備中央町が受託管理を行っています。
 
岡山空港から広域農道の吉備高原街道をひたすら西進し県道307号線との交差点を過ぎると落合ダムを示す小さな標識があります。
ここを左折すると落合ダム左岸に到着します。
左岸から。
 
天端
ゲート部分だけ高くなっています。
 
右岸から。
 
浮き桟橋。
 
右岸から上流面
ゲートは自由越流式が1門
同じ町内の日山ダムとよく似た坊主ダムです。
ゲートの先は取水設備。
 
取水設備。
 
導流面と減勢工
左手は利水放流設備。
 
ダム湖。
 
ダム便覧には堤体直下からの写真が掲載されていますが、訪問時は堤体下に向かう道路は関係者以外立ち入り禁止になっていました。

(追記)
落合ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

 
(追記)
落合ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1897 落合ダム(0801)
岡山県加賀郡吉備中央町岨谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系落合川
35.7メートル
92メートル
千㎥/千㎥
吉備中央町
1980年
◎治水協定が締結された

横尾池

2017-01-13 15:09:33 | 岡山県
2016年12月31日 横尾池
 
横尾池は岡山県岡山市北区にある灌漑用アースダムで、1944年に県の事業で建設されました。
 
横尾池は県道61号線沿いにありアプローチは簡単、ただし県道はそこそこ交通量がある一方池のそばに駐車スペースが少ないので注意が必要です。
右岸上流から。
 
上流面はアースがむき出し。
 
上流面は護岸は行われずアースがむき出し。
 
竣工記念碑
1944年(昭和19年)の竣工当時のものです。
 
天端
轍がありますが・・・・。
 
横谷池は総貯水容量35万2000立米と溜池としては大規模なサイズです。
 
下流面
冷え込みが厳しく霜が降りています。
 
左岸から上流面。
 
左岸洪水吐
コンクリートの越流壁に2カ所の切れ込みがあり鉄板はめ込まれています。
 
越流の際はまず鉄板の下から流下する仕組み。
 
昨年10月からスタートしたダム巡り、この横尾池が記念すべき800基目のマイルストーンとなりました。
 
3539 横尾池(0800)
ため池コード
岡山県岡山市北区横尾
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
笹ヶ瀬川水系道口川
17メートル
95メートル
千㎥/千㎥
管理者未確認
1944年