UV硬化レジンを手に入れて、さてバルサム接着がされていなかった、コムラー135㎜F2.8のレンズ修理という事になったのですが、その先にUV硬化レジンの特性をよく知っておく必要があります。実際日中に確認を行ったのですが、よく考えると明るい日中は当然紫外線も降り注いでいるわけで、少し紙の上に出しておくと固まってしまいます。
固まり方は遅いのですが、レンズの位置調整やはみ出したレジンのふき取りを行っているうちに固まってしまいますので、さてどうしようという感じです。結局は夜の作業という事にして、少しのんびりできる時間帯に作業を行おうという事にしました。それにしてもレンズの貼り合わせは精度良く行われているために、少しでもずれてしまうと光軸自体がずれてしまって色ずれや妙なにじみに悩まされるという事になります。
FinePix JX600 Fujinon4.6~23mmF4.8~6.3
撮影データ:1/15sec F3.5 ISO640
それならばという事で3点支持の方法で、固定した後に紫外線を照射すればずれも少なく接着できます。使うものは100均で買ってきたマジックテープと先を切ったつまようじ3本で、接着剤を塗布して貼り合わせた後で、コバ部分にはみ出した接着剤を拭き取り、マジックテープでコバ部分を固定した後で、大体均等な3点位置につまようじを差し込んでいきます。
この後でUV照射機をレンズの上にセットして、3分ほど紫外線を照射すれば硬化するという感じで、意外にあっけなく作業は終了しました。UV硬化レジンも透明タイプを使用していますので、着色もほとんどなくて良い感じです。問題点は耐久性ですが、どのくらい持つかまだ判りませんので、実際に現用しているレンズに装着してみて確かめる予定です。ジャンクレンズを買って2本は現用可能ですから、ゆっくりと確かめていこうと思います。
さて、中古品レンズのWebページを見ていると、興味を抱いていたレンズが意外と安く掲載されていたりします。SMCペンタックスM35㎜F2.8ですが、絞りの粘りがあるとの事で安く出ていました。早速入手してみると絞りの動きがかなり粘る感じです。このような時にWeb検索はかなり有効で、かなり有力な情報が出ているという事になります。
FinePix JX600 Fujinon4.6~23mmF4.8~6.3
撮影データ:1/15sec F3.5 ISO640
絞り本体に油の付着が無ければ、マウント部分の油を取ればよいわけで、早速マウント部分の5か所にとめられているネジを外して、マウント金具部分を取り外します。取り外してみると油がべったりと付着していて、どうやらメンテナンス時に油を多くつけすぎたという感じです。絞りの動作伝達を行う輪っかなのですが、油が付いていると動作が粘ってしまう感じです。
試しに油をフィルムクリーナを付けた綿棒で洗浄すると、動作はかなり軽くなりました。現用できるようになったのですが、あいにく外は雨の休日です。今度の休日に持ち出して確かめようという感じなのですが、不具合個所は絞りの粘りだけで、光学系もすごくきれいなレンズでしたから、今から期待感がすごく高まったという感じです。
色々な事が行えて有意義な雨の休日といった感じなのですが、桜の方も3月の下旬に早々と開花したおかげで、一気に満開になってしまいました。このため4月に入ると花びらが先に散ってしまって赤色の額の部分が残ってしまい、何とも寂しげな雰囲気になっています。桜の開花に合わせるように裏山の木々も芽吹き始めて、今までは箒の先のようだった枝の部分に緑の綿が付いたようになっています。
次週の休日は晴れの予報が出ていますので、修理出来て現用できるようになったSMCペンタックスM35㎜F2.8を連れ出すことにしましょう。修理したコムラーの貼り合わせレンズは、リリーフ用として大切にしまい込んでしまいます。本当は修理の見本のようなレンズなのですが、これでバルサム剥がれのレンズ修理にも光明が射したという事になります。バルサム剥がれのレンズを剥がすのは熱を加えるしかない訳で、結構厄介な作業なのですが、剥がすことさえできれば何とかなる訳で、チャレンジャーになれそうな感じです。
それでは、先月初めに撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Pentax 120mmF2.8
撮影データ:1/1250sec F5.6 ISO100
今年は少し早く花ももの花が満開になりました。この花が咲くと暖かさも本格的になるのですが、もう少し寒さの辛抱も必要な感じです。
自身の保有レンズではSuperTakumar24/3.5が重傷で、このGWの撮影を最後に飾り物になりそうです。
難しそうな内容ですが、普段エポキシ接着剤で色々補修をしている(特に家の中のものが壊れた等)場合は、意外にすんなりと事が運びます。紫外線照射機も難しそうなアイテムですが、ネイルアート用のものが今では普通に手に入るようです。このUV硬化レジンもネイルアートや飾り物作成用です。
意外にあっけないほどに終わったのですが、柔らかくなる温度はバルサムも同じ80℃位で、バルサム切れの修理はレンズを外す事が主目的ですから、熱湯につけて割りばしでずらす力を加えると、今度は外す事が出来そうです。
上手く外す事が出来れば、オールドニッコールのバルサム切れ修理も出来そうな感じで、期待しながらゆっくりと実験をしてみようと考えています。