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歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Pentax-M 120mmF2.8

2019-08-27 06:50:02 | ペンタックスレンズ
かねてから揃えてみたかったレンズで、SMCタクマーもSMCペンタックスレンズも、この焦点距離のレンズを持っています。ペンタックスさんが、手振れをしないと思われる最大の焦点距離として開発した120mm望遠レンズなのですが、確かに135mmF3.5の一般望遠レンズに比べて、手振れを量産する事が余りありません。

しかし、SMCタクマー時代から販売されていたレンズですが、Mレンズから後のレンズには120mmの焦点距離のレンズが無い印象です。それでも結構長持ちしたという感じで、Mレンズ以降は面白焦点距離レンズが鳴りを潜めて、メジャーな焦点距離になって行ったと考えています。

その背景にはズーム・レンズの普及があります。画角を優先して考えれば、ズーム・レンズの中に包含する事ができますので。70-200mmの望遠ズーム・レンズと考えれば、120mmも150mmも存在意義がなくなってしまいます。手振れの低減という理由であれば、ズーム・レンズの方が好きな画角に合わせこむことが出来ますので、吸い込まれていったという感じになります。

しかし、単焦点レンズを好む方々は、120mmレンズに価値を見出していたという感じです。105mmレンズよりは圧縮効果も出てくるし、135mmレンズよりは収差の影響が出てこない訳で、105mmと135mmレンズの良い所取りをしたような雰囲気に仕上がっているといった感じになります。これが質感描写という特徴になっています。

これをズーム・レンズに求めるとすると、結構難解な事になります。普及品ズーム・レンズではF2.8の明るさはまず出てきませんし、F2.8通しのズーム・レンズは結構大物になってしまって取り回しが面倒という事になります。更に収差の問題も出てきますから、現代レンズになって初めて何とかなってきた事になります。

SMCタクマーとSMCペンタックスレンズは質感描写を売りにしていた感じです。しかし、Mレンズからは小型化という要求も実現しなくてはいけなくなりました。そこで、質感描写に優れている点に加えて問題になっていたコントラストの改善も図られた様子です。そして、レンズ自体の大きさも105mmタクマーとほぼ同じくらいになって発売されました。

手に入れた中古品を見ると、明らかに小さいレンズです。レンズの屈折率を高くしている感じで、貼り合わせレンズも用いている様子です。少しカビ跡のような斑点がありますが、これは小さなバルサム剥がれみたいな感じで、レンズ玉の周辺部ですから写り自体にはあまり影響がありません。フードは内臓式で、とにかくこのレンズ1本有れば後はフードを準備する必要が無くて助かります。

早速撮影行に連れ出して試写を行いましたが、とにかくはっきりと写る抜けの良さが自慢のレンズです。コントラストは結構高くて少しどぎつく描写する感じですが、旧来タクマーの持つふわっと柔らかな描写と少し違いますので、シーンによって使い分けが必要といった感じです。今は結構コントラストの高い夏の風景ですから、このMレンズの方が迎合しているといった感じになります。

面白いレンズを手に入れました。今年の夏はこのレンズを使って愉しんでみようと思います。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-1 SMC Pentax-M 120mmF2.8
撮影データ:1/200sec F7 ISO400
今年もいそうろう蜘蛛がいるかと、ジョロウ蜘蛛の巣をのぞくとやはり居候していました、銀色の小さな蜘蛛でおこぼれに預かっているようです。
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