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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

夏とブロニカ

2016-08-26 19:37:33 | 中判カメラ
夏の小旅行、といっても県内で能登半島ということになるのですが、車でいけるときにはブロニカを持って行きます。電車や歩いて撮影行となると、ブロニカ自体の重さが相当にありますので、若い時では気にならなかった重さも、現代になると身に堪えます。車でさっと行って撮影行の時には重さもそう苦にはなりませんので、ブロニカを持ち出す良い機会になっています。

今回はポジフィルムと同じくらいの解像感を持っているコダックのエクターを詰め込みました。やはり風景写真となると細部まで良く解像してくれるエクターか、それともポジフィルムのプロビアかということになるのですが、撮影行に行くのがお盆休みの期間中でもありますので、現像に一週間以上掛かりそうなポジフィルムは諦めて、直ぐに現像を行ってもらえそうなネガフィルムの出番ということになります。

一週間も結果を見ないでおくと、撮影した内容もほとんど忘れてしまって、思い出すのに苦労します。三日くらいで現像が上がる休み期間以外の平日は、ポジフィルムで撮影することも充分に行えますが、やはり休日の期間です。コダックのエクターも良く行くカメラ屋さんで在庫してくれることになり、一本単位での購入が行えるようになったことは有り難く、現像が終わると次の一本という感じで購入してきます。

通常の撮影では、フジフィルムさんのプロ160NSが使いやすく、主に使っています。ここぞという時の撮影では、やはりエクターな訳で一年に一回という頻度の場所では、細かな部分まで描写してくれるフィルムが助かります。ディジタルカメラでもということになるのですが、見たままそのままを画像にしてくれるのが、今の時代でもフィルムの独壇場な感じであり、いつもの景色はディジタルでも満足できますが、ここぞの写真はフィルムでというパターンになっています。

このフィルムの解像度に応えてくれるのが、ニッコールP・C 75mmF2.8であり、抜群のコンビネーションで応えてくれます。とかく標準レンズの扱いで、中古価格もかわいそうなくらいに安いレンズなのですが、そのまま撮影すれば癖の少ない広角レンズとして、また6×4.5判では標準レンズらしい雰囲気になり、フィルムの35mm判相当の部分を切り取ると望遠レンズらしく表現できます。

更にクローズアップ・レンズを取り付けると、使いやすいマクロレンズに早や変りする訳で、本当に使いやすいレンズです。このレンズがあれば交換レンズもさほど必要ないと思わせてくれますから、現在のところは望遠のゼンザノン150mmが増えているだけです。大きさも小ぶりな標準レンズですから、中判フィルムのアドバンテージを存分に享受することが出来ます。

そんなこんなで一年に一回の景色を存分に撮影していきます。今年の夏は海が凪いでいましたので、波のある景色は撮影できませんでしたが、これはまたいずれの機会にして川や山の景色もふんだんに撮影していきます。2日間で120フィルムを3本、36コマ撮影して帰ってきました。35mmフィルムでは1本分なのですが、その分緊張して納得しながら撮影を行うことが出来ました。

それでは、お盆休み中の写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F5.6 Kodak Ektar100
あぎなしの花と思いますが、田舎の水田では大切にされていて、稲の穂が実る頃に白い花をつけます。
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中判カメラはすばらしい

2016-07-07 19:12:52 | 中判カメラ
ふとしたことから中判カメラの中古品を見せてもらって、仕上がった写真を見せてもらった事から、のめりこんでいった中判カメラの世界。35mmフィルムとはまた違った立体感のある表現は、のめりこんでしまう人が多いですよとカメラ店の店長も言っていました。しかし、中判カメラをディジタルで愉しもうとすると、軽自動車か普通自動車が楽に買えてしまう価格ですから、主にフィルムで愉しむことになります。

35mmフィルムと比較しても、フィルム自体の価格や現像代はさほど変わりません。もちろんかご盛りの35mmフィルムと比較すると、多少は高い感じはするのですが36枚撮りの35mmフィルムを半分にして使っている我が身とすれば、コスト的に35mmフィルムも中判フィルムも値段がさほど変わらないことは、ある意味有難い事と思っています。

120ブローニー・フィルムは、面積的にも35mmフィルムの3~4倍はありますから、ボケ量も単純計算で2倍、すなわち2段絞りを開けたことと同じ感じになります。画角的にも35mmフィルム用レンズのの2倍画角が広がる、すなわち換算焦点距離は半分になります。広角レンズのように思えても、しっかりと被写界深度はそのままになっていますから、ボケの中に被写体が浮かび上がるような表現も得意です。

中判ディジタルカメラが販売されたおかげで、中判フィルムカメラが手に入りやすい価格になりました。APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラとどっこいどっこいか、それよりも安い訳ですから、フィルムオンリーで使用することさえ厭わなければ、気軽にフィルムを装填して愉しむことが出来る時代になっています。しかし、今では120ブローニー・フィルムを現像してくれるカメラ屋さんが少なくなりましたので、愉しまれる前に直ぐに現像してくれるカメラ屋さんを探しておくことも、重要なチェック・ポイントです。

また、中判カメラは自動露出やオート・フォーカスが付いているカメラを探すよりも、フル・マニュアルのカメラのほうが多く見かけますから、中古品の露出計を奮発し、フォーカシング・スクリーンを自身がピント合わせしやすいものが付いたカメラにすることで、ストレスなく撮影が行えるようになります。重量と体積が35mmフィルムカメラとは全く違って、カメラを操作することがステータスになるようなカメラですから、所有欲も満たしてくれます。

あまり交換レンズに食指が向かなくなるカメラでもあり、標準レンズさえ持っていれば近景から風景までの撮影をそつなくこなします。望遠は被写界深度が浅くなりすぎて、扱いに困りますし、広角は広角になりすぎて被写体を探すのに苦労するといった按配です。とにかくボケの質が良くて、ボケの中から被写体が浮かび上がるように撮影できますし、フィルムの粒度が気にならないくらいの高解像写真が簡単に撮影できます。シャッター・ショックが大きくて、微ブレを量産してしまう中判カメラですが、満足できる結果が欲しくて挑戦する気にさせてくれる不思議なカメラです。

梅雨の晴れ間がありましたので、ブロニカをつれて撮影行。シャッター・スピードが稼げる明るい日でないと持ち出せないのが辛いところですが、撮影後は心地よい疲労感で、また撮影したいという気にさせてくれる中判カメラです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/125sec F7 Fujicolor PRO160NS
暑くなってくると咲き出すくちなしの花。花の周囲に良い香りが漂います。この様な時のネガフィルム、白色の花の細かなグラデーションを描き分けてくれます。
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望遠マクロは難しい

2016-07-01 10:52:55 | 中判カメラ
望遠レンズになると被写界深度が浅くなってきて、35mmフィルムでも近接撮影で絞り開放では、被写体を深度内に収めることが難しくなります。そのために絞り込んで撮影することになる訳ですが、クローズアップ・レンズを取り付けてマクロ撮影を行うとなると、ごく一部の部分にしかピントが合わなくて、更に絞り込んで撮影することになります。

三脚を用いてカメラを固定すれば、被写界深度がかなり浅くても目標のポイントにピントを合わせることが出来ます。しかし、歩くことが主体のスナップ撮影を基本としていますから、三脚をカメラに固定して歩くことが結構難儀な訳で、結局は木に持たれたり、椅子の上に座ったりして、体を安定させるようにしないと微妙なピント外しが多くなります。

それでも何とか撮影できるのが35mmフィルムですが、中判フィルムになると一気に被写界深度が浅くなってきて、なかなかピントが合った画像を得ることが出来ません。カメラ自体が重たいですから三脚自体にも剛性が必要で、やわな三脚を用いるとシャッター・ショックでカメラが振動してしまい、ぶれていない画像を得ることが難しくなります。

前後数mmの被写界深度で撮影を行うのは、難しいものです。それでも中景の被写体を引き寄せて、背景を少しボケさせて撮影すると成功率が高くなります。中判フィルムを使っているからとはいえ、ディジタルとは違って解像度には限界がありますから、あまり小さな被写体を狙わないようにして撮影していきます。

フィルムは雰囲気描写と滑らかなトーン移行が重なって、立体感と質感の描写が簡単に実現できる優れものデバイスです。ディジタルカメラで撮影した時の味わいとは違ったものがありますので、解像感は少し落ちても雰囲気を求めたい時にはフィルムの出番となります。本当は印画紙に引き伸ばして鑑賞するのがベストなのですが、スキャナではまだ拾いきれていない所があると感じています。

この様な望遠マクロ撮影ですが、フィルムがもったいないので6×4.5判にして16枚撮影でチャレンジします。微妙なピント外しや微ぶれが判ってしまうほどの解像度がありますので、16コマすべてがだめになってしまいそうな感じですが、不思議とその中の数コマが満足できる仕上がりになっていたりします。もう少し練習を積まないと成功コマが増やせない訳で、諦めないでチャレンジを続けようと思っています。

フィルムとディジタルを併せて、色々なフォーマットの撮影が行えるようになりましたから、特徴を良く掴んで撮影していくこともひとつの愉しみとなります。APSフィルムカメラは、流石にフィルム自体が売られていませんのでディジタルとフィルムの交互使用はできませんが、昔からの夢であった中判カメラはフィルムで存分に愉しめますから、中判フィルムと同等の解像感を持ったディジタルカメラと交互に使って、写真を味わっていこうと考えています。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/250sec F5.6 Fujicolor PRO400H
ひいらぎなんてんの葉と実を撮影しました。ネガカラー・フィルムらしく濃厚な発色で、少しどぎつい感じもしますが実の青色が一番良く出せたと感じています。
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Zenza Bronica EC(Nikkor-P・C 75mmF2.8)

2016-06-07 05:50:01 | 中判カメラ
ヤシカDを堪能したら、次に撮影してみたくなるのがゼンザブロニカで、標準セットのニッコールP・C75mmF2.8をセットして撮影行に出かけます。大きくて重たいゼンザブロニカですから、シャッター・スピードが稼げる晴れた日でないと、持ち歩いて撮影する気にならないのが辛いところです。

前回の京都行きでエクターを使いましたので、この撮影行はフジカラープロ160NSを使うことにしました。今ではカラーネガ・フィルムの種類も少なくなってしまい、欲を言えばスペリアのフィルムに120ブローニー・フィルムが出てきてほしい感じがしますが、少し柔らかめの描写ですが細かな所まで良く写る160NSも、ISO100フィルムに比べてほんの少し感度が高いため、撮影が行いやすいフィルムです。

ブロニカ用のレンズとして、ニッコール・レンズが供給されていますから、写りの点でも確かなものがあります。ブロニカECの時代になると、カメラ自体がずんぐりむっくりと大柄になって重くなるのですが、電子シャッター搭載でシャッター・ショックも少なくなっています。やはり大柄なカメラですから、小柄のニッコール75mmレンズを搭載すると、バランスが良くなって撮影が行いやすくなります。

晴れて十分な光量が期待できる日に撮影を行うと、微ブレが少なくなって隅々まではっきりと描写された質の高い画を得ることが出来ます。何しろ重量級中判カメラですから、やわな三脚を使用すると逆に微ブレを量産してしまうことになります。手持ちで抱え込んで撮影しているほうがブレが少なくて好都合な感じですから、いずれ剛性の高い三脚を買った時に低速シャッター撮影を行おうと考えています。

35mmフィルム換算で40mm程の画角が稼げる準広角レンズですし、ボケを加えた立体感表現には凄みがあります。加えてフジカラープロ160NSを使っていても3,000万画素越えの高画質が手に入りますので、満足感が高くなります。35mm判カメラはディジタルのほうも良い感じで写せますが、中判カメラはフィルムのほうがトーンがなだらかに落ちていきますので、フィルムの独壇場な感じです。

最近では中判フィルムの種類や在庫がめっきりと減っていて、棚に並べてあるカメラやさんがめっきりと少なくなりました。35mm判フィルムはそこそこ見つかるのですが、120フィルムや4×5判はもう置いていないといった感じです。220フィルムは使えるカメラが新しいカメラに限定されますので、もう作っていない感じです。

そんなこんなで、季節は進んで藤の花が終わってエゴの花が咲き始めます。やまぼうしの白い花も緑の葉の中で映える様になりました。季節は初夏の雰囲気へと模様替えしているようです。思い切って中判フィルムでダイナミックに写すことも、気分がスカッとして良いものです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F8 Fujicolor PRO160NS
まんさくの実が大きくなってきました。これから秋にかけてゆっくりと育ちます。中判フィルムは大きなサイズであるために、粒子浮きがほとんどありません。
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Zenza Bronica EC(Nikkor-P・C 75mmF2.8)

2016-04-04 19:37:10 | 中判カメラ
現像液を交換した後で、カラー・フィルムやディジタルカメラを多用してしまい、手付かずのままになっていました。現像液も早めに使わないと酸化して疲労してしまいますので、早めに使うことを心がけます。久しぶりの撮影はブローニー・フィルムで大きめに撮影して、ダイナミックな臨場感に浸ろうと、ブロニカを持ち出してきました。

中判カメラは、35mm判カメラに比べるとボケ味と立体感表現に圧倒的なアドバンテージがあります。使いにくいからと諦めていた方が、中判カメラを始めるとすぐにその写りの虜になってしまうことは良くある話で、カメラ屋さんにその話を聞いた後で、実際にカメラを使ってその写りに驚嘆した我が身とすれば、その話も十分に判ります。

レンズ交換が行えるシステムカメラは、とかく大きくて重いので敬遠されるのですが、それならばコンパクトで軽い2眼レフカメラは、という感じで色々な種類があるのもブローニー判フィルムカメラの特徴で、出来ればシステムカメラと二眼レフ・カメラの2種類を持っていればほぼ満足できる感じです。

これだけフィルムサイズが大きいと、交換レンズに目が向かなくなります。拡大や縮小トリミングが思いのままに出来ますから、一番良く売れているレンズは性能も確かですし、これ一本で思いのままに撮影が行えます。35mm判フィルムでは粒度の関係からある程度レンズをチョイスして、それなりの画角で撮影する必要がありましたが、中判カメラでは標準レンズとクローズアップ・レンズがあれば、ほぼすべての撮影をこなせます。

後は、ウエスト・レベルの素通しファインダー像に慣れる必要があります。ペンタプリズムを装着すると、極端にカメラ重量が増えますし、何しろウエストレベルではなくてアイレベルに視線が移動しますから、撮影する構図が違ってしまって面白くありません。下から見上げるような広々とした構図が好みでもありますから、左右逆像になるファインダーに体を慣らして使用します。

それでも、素通しのファインダー像はきれいに写ります。うっかりしているとファインダー像だけで満足してしまって、写真撮影を忘れてしまう事もあり、後から悔しい思いをすることもあります。撮影前に露出測定と被写界深度確認、そしてシャッター・チャージと約束事が多いカメラですから、おおっと思って直ぐに撮影できないので、この様なことが起こります。

久しぶりにブロニカでマクロ撮影。標準レンズとクローズアップ・レンズを使うだけで、ほぼ等倍のマクロ撮影が簡単に行えます。問題は画角が極端に狭くなることで、明るい雰囲気でないとシャッター・スピードが稼げずに、直ぐに手振れをしてしまうことです。35mmフィルム換算で200mm位の画角になりますから、1/250秒くらいのシャッター・スピードを確保しなければいけない感じです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8(Close-up No.3)
撮影データ:1/250sec F5.6 Neopan Acros100
梅の花もいよいよ咲き出しました。昨年よりは早い感じで、今年は梅の後に桜の花が楽しめそうです。
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