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通勤ローディ、たまにホビーレース

ハブ68万円 (追記アリ)

2013-01-08 23:59:49 | その他部品調査
今日もローラー、L2で10km。楽チン&楽しい!


「究極のチタン製ハブ。68万2500円」。こちら



何故こんなに高いのでしょう?ちょっと考えてみました。


特徴的なのは、フロントハブ。あのフィン(?)の形からすると、型物のようです。←追記:削り出しでした…orz。
あんな形状で型物となると、ロストワックスぐらいしか考え付きませんが、ロストワックスなら、すごく高い工法です。(EUでは大量量産品でも、平気でやるメーカーもあるらしいが)←追記:削り出しも高価だよ…と言い訳。

その型物に、「フローティング構造」とかにすべく、切削加工を入れています。断続切削の深溝加工です。
加工屋泣かせの加工ですね。特注歯具で、しかも断続切削で歯具寿命は短いので、やっぱり高コストな加工になります。


その後で、P5(JISの5級)のベアリング入れます。
説明では、「NTNが特別にP5級セラミックベアリングを製造し…」とありますが、5級の上には、4級、2級があります。セラミックボールって、せいぜい5級程度までしか、精度を出せないなんて、まだまだですね。
ともかく、このご大層な5級ベアリングを精度良く圧入する為に、穴側は、少なくとも10μm以下の精度を必要とします。
仕上げ方法は、ホーニングとかでしょうか?これも、高コストな加工方法です。

素材は、チタンのようです。材料の建値は、鉄の100倍と言われています。


結局、一番コストが掛かるのは、ロストワックスの型費じゃないでしょうか?
型費が500万円だとして、10セット売るなら、一個あたりに型費は50万円。一般的な試作品なら、全然普通の相場ですが…。

追記:ロストワックスではなく、削り出しなので、一番コストが掛かるのは、材料費かもしれません…。


どれもこれも、「ハブ屋がやりたいようにやったら、こうなりました」って感じの製品ですね。
ただ、「買いかどうか?」と聞かれたら、否でしょうね。

ホイールは、ハブだけでなく、リムやスポークがアッセンブルされてこその製品です。
ハブが全ての衝撃や、スポークテンションのバラつきを吸収するなんて、「ハブ屋の独りよがりの製品」って気がしてなりません。
なにより、「5級のベアリング」ってのが萎えます。ベアリングを活かしたいなら、鋼球の2級ぐらいにしときたいもんです。(まだ、カンパのCULTの方がいいかも)


個人的には、やはり、完組みホイールが、バランス良く設計されていて、好きですね。MAVICのR-SYSなんて、完組みホイールメーカしか、考えられませんもの。
超ニッチな製品故、68万円の価格には驚きはありませんが、その設計思想が好きではありませんね。

この設計者には、「リム屋やスポーク屋を、もっと信頼してあげてもいいじゃん」って言ってあげたいです。
「井の中の蛙…」なハブなのかもしれません。


今日はここまで