MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

開放的な職人

2009-10-09 00:23:11 | 私の室内楽仲間たち

10/09 私の音楽仲間 (106)




              開放的な職人


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                ドクソウ的じゃろうが…
                 流用とは何事じゃ!
                  お前は黙っておれ
                 お前は馬鹿じゃのう

 

 

 恒例の室内楽の集まり。 今回の曲目は

Dvořák の 弦楽六重奏曲 イ長調 Op.48 です。




 まずメンバーの紹介です。




 Violin の M.S.さんとご一緒するのは二度目になります。
ご自分のパートの準備だけでなく、スコアまで入手・研究
してこられました。

 この曲、私にとっては今回が二度目なのですが、前回は
スコアを探しても見つからなかったので、今回は最初から
入手を諦めてしまっていました。 しかし全体の様子が解ら
ないのでは、如何にも不充分。 改めて反省した次第です。

 M.S.さんと前回ご一緒したときには、Mozart の四重奏曲
2曲でした (ト長調 K387、ニ短調 K421)。

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     (52) 『Mozart の ト長調』 ② 青春のト長調
     (53) 『Mozart の ト長調』 ③ 混乱のト長調
     (54) 『Mozart の ト長調』 ④ 試金石のト長調
     (55) 『Mozart の ト長調』 ⑤ 垣根を越えたト長調
     (56) 『Allegro vivace 』   ① ニ短調の "Allegro"





 Sa.さんは、お馴染みのお世話係。 月に何回も会場を
予約し、30人を軽く超えると思われるメンバーの日程を把握
し、希望曲目の調整・連絡を引き受け…、と超人的な激務を
一手に引き受けています。 しかもそれはこの集まりだけに
おける話。 お付き合いの場は、他に幾つもあります。

 前回この曲でご一緒したときには Violin でしたが、今回
は Viola を手にしての参加です。




 もうおひとりの Viola、N.さんとは、Boccherini、Schubert の
五重奏曲でご一緒して以来、二度目になります。 五重奏、
六重奏と編成が大きくなるほど、アンサンブルが難しくなる
とも言えますが、"曲の造り" までが変わってくることが多く、
大きな問題になります。

    関連記事
     (23) Boccherini を巡って ①
     (24) Boccherini を巡って ②
     (25) Schubert の 五重奏曲 ③
     (26) Schubert の 五重奏曲 ④


 今回の Dvořák は、やはり歌心に満ちていて、曲の雰囲気
は大変開放的です。 したがって、練習の雰囲気があまり
細かく、求心的になり過ぎると、どこかしっくり来ません。

 その反面、この巨匠の作品にはしっかりした構成力があり、
緻密な練習も必要です。 音楽作りの難しい一面と言えます。

 ドヴォジャークには、交響曲にも歌心に富む作品が多い
のは、よくご存知のとおりです。 しかしその音楽は、ただ横
に流れて行くだけではありません。 裏では、各動機が密接
に絡み合っています。 特に経過的な部分での手法が大変
見事で、その技 (わざ) を感じさせません。

 ブラームスも、やはり『形式と歌心』のバランスに心を砕いた
作曲家ですが、ドヴォジャークを高く評価し、世に認めさせ
ました。 その職人芸を一目で見抜いたのでしょう。

 本題に戻り、お人柄も演奏ぶりも堅実、謙虚な N.さん、
今回も忠実に役目を果たしてくれました。




 チェロの Na.さんとは初めてお会いし、合奏をご一緒します。
この日は土曜日だったのですが、「他の日には時間が取れず、
反面、会場の予約が難しい。」 そのような事情もありました。
でも "私が初めて" だっただけで、他のメンバーには何人も
ご存じの方がおられました。 Sa.さんの交友範囲、恐るべし。

 もうお一人のチェロ、O.さんとは、この日の前半に引き続いて
ご一緒します。




 「半?」

 そうなんです。 何回分か前に "ロッシーニのフルート四重奏"
について記したことがありました。 と言っても、一度だけ書いて
すぐ脱線してしまう…。

 私のお決まりの流儀で、あれからだいぶ経ってしまいました。

        関連記事 (79) Viola が無いよ?




 …と言っているうちに、気付くと今回も全然本題に触れず
終いでした。 曲については、ほんの一部ですが
(9) Dvořák の 弦楽六重奏曲 ①』に記してあります。



 あ、第Ⅳ楽章については書いてありませんね。



 全曲は、次のような各楽章から成っています。

   Allegro moderato ~ allegro con brio

   Dumka (悲歌) : Poco Allegretto ~ Adagio

   Furiant ~ Trio : Presto

   Finale : 主題と変奏




  音源




 Allegro moderato - Allegro con brio

  Academy of St. Martin in the Fields (結尾部分のみ)




Rachel Conklin, violin I; Hannah Cartwright, violin II
Will Bender, viola I; Meredith Kufchak, viola II
Cecilia Orazi, cello I; Josh Halpern, cello II


  Ⅱ Dumka

  Ⅳ Finale




     以下の内容は既にご覧いただいたものですが、本来は
     この日に記すべきものでした。 錯誤のためで、原因は
     私のアル中ハイマーです。 お詫びして訂正いたします。





 実を言うと、この日はかなり練習不足でした。 私のことです。
メンバーには迷惑をかけたのではないかと、後悔しきりです。



 さらに反省すべきは、この数日前には旅行をしていたという
事実なのです。 それも半分以上、遊びで。 札幌まで!

 動物園ではキリンさんやカバさんや白クマさんに会い、羊さん
に触って癒され、おまけに最後にはジンギスカン料理を味わう
という、まさに顰蹙 (ひんしゅく) ものでした。 可哀想な羊さん…。




 そんなこととは露知らぬ、友人のメンバーたち。 お土産の
小さなキャラメルを一人一人に手渡しながら、「ごめんなさい」
と心の中で、私は呟いていたのでした。 はい、懺悔…。

 そのキャラメル、すべて北海道の名産に由来するものでした。
メロン、ハスカップ、ぶどう、アセロラ、ミルク、塩、バター…。
この日の9人の友人たちに配ったわけですが、「どなたに何を」
差し上げるべきか、一晩中悩みました。
 (そんな暇があれば、さらえばいいのに…。)



 その結果、阿弥陀くじで決めることにしたのです! この
六重奏曲の前にお茶の休憩があったので、その際、皆さん
に頼みました。

 「はい、1~9の中から、好きな数字を選んでください!」



 それは、私が当日の朝早く起きて作ったもので、かなり趣向
を凝らしたものです。  (さらえばいいのに…)




 何が違うかと言うと、多分ご存知の方も多いとは思いますが、

横線を斜めに書き、上へ跳び越したり下へ戻ったりする、
縦線を飛び越し、隣り以外の縦線に移動する

の二点です。 ②では電気配線に使う "絶縁記号" を使います。
"Ω" のような形をした、あれです。

 そんなことをしても、全体にとって支障はまったくありません。
よろしければ、どうぞお試しください!



 幸いにして、この試みはかなり好評でした。 いいのかな…。




 この記事を、メンバーがどなたも読むことの無いよう、切に望む
次第です。 (無理だろうな…。)