05/14 私の音楽仲間 (580) ~ 私の室内楽仲間たち (553)
趣向は変わらんよ
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
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その第Ⅰ楽章で遭遇した、“tranquillo” の一節です。
私には、どこかで聞き覚えのあるものでした。
それは、次の[譜例 1]の三段目に見られる、青と緑の
2小節。 完全5度と、下降音階から成る形です。
それでは[演奏]をお聞きください。 その中ほどに出てきます。
この音源は、私の友人のPCソフト君が作ったものです。
ある有名な曲の、一番最後の部分でした。
まず、【18秒】で聞こえる中音域の楽器は、2本のトロンボーン。
本当は ff ですが、ちょっと弱いですね。
そして【25秒】のトランペットが、この5度と音階でした。 1拍
だけ遅れて続くのが、4本のホルンです。
それでは、次の[譜例 2]で元のテーマを見てみましょう。
こちらは楽章の頭で、調性はロ短調です。
先ほどはロ長調で、テンポも最初はゆっくり。 音符の
長さも倍になっています。
トロンボーンへ
トランペットへ
トロンボーンに現われる三連符は、この2小節目前半の
リズムが変化したもの。 これに対して、リズムは元のまま
でも、音の上下の動きが逆なのがトランペットでした。
曲は、やはりドヴォジャークのチェロ協奏曲で、その
第Ⅲ楽章です。
これはアメリカ時代の終りの作品 (1894~1895年) で、
六重奏曲 (1878年頃) とは15年以上の隔たりがあります。
作品同士に密接な関連があるとは思えません。
しかし、偶然かもしれませんが、この “跳躍
に続く下降音階” は、両者に頻出しています。
彼にしてみれば、歌の定型なのでしょうか。