MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

お前は黙っておれ

2014-05-17 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

 05/17 私の音楽仲間 (583) ~ 私の室内楽仲間たち (556)




              お前は黙っておれ


         これまでの 『私の室内楽仲間たち』



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                ドクソウ的じゃろうが…
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                  お前は黙っておれ
                 お前は馬鹿じゃのう

  

 

 ドヴォジャークの 弦楽六重奏曲 イ長調 Op.48 の Finale
第Ⅳ楽章は、物憂い Viola のテーマで始まります。


 6人のうち、ここで、ただひとり出番が無いのが Vn.Ⅰ。 いつも
は全体を仕切ることが多いのですが、じっと聞き入ること2分近く。

 この楽章は変奏曲ですが、テーマ部分では沈黙しています 


 演奏例の音源]も、最初からスタートします。

 ただしこの音源では、Vn.Ⅰもすぐ加わります。 私の編集
のせいですが、対応する部分を、第Ⅰ、第Ⅳ、第Ⅴ変奏など
置き換えてあります。 

 

 [譜例]は それに続く部分で、Vn.Ⅰのパート譜です。
ただし今回の音源にはありません。

 テーマは、ほぼ忠実に再現されていますが、違う部分が
あります。 それは…?


 まずテンポです。 それまでは “ゆっくり” で、“Allegro”
が出てきたのは、ここが初めてです

 

 

 もう一つ違うのは、最初の小節です。 そう、音符の数です。
Viola のテーマでは、2つの四分音符があっただけでした。

 でも音程関係は同じですね。 上行4度下降4度でした。
ただ繰り返されているだけです。


 しかし、その “繰り返し” は、何のために書いてあるのか?

 そういえば、同じような “塗り絵” が、これまで無かったでしょうか。

 

 それは、第Ⅰ楽章の譜例のうち、上行5度下降音階と…、


 


 

 第Ⅱ楽章の上行5度です。

 

 


             音源ページ]