飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

近松門左衛門NO.15・・・四月大歌舞伎公演「曽根崎心中」(歌舞伎座)

2009-04-23 | 近松門左衛門
■日時:2009年4月18日(土)、16:0~ ■劇場:歌舞伎座 ■作:近松門左衛門 ■脚色・演出:宇野信夫 ■出演:坂田藤十郎、中村翫雀、中村橋之助、他 歌舞伎座の四月大歌舞伎の上演演目に入っていた近松門左衛門の「曽根崎心中」。ボクはこの作品が目当てで、東銀座へと足を運んだわけですが、そのまえに上演されたのは「廓文章」。玉三郎&仁左衛門が登場し舞台をきらびやかで華やかな雰囲気で飾った後のその舞 . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.14・・・四月大歌舞伎「廓文章 吉田屋」(歌舞伎座)

2009-04-22 | 近松門左衛門
■日時:2009年4月18日(土)、16:30~ ■劇場:歌舞伎座 ■作:近松門左衛門 ■出演:坂東玉三郎、片岡仁左衛門、他 この舞台で圧倒的な存在感を見せたのが、坂東玉三郎でありました。美しいと劇場の観客から溜息が出ました。今回の四月大歌舞伎において一番印象に残ったのが、玉三郎が演じた夕霧です。彼が長くトップランナーとして存在しえているのは、たとえば茂木健一郎が司会を勤めるNHKの番組「プロフ . . . 本文を読む
コメント (4)

近松門左衛門NO.13・・・「近松浄瑠璃私考/事実への想像力―鑓の権三重帷子」(富岡多恵子)

2009-03-05 | 近松門左衛門
“その女と若い男は逃亡の道行の最中なのである。その道行は、はたして庭に投げ出された帯のように、偶然の虚構かどうか。ふたりは本当に、不義密通の疑いを演じているだけだろうか。そのふたりの虚構が、途中で真実になってしまっていないだろうか。どうせ死ぬ男女が、「疑い」の虚構を真実らしくするだけで済ませるだろうか。やはり、ウソから出たマコトのたとえ通り、密通の虚構の中で、おさゐと権三は真実の密通の快楽に酔って . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.12・・・漫画「鑓の権三重帷子」(里中満智子)

2009-03-04 | 近松門左衛門
「鑓の権三重帷子」を題材にした里中満智子の漫画を読みました。同じ里中が書いた「女殺油地獄」は主人公の与兵衛の心理が巧みに描かれていて感心したことは以前に書いたところです。この「鑓の権三重帷子」はどうなのかというと、やはり里中は、権三の心理を独自の解釈で綴り作品世界を構築していました。その権三の心の中の言葉を見ていくと 権三がお雪に契りを交わしたのに音沙汰なし、なぜなの迫られて、言い訳しながらも縁 . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.11・・・映画「鑓の権三」(監督:篠田正浩)

2009-03-03 | 近松門左衛門
■製作年:1986年 ■配給:松竹富士 ■監督:篠田正浩 ■出演:郷ひろみ、岩下志麻、 火野正平、田中美佐子、加藤治子、他 文楽を初めて観てとても面白く感じ予定していなかった「女殺油地獄」に続き「鑓の権三重帷子」も観にいってしまいました。こちらの話は、今では少し理解しがたい武士道を貫いた悲惨な物語、篠田正浩監督によって映画化されており、それを観ました。ちなみに脚本はテレビドラマの「女殺油地獄 . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.10・・・文楽「鑓の権三重帷子」(国立劇場)

2009-03-02 | 近松門左衛門
■日時:2009年2月22日(日)、11:00~ ■劇場:国立劇場 ■作:近松門左衛門 文楽「女殺油地獄」が予想以上に面白く、予定していなかった同じ文楽公演「鑓の権三重帷子」を観に行ってしまいました(2/22)。この歳になって日本の伝統芸能の面白さを発見したのは、ラッキーだったなと思います。ただ、いろいろなものを観たいなと気持ちが出てきた一方で、お金も時間もかかるよな、少し自制しないといけないな . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.9・・・漫画「女殺油地獄」(里中満智子)

2009-02-26 | 近松門左衛門
書店で文庫本を眺めていたら漫画家の里中満智子も近松門左衛門の作品を書いているのを見つけました。彼女の作品は、以前に同じく文学作品をテーマに書いた「サロメ」を読んだことしかありません(その名声のみを聞くばかり)。なんですが、その僅かな経験の中でも、切り口に里中の作品に対する解釈がしっかり見て取れて、原作ととコラボレーションしてるなあという好印象の記憶がありますので、少しばかり期待しながら里中の漫画を . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.8・・・「近松浄瑠璃私考/劇としての浄瑠璃―女殺油地獄」(富岡多恵子)

2009-02-25 | 近松門左衛門
「近松浄瑠璃私考/劇としての浄瑠璃―女殺油地獄」 富岡多恵子 松田優作が主演に和田勉が監督したテレビドラマ版「女殺油地獄」の脚本を書いている小説家・富岡多恵子による近松門左衛門に関するエッセイのような。ボクにとって富岡の視点は、新鮮なところがありました。そこにおいて富岡は、明治の文豪・坪内逍遥による近松門左衛門の研究(「『女殺油地獄』を読みて所感を記す」)を引き合いに出しながら、坪内とは相対する . . . 本文を読む
コメント (1)

近松門左衛門NO.7・・・漫画「女殺油地獄」(画:堀江卓)

2009-02-24 | 近松門左衛門
■構成:辻真先&画:堀江卓 アマゾンで購入した漫画版の「女殺油地獄」です。日本の古典シリーズとあり、啓蒙的、教育的要素の強い漫画であります。他には「心中天網島」「曽根崎心中」も入っており近松門左衛門の代表作が揃い踏みです。ただ、32ページで「女殺油地獄」の物語が描かれており、あらすじをなぞっている感が強く、与兵衛やお吉、徳兵衛やお沢といった登場人物の心理の深層まで読み解いていくには無理があるよう . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.6・・・文楽「女殺油地獄」(国立劇場)

2009-02-23 | 近松門左衛門
■日時:2009年2月17日(火)、18:30~ ■劇場:国立劇場・小劇場 ■作:近松門左衛門 ■太夫:豊竹咲太夫、豊竹呂勢太夫、竹本相子太夫、他 ■三味線:鶴澤燕三、鶴澤清治、竹澤団吾、他 ■人形遣い:桐竹勘十郎、桐竹紋寿、吉田玉也、吉田玉英、他 「文楽」、初体験しました。国立劇場で上演していた「女殺油地獄」を観に行ったのです。歌舞伎もそうでしたが今まで古典芸能を食わず嫌いでいたなと思います。 . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.5・・・歌舞伎「女殺油地獄」(2001年上演作品)

2009-02-21 | 近松門左衛門
■上演年:2009年 ■劇場:歌舞伎座 ■出演:市川染五郎、片岡孝太郎、松本幸右衛門、中村吉之丞、他 昨日に続き歌舞伎による「女殺油地獄」を観ました。とはいいながらテレビで放送されたものですけれども。昨年、衛星放送で流れたものを録画しており…、ここで録画していたということがポイントかも、気になって録画だけとりあえずしているわけですから。いつか近松という感じ?です。 で。内容の方ですが昨日にお吉 . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.4・・・歌舞伎「女殺油地獄」(二月花形歌舞伎)

2009-02-20 | 近松門左衛門
■日時:2009年2月12日(木) ■劇場:大阪松竹座 ■作 :近松門左衛門 ■出演:片岡愛之助、市川亀治郎、中村獅童、中村勘太郎、中村七之助、他 大阪松竹座で上演された二月花形歌舞伎「女殺油地獄」を観ました。これまで映画化された「女殺油地獄」について観てきたのですが、歌舞伎となると印象もすこしばかり違いました。つまり歌舞伎の方は演じるのが全て男ということなので、それが印象の違いを感じさせたので . . . 本文を読む
コメント (2)

近松門左衛門NO.3・・・映画「女殺油地獄」(監督:五社英雄)1992年

2009-02-19 | 近松門左衛門
■製作年:1992年 ■配給:松竹 ■監督:五社英雄 ■出演:樋口可南子、堤真一、藤谷美和子、井川比佐志、岸部一徳、他 女の情念を撮らせたら…という形容詞がつく?五社英雄監督による「女殺油地獄」です。この映画は原作には出てこない、あるいは隠れていた豊島屋のお吉に潜んでいる女の魔性の情念なるものにスポットをあて、大胆に原作を書き換えていました。それはこの近松作品でよくいわれるような与兵衛の持って . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.2・・・TVドラマ「女殺油地獄」(監督:和田勉)1984年

2009-02-18 | 近松門左衛門
■放送:1984年NHK ■原作:近松門左衛門 ■脚本:富岡多恵子 ■監督:和田勉 ■出演:松田優作、小川知子、山崎努、島田紳介、加藤治子、中村又五郎、他 NHKでかつて放送された作品であります。与兵衛を松田優作が演じるという異色の作品。脚本で作家の富岡多恵子が参加しているよう。演出は和田勉、その昔一時、ガハハと笑いながら駄洒落ばかりを言う変なおじさんのキャラクターでバラエティー番組に出てい . . . 本文を読む
コメント

近松門左衛門NO.1・・・映画「女殺し油地獄」(監督:堀川弘通)1957年

2009-02-17 | 近松門左衛門
■公開年:1957年・東宝 ■原作:近松門左衛門 ■脚色:橋本忍 ■監督:堀川弘通 ■出演:中村扇雀、中村鴈治郎、新珠三千代、三好栄子、香川京子、山茶花究 映画をみてスカッとカタルシスを感じる作品ではないことはわかっています。そしてやっぱり胸を押されるような重苦しい感じが残りました。それは作品のテーマが重くなるような素材を扱っているからと言えましょう。この重苦しさのもとは、人間の持っている弱い . . . 本文を読む
コメント