裏切りの挽歌

営業時間終了後、レイアウト変更に関する課の打合せがあった。今回立ち退くことになる部署は別に行っており、我らの打合せは我らのフロアのみ（※既に３分割されている当課です）


冒頭、資料説明を兼ねて宣言する。

今日の打合せは、今回のレイアウト変更を実施するにあたって、総務課に何を要求するか話し合う場である。
もはや白紙撤回はありえない。
これは条件闘争である。

ほんとうに白紙撤回できないのかはわからない。
でも今、そこから話し合うのは困難極まりない。時間切れで何の補償もされずただ移転してしまうのがいちばん恐るべき事態だ。
だから、あきらめたふりをした。

今までずっとみんなの立場にたって抵抗運動を続けていたボクらが、何の合意も無く方針転換するのって、信頼に対する裏切りだよねー。

そして、奥さんと子どもを見舞うため、マッハで会議室をあとにしたボクなのでした。


のちほど、今回一緒になって動いているレジスタンス３人組のひとりから電話が来た。
曰く。

わたしはみんなを裏切った。
白紙撤回する可能性はゼロではなかったかもしれないのに、無理だと言った。
会議中何度も白紙撤回を求める声が出たが、無理だと言い切った。
わたしはみんなを裏切った。


裏切ったのはボクも同じ。

あとは・・・「実は可能性がゼロではないかもしれない」と思うのならば、それを追おう。
閉塞感あふれるこの現状を打破する何かを、自分にできる何かを、捜そう。