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http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/12423/result
<参院1票の格差>原告「司法で定数是正を」全16件結審
毎日新聞 10/29
選挙区間の「1票の格差」が最大4.77倍だった2013年7月の参院選の定数配分は法の下の平等を定めた憲法に反するとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた16件の訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は29日午後、14件について原告の弁護士側と被告の選挙管理委員会側の意見を聞く弁論を開いた。午前の2件と合わせ、全16件が結審した。判決期日は後日指定される。
14件は法曹関係者や財界人が09年に発足した「一人一票実現国民会議」を主導する升永英俊弁護士らのグループが全国14高裁・支部に起こした。別グループの2件とともに、高裁では選管側に厳しい判決が相次いだ。
弁論で原告側は「人口に比例した正当な選挙が行われなければ立憲主義国家とはいえない」などと主張。選管側は「選挙制度見直しには相応な時間が必要で、少しずつ見直しを重ねることも国会の裁量として許されるべきだ」と反論した。
午後の弁論後に記者会見した原告側の伊藤真弁護士は「国会議員に任せていても格差是正は進まない。最高裁には国民のために違憲・無効判決を出す責任がある」と強調した。
◇司法判断、近年厳しく
最高裁大法廷は、参院選の「1票の格差」が最大格差6.59倍だった1992年選挙について96年に初めて「違憲状態」と判断した。格差5倍前後で推移したその後の5回の選挙は合憲としてきたが、最大格差5.00倍だった2010年選挙で12年10月、再び「違憲状態」との判断を示した。近年、合憲ラインは厳しく評価される傾向にあるといえる。
12年の大法廷判決は「都道府県を選挙区単位とする現行方式を改める必要がある」と言及し、国会に抜本改革を強く迫った。しかし国会は複数の県を一つの選挙区とする合区は見送り、選挙区定数の「4増4減」にとどめた。「小手先の見直しだ」との批判を浴びつつ行われたのは13年参院選だった。
こうした事情を踏まえて昨年出された16件の高裁判決のうち、広島高裁岡山支部は「国会が改革に真摯(しんし)に取り組んでいたというには大きく疑問が残る」と指摘し、参院選で初めて「違憲・無効」との判断を示した。他の15件は「違憲・有効」が2件、「違憲状態」13件。合憲判断はなく、「次回(16年)選挙に向けても改正案が具体化されている様子はうかがえない」(東京高裁)などと厳しい指摘が相次いだ。
参院選挙制度協議会座長だった自民党の脇雅史参院幹事長(当時)は今年4月、鳥取と島根など22府県を合区するなどの座長案を提示。実現すれば格差が1.83倍まで縮小するとした。現職議員らを中心に反発は根強く、調整は難航しているが、大法廷が国会の取り組みをどう評価するか注目される。