チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

運針

2014年01月21日 | 日々のこと

晴れ、13度、38%

 年が明けると、例年主人は足しげく日本に帰ります。年賀会のような会に出席するためです。先日帰宅した主人が、久しぶりにお年玉をもらったよと、テーブルに置いたのは手ぬぐいでした。友人の奥様からです。私にもお年玉、 ミイのマスキングテープを頂きました。夜遅い帰宅でしたので、荷物はテーブルの上に置いたまま休みました。

 翌日、頂いた手ぬぐいを開けてみると、何やら健康10か条のようなことが書かれています。昨年、健康を害した主人を気遣ってのことでしょう、書いてあることも面白く、ニタニタと読んでいた私は、手ぬぐいの端縫いに急に目が釘付けになりました。普段頂き物の手ぬぐいは、切り放しになっています。それが細かく運針がかかっているのです。

 お年玉をくださった彼女は、私よりもやや小柄な同い年です。彼女の手は、ほんとに小さくて子供のような手をしています。縫い目を見ながら、彼女の手が針を運ぶ様子が浮かびます。手が作り出すものは、その人の為人を語るとよく言われます。一度、クロスステッチを数人の人に教えたことがありました。教えるというほどの大袈裟なものではありませんが、麻の布の目の取り方は、クロスステッチ用の布と少しばかり違います。同じ布、同じ糸で同じ図案を刺したのに、出来上がりの雰囲気はそれぞれ違います。私のように性格がきついと、優しい花の刺繍でも堅いものに見えます。ところが、おっとりした方の花の刺繍は、ポッテリした趣を持っています。手のなせる技、いえ、その人のなせる技です。

 運針というと、小学校の家庭科の運針用布を思い出します。目は大きいは、真っ直ぐには揃わないは、私の運針は以来ちっとも前進を見ないままです。そうは言いますが、針を持つ仕事は大好きです。立ち仕事が多い主婦の仕事の中で、針仕事は数少ない坐り仕事です。針仕事という言葉の響きも好きです。針と布をを持ち仕事をしている人の周りには、険しい雰囲気などありません。それほど、針仕事が好きなのに、真っ直ぐに縫えない、いい加減な私です。

 ミシンを買ったのは息子が幼稚園に入る前、それまでは、カーテンでも何でも手縫いで作っていました。目は大きいし、曲がっていてもお構いなしですから、さっさと作ってしまいます。ミシンを買ったって、性格は変わりませんから、曲がっても、目が飛んでも平気。誰も、縫い目なんて見やしないと、鷹を括っています。要するに、性格が大雑把というだけです。そして恥ずかしいことに、その性格を、もう60も近くなるのに直そうともしないままでした。友人のこの運針を見て、少し考え込みました。急に、私が死んでしまったら、家中にある私が縫った物たちは、始末する人にその恥ずかしい縫い目を見せることになります。そう思った途端、これはまずい、これからはもう少しまじめに一目一目を縫おうと思ったのです。そう思いながら、いや、縫い目の問題じゃないのよね、私の性格なのよね、つまりは、大雑把な性格矯正をしないことには、縫い目なんて揃うはずもありません。年明け早々、友人のおかげで、60に向けてこの私の性格をいかに変えるか、大きな課題が見つかりました。

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アメリケーヌソースを使った2皿

2014年01月20日 | 料理

曇り、12度、67%

 お正月明けに、生のエビの殻からアメリケーヌソースを作りました。本来はオマール海老のようなやや大型のエビから作るソースですが、我が家はブラックタイガーで作りました。といっても、殻だけで1キロ近くもあります。美味しいヴィスクと呼ばれるスープもいいなとか、パスタソースにしようかとか欲張りな私です。ガシガシと、エビのみそをしっかりと落としたこのソースは、非常に海の匂いがするソースに仕上がりました。人参やタマネギ、トマトピューレも使いますから、 こんな感じのソースです。味も付けないで、スプーンで一口。優しい甘みが口に拡がります。ちょっと、海臭いのが気になりますが、味は上出来です。

 あれもこれも作ろうとストックを多く入れたせいか、サラッとした口当たり、まずは、ヒラメのソテーのソースにしてみました。見出し写真がそれです。ソースを小鍋にとって、少し煮詰めてみると艶のいいソースに仕上がります。ヒラメに塩こしょうをしているので、ソースには、あまり味を付けません。ヒラメ自体くせが無いので、海の香がアクセントになりました。

 ヴィスク、スープとして飲む時は、こくを出すために生クリームを落とします。海の匂いは、スープから立ち上がるのではなく口に含むと拡がって行きます。 これも味は薄くしてありましたが、主人は、白胡椒を後で足しました。見辛いのですが小エビを少し加えてあります。これは、お昼ご飯。ほうれん草とブロッコリーのケークサレと一緒に頂きました。レストランででて来るヴィスクはとても濃厚です。エビやかにの種類の違いあるでしょうが、単に小麦粉でとろみを付けるのではなく、モルネソースのような卵の黄身を使ったソースでとろみを付けているのかもしれません。我が家の、ヴィスクはサラッとした口当たりです。

 私が、あれもこれもと欲張るばかりに、ストックを多く入れすぎたのかもしれません。1キロの殻なら、ストック600ccぐらいだと味の濃いソースが作れたように思います。滅多に作らないアメリケーヌソースです。1キロものエビの殻がでるのは、年末年始だけ。さて、来年はもう少し美味しいアメリケーヌソースを作りましょう。

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TWININGS NEW ZEALAND BREAKFAST

2014年01月19日 | 日々のこと

曇り、13度、81%

 トワイニングの紅茶で、BREAKFASTと言えば、当然、ENGLISH BREAKFASTしか思い浮かびません。昔から変わらぬ赤い缶のENGLISH BREAKFASTです。お茶の葉という、農産物でありながら、いつ飲んでも同じ香り、同じ味のブランドものの紅茶には、脱帽します。天候に左右されるお茶作りのはずですが、そこには伝統のブレンドを作る確かな紅茶のブレンダーの存在を感じます。初めて頂いた、NEW ZEALANDのBREAKFASUT、もちろん、ニュージーランドのトワイニングがブレンドしたものです。箱に書かれた謳い文句が素敵です。ニュージーランドの高い山、鳥たちのさえずり、そんなイメージを持つ朝に飲む紅茶。南半球を知らない私ですので、勢い想像力が高まります。香港の高いビル群を眺めながら飲むこの紅茶、頭の中はニュージーランドの冷たい空気の中、山を見上げている自分がいるというわけです。確かに、ENGLISH BREAKFASTとは香りも味も違います。

 この紅茶は、私よりひと回りほど若い友人が、ニュージーランドに旅したときのお土産として送ってくれました。実は、今日は紅茶の話ではありません。彼女の話です。

 彼女は、ご主人、高校生の息子さんと台湾に住んでいます。小さい頃からお父様のお仕事柄、世界中を点々として、アメリカの大学を卒業なさっています。台湾でも、お仕事をなさっていたのですが、なんと、ほんの3日ほど前に、単身でニュージーランドに新しいお仕事を見つけて渡られました。

 最近は、奥さんの単身赴任というケースも耳にするようになりました。実際、主人の会社でも、日本から女性の方が単身で香港勤務を2年以上勤められました。そう珍しいことでもないようですが、彼女はもう40を越しています。将来の息子さんの進路も考えた上での転職だとは思いますが、その行動力に思わず目を見張ってしまったのです。

 お仕事を続けて来た方らしく、一見穏やかに見える彼女です。話し方も、間の取り方が独特で、なんとも一緒にいるとホッとします。見かけからだけでは、人は解りません。きっと、迷われることもあったと思うのですが、鮮やかな決断です。私など、台所道具がとか、寒そうだからとか、主人に付いて行く身でありながら、いろいろと注文を付け、一つの所にしがみついています。

 早速、新しい携帯の番号が知らされてきました。大きな木いちごのパフェの写真もアップされています。順調に、スタートを切ったようです。無鉄砲なことをする人ではありません。それでも、60歳に近い私は、年若い友人が心配になります。LINE,Skypeで声を聞くことも簡単になりました。地球の南にいる彼女の声も、すぐ側で聞くことが出来ます。まずは、健康でいてくれることを願っています。

 私には出来ない彼女のような決断です。心の中で、羨ましいなと思う気持ちが動きます。

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オーブン

2014年01月18日 | 日々のこと

晴れ、13度、53%

 私の実家に、オーブン付きのガスレンジが付いたのは、私が小学の頃ですから、昭和40年代の初めだと思います。点火はマッチでします。ボッという音が、オーブンの庫内に大きくこだまして、恐ろしかった記憶があります。当時私が住んでいた市内で、家庭用に取り付けられたオーブンはまだ数台だと、聞きかじって覚えています。ところが、からっきし料理をしない私の母です。そのビルトインタイプのオーブンで、料理が作られることもお菓子が焼かれることもありませんでした。ふきんが仕舞われていたり、包丁がなおされていたり、点火する音を聞いたのは、ガス会社のおじさんが取り付けに来てくれたその時だけでした。

 結婚して住んだ2つ目の家までは、オーブンなんてありません、買う余裕もありませんでした。クッキーや簡単なケーキを焼くのは、当時出始めたばかりのオーブントースター、これだけはちょっと贅沢をさせてもらい、庫内の大きいアメリカ製のオースターのものを買いました。バウンドケーキも焼ける大きさです。でも、憧れはビルトインタイプのガスオーブン。3軒目の家にどうしても住みたかったのは、ビルトインのオーブンが付いていたからです。おそらく、未だに主人は私のこの本音をご存じないと思います。昭和50年代の初めの頃です。やはり点火は、マッチを使っていました。いつも点火する度に、緊張します。何やら爆発しそうです。でも、このオーブンを使った4年ほどの間で、パンを焼くこと、お菓子を焼くこと、オーブンってすごくご機嫌があることを学びました。私に、ベイキングの基本を教えてくれたオーブンでした。

 次のオーブンは、一時的に実家に戻った私のために、料理をしない母が、新しいビルトインのオーブンを台所に備え付けてくれていました。パンの発酵装置も付いたオーブンでした。昭和60年代の初期です。もちろん自動点火になっています。このオーブンを使ったのはほんのわずかの期間、すぐに香港にやって来ました。このオーブンは、昨年の実家の整理の時に処分してもらいました。もちろん、私がいなくなってからは、ただの一度も使われないままでした。

 香港の台所には、オーブンなんて付いていませんでした。でも、もうオーブンなしの生活は考えられないので、苦しい家計からナショナルのオーブンレンジを買いました。鶏が最低でも一羽はいる大きさが必要でしたので、ほんとに大きな出費だったと覚えています。電気ですから火力は弱く、心もとなげに感じたオーブンでしたが、10年近く使ったでしょうか、急に、漏電し始めました。この湿度の高い香港では、漏電は恐ろしい。そこで、新しいオーブンを探しました。ビルトインを置けるスペースは我が家にはありません。庫内の大きなオーブンレンジを探します。オーブンレンジが次第に機能は良くなって小型化していました。やっと見つけ出した、私にとって4代目のオーブンは、やはりナショナルのものです。多重層では使えませんが、ファンが付いており、熱気が庫内を廻ります。フランスパンを焼くのに、蒸気を注入したり、私のオーブン遣いはとても荒いものです。気が付くと、このオーブン18歳になりました。故障ひとつしません。電子レンジ機能も付いていますから、それこそ一日中フル回転です。パンやお菓子も焼けば、お肉やお魚も焼きます。冷たいミルクやご飯だってチンとするわけです。

 実家の改築が進んでいます。台所に入れるビルトインのオーブンをウェッブで探していました。説明を読んでいるだけでも、機能が大幅に改善しています。ガス、電気両方が使えるタイプです。もちろん、庫内は充分広く、多重層でパンを焼くことも出来そうです。PCの前を離れて、台所に入ります。18年の付き合いのオーブンがあります。沢山の私の失敗もうまく焼き上がったときの喜びも、このオーブンはずっといっしょでした。

 いろんなものを、あちこちの引っ越しに連れて廻っている私ですが、さすがにこのオーブンを連れて日本に帰ることは出来ません、ボルト数が違います。まだ、すぐに別れるわけでもないのに、いつか来るその日のことを思うと切なくなってしまいました。オーブンは機嫌屋です。そして、オーブンも私の機嫌を見てくれていたと思います。あといくつオーブンを使うか解りませんが、このオーブンは、私の一番のオーブンだったと思う日があると思います。

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おかげさまでモモさんが10歳の誕生日を迎えました

2014年01月17日 | もも

晴れ、12度、89%

 モモさん、10歳の誕生日です。毎年書くのですが、実は1月生まれだということしか解っていません。たまたま、我が家には二人17日生まれがいます。それで、モモさんも17日に祝うことにしています。10年というと、やはり永い間一緒に生活して来たなと実感します。ついこの間、我が家にきたばかりのような気がします。でも、お顔はだんだん白くなってきましたし、目も少し垂れ気味です。寝る時間も、永くなりました。

 一番大きな変化は、昨年までは寒くなった冬の朝の散歩でも、勇んで出かけていたモモさんですが、この冬は行きたがらなくなりました。大幅に時間をずらしての朝の散歩です。そんなモモさんの兆候が見えたので、ベストなど作ってやろうと思ったわけです。寒いといっても、香港ですから、10度前後ですが。

 大きな病気もせずに、健康でいてくれます。今までと同じ時間は、一緒にはいられないでしょう。だから、もっと側にいてやりたいと思います。

 今朝は3人で、お祝いをしました。主人が夜はお付き合いです。 モモさんに黄桃のシャルロットを作りました。たまたま、ポーランドの黄桃の瓶詰めがあったからです。シャルロットに帽子をかぶせたり、リボンを巻いていると、モモさんやたらに興奮しています。いつもなら、私の椅子に座るのに、テーブルの下を行ったり来たり。 どうぞ、モモさんのケーキですよ。 もちろんこんなに沢山はあげません。ケーキもババロアも少しずつです。

 おめでとう、モモさん。一緒に出来るだけ永くいようね。

 見出し写真は、9歳最後の夕方の散歩のときです。

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アメリカンシナモンロール

2014年01月16日 | パン

晴れ、12度、65%

 映画「カモメ食堂」でお客を呼ぶ始めのきっかけになったシナモンロール。確かにあの映画のシーンと同じく、このパンを焼いている間は、シナモンの香りが辺に流れていきます。これは、強烈な誘惑です。しかも、あの映画で使われたレシピは、ガーダモンが生地に練り込まれていますから、シナモンと合わさって、それはエキゾチックな香りに違いありません。たまたま、飯島奈美さんのレシピを手に入れた私は、早速ガーダモン入りのシナモンロールに挑戦しました。確かに美味しい、香りもそれは濃厚です。でも、何故だか我が家の口には今ひとつ、きっと甘さが少なめだからかもしれません。アメリカの十八番のようなシナモンロール、ヘルシンキが舞台のこの映画では、北欧風にアレンジされていました。

 我が家が長いこと焼き続けているシナモンロールは、アメリカンタイプです。映画などで見るアメリカのスーパー、シナモンロールもローフになったものや大きなパイ状になったものまで売っています。とにかく、アメリカを代表する菓子パンだそうです。そして、エッと思うほどに甘く作ると、美味しいと感じます。

 アメリカでは、家庭でも作られるシナモンロールだそうですが、我が家も気楽に作るパンのひとつです。天板に一杯拡げて焼きます。 焼成に入れる前の状態です。大きく長方形に伸ばした生地に、シナモン、お砂糖、レーズンをまき散らし、端からクルクルと巻きます。それを適当な大きさに切って、切り口を上に向け並べます。実は、今回は出張中の主人から、シナモンロールを作って欲しいといわれました。しかも、蜂蜜入り、レーズン、くるみ入りがご希望だとか。最近日本製の蜂蜜に肩入れしている主人です。そこで、生地にまず蜂蜜を練り込みました。でもこれぐらいでは、シナモンの匂いに負けてしまいそうです。そこで、拡げた生地に巻くお砂糖の半分を蜂蜜に代えてみました。随分と甘いパンになります。そのうえ、だめ押しにアイシングシュガーを焼き上がりにタラーッとかけます。

 さて、天板から外そうとした時、あれ~、いつもならパリッと焼き上がるこのパンが、柔らかくて調理台の上にドサッと落ちてしまいました。蜂蜜を入れると、パンは柔らかくなります。まあ、私たち3人が食べるものですから、形が崩れてもね。蜂蜜はすっかりシナモンに香りでは負けていますが、しっとりした口当たりは上出来です。

 シナモンンロールが今年のパンの焼き初めではありません。もちろん焼き初めは、プルマンローフでした。

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胡麻だんご

2014年01月15日 | 香港

曇り、12度、64%

 1月15日前後に日本ではどんど焼き、左義長などと呼ばれる、正月の飾りものを焼き上げる催しが行われているようです。呼び方も地方で異なるものの、神道の流れを汲む儀式のようです。実は私、このどんど焼きを実際に見たことがありません。日本を離れて永いからではなく、小さい時にも経験した覚えがないのです。ニュースで見たり、本で読んだり、でも、今ひとつ実経験がないのでピンとこないお祭りです。

 このどんど焼きのために、繭玉というお団子を2日前から準備している友人がいます。きっと、彼女は小さいときから見知ったどんど焼き、嫁いで20年以上も当たり前のように用意をして来た繭玉だと思います。この繭玉を長い木の枝に刺して、どんど焼きの火であぶり焼き食べるのだそうです。調べてみると、繭玉と呼ばなくても、それぞれの土地で、お餅やお芋をどんど焼きの火で焼くことを知りました。繭玉というからには、蚕さんのようにやや長めの形を想像していた私ですが、実際はきれいなまんまる。しかも、艶を出すために冷ましながら、濡れた手でひと掃きするのだそうです。確かにまんまる、ピカピカの繭玉です。繭玉が火に炙られ美味しいだろうなと思ううちに、そうそう、似たものが香港にもあるのを思い出しました。

 胡麻だんごです。 このまんまるのだんごの中身は黒ごまです。よく摺った黒ごまと砂糖、そこにピーナッツオイルを入れた胡麻あんです。この胡麻だんごも、中國では本来、大晦日に家族全員が揃って食べる行事食です。もちろん、大晦日は、春節の前の晩、今年は1月30日に当たります。

 丸い形は円卓にも表れているように、中國では大事にされる形です。しかも、中にあんがあることは、子供を意味します。子沢山は子孫繁栄です。同じように餃子も晦日に食べるものです。中にあんがありますからね。焼き餃子ではなく水餃子でしょう。熱々の湯の中からすくって食べる、まあるい胡麻だんごや餃子、しんそこ体を暖めてくれます。

 胡麻だんご、今では冷凍物で一年中あります。ピーナッツあん、芋あんまででています。香港に来たばかりの頃は、春節前になると街角に座って、胡麻だんごを作っているおばさんを見かけてものですが、最近はすっかり姿を消しました。自家製のだんごは冷凍物より大きめです。この胡麻あんは、意外に作るのが難しいので、丸めたあんだけを売っている店もあります。お母さん、おばあさんが家で作るところもあるのでしょう。餅の部分も、米粉、餅米粉を使うレシピがありますが、私は米粉の方が美味しいように思います。

 繭玉の美味しそうな様子に惹かれて、ついつい胡麻だんごをたくさん食べ過ぎてしまいました。

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MAC iBook calmshell

2014年01月14日 | 日々のこと

曇り、11度、75%

 今私が使っているMacBook Proは、私専用のラップトップとして3代目です。2代目までは、シャープのものを使っていました。ずっとMacを使いたいと思っていたのに、主人が日本から買って来てくれるのは、シャープでした。香港で売られている日本のメーカーのPCは、日本語対応をしていません。日本から持ち込むより他はなかったのですが、買って来てくれる人の手前、がっかりした顔など見せられません。それに、私の使うレベルに合った働きを、2台ともこなしてくれました。やっと、Macを手に入れたのは2年ほど前です。アップルストアーにネットで申し込み、シンガポールから送られてきました。私は、普通のユザーです、音楽やアートをいじったようなことはしません。それでも、Macのものの使いよさを感じます。iPad、iPhoneと使って来た延長線でしたので、Windowsからの移行も思ったより楽に出来ました。

 でも何で、そんなにMacのラップトップが欲しかったのか?自分でも忘れていました。先日、CD,DVDの整理をしていました。溜まりますから、本よりはまめに整理します。整理しながら、懐かしいものを見たりするわけです。リーザ ウェザースプーンという大好きなアメリカ女優がいます。演技がうまいわけでも、美人でもないのですが、端役時代から見続けています。「REGALLY BLONDE」確か邦題は、「プリティブロンド」だと思います。ピンクのスーツに身を包み、チワワを片手に法廷に現れる弁護士の役です。彼女が、ハーバードで法律を学ぶシーンがあります。とても出来の悪い彼女が、他の学生が普通のPCを使う中、ただ一人、スケルトンのオレンジ色のMacを使っているのです。そのシーンを見た途端、あっ!これだったんだと思い出しました。私がどうしてもMacを使いたいと思ったのは、その形も色も常識から外れたPCに惹かれたからでした。

 1999年から2001年にかけて作られた、calmshellというシリーズです。スケルトンカラーで、オレンジ、ブルー、グリーンなどが有り、形は名前の如く、貝の殻のようです。はっきり言えば、今、子供向けのPCがありますが、あんな安っぽい感じです。私の、Mac憧れの原点は、このcalmshellでした。

 実はこの映画、続編があります。おまけにその続編を見ていた私は、絶対にMacと思ったもう一つのシーンを見ました。ピンクですべてを固めたウェザースプーンの弁護士事務所のブースは、これまた、全てピンクです。そして、なんとピンクの普通の型のMacがデスクにあります。ピンクのラップトップです!ピンクが欲しいわけではありません。しかも、そのピンクは特注だったそうですが、強いインパクトがありました。

 いかにもミーハーな私らしい願望の現れです。でも、実際に、自分のMacを手に入れるまで10年近くかかっています。すっかり、自分のMacの原点を忘れていました。スケルトンでなくても、ピンクでなくても、欲しいのはMacだったのです。言い訳みたいですが、きっと私のような方は他にもいると信じています。

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湯のみ

2014年01月13日 | 身の回りのもの

曇り、13度、75%

 私が育った家には、焼き物がゴロゴロしていました。福岡という土地柄、西に向かえば唐津に伊万里、周りは小さな民陶が沢山あります。銘が入ったもの、名だたる陶工の作ではありません。福岡県朝倉郡に小石原焼きという生活陶器を作る村があります。私が小さい頃は、夏になると、この山間の交通の便も良くない村に、贔屓の窯元に泊めてもらい、家族で作陶していた頃がありました。小さな私も、小さなろくろを貸してもらい父の灰皿などを作りました。私がその村で一番の楽しみは、土を作るための水車を利用した土突きでした。水車小屋の中では、寝かされる前の土が、トントンと砕かれていました。ゆっくり廻る水車の音と土を突くトントンと言う音が、一番の思い出です。

 大きな壷から湯のみにいたるまで、小石原のものに関わらず陶器ばかりの食卓でした。しかも、器を選ぶのは、料理をろくに作らない私の母です。その反動もあってか、結婚して自分で器を選ぶとなると、いきおい、磁器に傾きました。瀬戸や多治見で焼かれる磁器は、あの頃は量産品の荒物屋の店先に並ぶ物が多かったように思います。旅館で出される湯のみに土瓶、どこに行っても同じ物ばかりでした。我が家の経済で許す限りのちょっといい磁器を揃えていたのは、昭和50年代の初めです。

 その磁器に凝っていた私がなぜか湯のみだけは、ずっと土ものを使っていました。ポッテリと掌に納まる粉引きは、もう20年ほど使っているものです。茶渋も程よく付き自分の湯のみと思えるほど育ってくれました。それなのに、急に、筒型の湯のみを使いたくなりました。 年明けて使い始めた祥瑞の筒型の湯のみです。驚いたことに、同じお茶の味が全く違います。昨日までの粉引きと磁器の筒型、同じお茶の葉なのに味が違います。

 お茶の味は違うのですが、どちらが美味しいとは、決めきれません。湯のみの口付きの厚さが違います。深さや、口の広がりが違います。立ち上ってくるお茶の香りまで違います。本当に驚きました。

 ワイングラスは、いいワイングラスと普通のグラスとでは、大いに美味しさが違ってきます。湯のみもまた、お茶の膨らみ方を左右するようです。湯のみはどちらで飲んでも、それぞれに美味しいので、交互に使ってみました。まだ、寒い間は、粉引きのポッテリを使おうと思い直したところです。磁器の筒型は、暑い夏に熱いお茶を飲む時に使いましょう。抹茶の茶碗が、うるさく取沙汰されるわけも、この年になって少し解るようになりました。

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柚子風呂

2014年01月12日 | 香港

曇り、14度、87%

 今の香港に住む人たちは、本当の便利になったと思います。日本の食糧品から日用雑貨にいたるまで、選択肢を持って選べます。30年近く前は、ない物だらけでした。とはいっても欧米諸国に比べれば、不自由が少ない国です。一番大きな理由は、種類は違ってもお米を食べる国であり、醤油を使う国だからだと思います。当時は既にユニー、ジャスコの日系スーパーもあり、まだ、大丸が健在でした。その大丸ですら醤油は2種類お味噌も2種類、香港に住んでいる日本人家庭は、みな似たり寄ったりの味のものを食べていたのかもしれません。しかも、その大丸で食糧品を全て調達するのはそれはリッチな方達で、我が家などは日本から家財道具が着いた辺から、地元の市場通いが始まりました。お肉や魚は兎も角、お野菜は同じ野菜とは思えない物ばかり、筋張った大根、巨大な人参にキュウリ、いくら煮ても柔らかくならないジャガイモ。今では、日本からの種を使ったりでそんなお野菜は無くなりました。

 とても便利になった香港ですが、やはり、ない物があります。あっても入ってくる量が少なかったり。柚子もそのひとつ。柚子なしのお正月料理なんて当たり前になっていました。12月の下旬に出張で日本に帰った主人が、柚子を買って来てくれました。2個です。お正月の料理に使い、果汁も搾り、皮も薄切りにして冷凍庫に、残った惨めな柚子だってもったいない、そこで、随分と遅ればせな柚子湯にしました。

 昨年の冬至の日、お風呂一杯に浮かぶ柚子を見て、あー、羨ましいなーと思いました。でも、皮もまだらなこの柚子たち、我が家の湯船でいい香りを放ってくれました。 柚子のアロマなどとは違った幸せです。最後の最後までありがとう。

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