晴、15度、80%
食用の菊をたくさんいただきました。 黄色ではなく紫の「かきのもと」という名前の菊だそうです。黄色い菊の乾燥したものは、料理に彩りにと常備していましたが、紫は初めてです。酢を落とした熱湯でさっと湯がきます。普通なら冷水にとって色止めをするところですが、贈り主の彼女から扇いで冷ましてくださいと伝言。そこでうちわを出してきました。
水に取ると確かに水っぽくなります。扇ぐうちに生の時とは違うこれまた美しい紫に変わっていきました。
いつもは酢の物にします。おひたしにする方も多いようです。菊をひとつまみ、確かに歯ごたえが違います。菊の香りとともにキュッと噛みしめるような歯触りです。この赤に近い紫ですので、しらすを少し混ぜました。このままでもしらすの塩気で美味しいのですが、ここに「太白ごま油」を垂らします。「太白ごま油」はゴマの香りがありません。お味も優しいごま油です。 菊にツヤが出てまろやかな菊の味に変わりました。
菊をむしる時から菊の香りに包まれています。指先からも菊が匂います。香港にいるときは、大きな束で菊を買ってきて活けていました。花器に入れる前に葉をとったりしていると、菊の香りが狭い部屋に満ちました。中国昆明からの菊でした。足元にはモモさんがこの香りに誘われてウロウロしていました。菊の香りがそんなことを思い出させます。
菊の香りに包まれて、歯ごたえあるを菊を食して身体が感じています。清涼感です。邪気が払われたようなそんな感じが身体に満ちていました。日本の秋ならではの美味しい菊でした。