『2012年12月21日に何が起こるのか?』 徳間書店 パトリシア・マーシア 著
まず、本書の序文の冒頭部分を引用します。
――アマルカ。それは、アメリゴ・ベスプッチが大西洋を渡ってこの大陸の海岸に到着するはるか昔、先住民族が西半球につけた古い名前である。インカ語で、「アマル」は蛇、「カ」は場所を意味する。
本書は、今も自然のそばで暮らしている中央アメリカの先住民族のメッセージと叡智を記した、時の次元を旅する冒険書である。この中では、あなたの考え方を根本からくつがえすほど影響力の大きい選択が示されている。そして、歌うクリスタル・スカルや予言、宇宙人、時間、隠された謎の都市についても述べてある。
長い間、予言といえばアメリカ先住民たちのものだと思われてきたし、クリスタル・スカルは、マヤの予言に重要なものである。クリスタル・スカルを持っている霊媒師や神秘家たちは、他の次元からやってきたとしか説明のできない情報を得てきた。そのお告げは、スカルが歌って与えたものなのだ!
現在生き残って健康に暮らしている純粋なマヤの子孫は、およそ600万人だ。加えて、アメリカ大陸、すなわち亀の島の中に住む他の先住民族は100万人おり、チェロキー、セネカ、アニシナベ、インカ、ホピ、コギ、ズニ、スーといった豊富な文化の〈合唱団〉の声を聞くことができる。
この本を読み進むにつれて、これらの先住民族の知識や叡智について知るようになるだろう。また、コロンブス、いや中国人(訳注:コロンブスの前に中国人がアメリカ大陸を発見したという説がある)さえアメリカ大陸に足を踏み入れていなかった時代に、すばらしい発展をとげた古代の文化についてもわかるだろう。だが、この知識や叡智の真意は、わたしたちが現代の生活で実践しなくては価値がなくなってしまうというところだ。これは先住民族の予言の中でわたしたちに語られた、何年にもわたる叡智と母なる大地の涙に彩られた生きた知識なのだ。
先住民族の活力あふれる知識に耳を傾ければ、マヤの予言が特に2012年12月21日という日付に関心を持っていることがわかるだろう。
これは、ロングカウントと呼ばれる5125年の暦が満ちる日付である。ひとつの時代、つまりマヤの創造の時代が次の時代へうつる時期を表している。マヤやアメリカ大陸のほかの先住民族の教えを伝える者たちは、わたしたちの暮らす時代が危機的状態にあり、人類が滅亡する可能性もあると、人類社会に緊急警告を与えている。
これらの予言に隠された真実を探そうと、わたしは数年にわたりアメリカ大陸を探究してまわった。(以下、略)――
この序文から、本書の物語のフィーリングが伝わってくると思います。
本書の著者パトリシア・マーシアは、旅の途中で、マヤの神官の老婆からクリスタル・スカルを託された。彼女ほどマヤの予言とクリスタル・スカルのミステリーを語るにふさわしい人物はまたといないでしょう。
本書の監訳を担当しているのは、地球・先史文明研究家の淺川嘉富氏です。監訳者として浅川氏は後書きを書いています。その中で、次の一文があります。
――(略)そんなことで、この書に特別の親しみを感じながら読み進んでいたところ、さらに驚くべき共時性(シンクロニシテイ)に出くわすこととなった。本書の第1章に、グアテマラの双子形ピラミッドが建つミシュコ・ビエホ遺跡で、ワンダリング・ウルフと呼ばれるマヤの13代目最高神官が、遠足に来ていた子どもたちの前で、古代の祈りを捧げる伝統的なマヤの火の儀式を行う場面が登場する。
著者は、この神官について「物静かで謙虚なこの男性の名はドン・アレハンドロ・シリロ・ペレス・オクスラといい、グアテマラ・マヤ民族長老評議会の最長老である。マヤ族の代表として国連に出席し、ローマ法王に謁見したこともあり、今は予言に気づかせるために世界中を旅している」と述べている。
実は、沖縄のカミンチュ(神人)である比嘉良丸氏と共に祈りを捧げて頂くために、今年(2008年)の3月に、私が日本に招聘したマヤの神官こそが、ここに登場するドン・アレハンドロであったのだ。(以下、略)――
そのドン・アレハンドロドンの話で印象的なものとして、淺川氏は、やがて遭遇する「第5の創造期」のゼロ年に突入する直前に、人類は72時間(3日間)の暗黒の世界を体験することになるという話であったと述べています。
――この不思議な出来事は、これから地球が宇宙にある特別の磁気帯(ドンはCentral magnetic fieldと呼んでいた)に突入することによって発生する現象で、今地球は太陽系の他の惑星共々その空間に向かって突き進んでおり、そのために太陽系全体に大きな変化が起きているのだということである。また、そこを抜け出した後に見る太陽は、現在我々が見ている太陽とは異なったものになる可能性が大きいようである。
暗黒の世界との遭遇については、聖母マリアの予言の中でも、それは、すべての照明装置(電灯、ロウソク、懐中電灯)が使えなくなる真の暗闇の3日間であると述べられているが、マヤの長老からよもや同じ話を聞かされるとは思わなかっただけに、非常に衝撃的であった。(以下、略)――
そして、浅川氏は、講演では聞けなかったので、ドンに同行した旅の中で、暗黒の3日間の中で何が起きるのか尋ねてみたという。
「残念ながら、我々にもはっきりしたことは分かりません。伝承では、その点については伝えられていないからです。ただマヤの長老たちは、強力な磁気とエネルギーを受けることによって、地球だけではなく人間の体にも大きな変化が起きるのではないかと考えています。病弱の人や老人は亡くなることになるかもしれません。確かなことは分かりませんが、その時こそ、創造主が次の時代に連れて行くべき人を選択することになるのではないでしょうか」と、答えられたという。
また、本書の中で盛んに登場する2012年12月21日という、5114年周期の長期暦の終わりの日についてドン・アレハンドロ氏は、それは決して確かな日付ではないといい、次のように語っています。
「長期暦の存在とその周期の終わりが間近に迫っていることには異論がありません。しかし、第5の世界の初めとなるゼロ年がいつになるのかについては、定かではないのです。残念なことに、スペインのコルテス将軍が率いる侵略者たちによって、宇宙の動きや長期暦を読み解く力を持ったデイキーパーであるマヤの神官たちはことごとく殺され、マヤ歴について書かれた書物や動物の皮も全て焼き捨てられてしまいました。
そのため、我々は白人たちが使っているグレゴリウス暦で、やがてやってくるゼロ年が何年何月になるのかを知るすべを失ってしまったのです。グレゴリウス暦は28日、29日、30日、31日と1ヶ月が様々である上に、ユリウス暦からグレゴリウス暦に変更した際に、一時、時が止められたこともあって、ゼロ年の算出が大変難しくなってしまったのです」
それでは、あなた自身はその時期はいつ頃とお考えですかという私(注:浅川氏)の問いに、ドンは首を横に振り、「正確なことは分かりません」と一言いわれただけだった。しかし私の勘では、彼ら長老たちはその日はもう少し後ではないかと考えているように感じられた。その後、しばらく間をおいて、「言えることは、人類にとってその日、その時が早ければ早いほど幸せだということです。なぜなら、人類が艱難辛苦で苦しむ期間がそれだけ短くてすむからです」と、天を見つめながら語られたドンの言葉がとても印象的であった。
以上
まず、本書の序文の冒頭部分を引用します。
――アマルカ。それは、アメリゴ・ベスプッチが大西洋を渡ってこの大陸の海岸に到着するはるか昔、先住民族が西半球につけた古い名前である。インカ語で、「アマル」は蛇、「カ」は場所を意味する。
本書は、今も自然のそばで暮らしている中央アメリカの先住民族のメッセージと叡智を記した、時の次元を旅する冒険書である。この中では、あなたの考え方を根本からくつがえすほど影響力の大きい選択が示されている。そして、歌うクリスタル・スカルや予言、宇宙人、時間、隠された謎の都市についても述べてある。
長い間、予言といえばアメリカ先住民たちのものだと思われてきたし、クリスタル・スカルは、マヤの予言に重要なものである。クリスタル・スカルを持っている霊媒師や神秘家たちは、他の次元からやってきたとしか説明のできない情報を得てきた。そのお告げは、スカルが歌って与えたものなのだ!
現在生き残って健康に暮らしている純粋なマヤの子孫は、およそ600万人だ。加えて、アメリカ大陸、すなわち亀の島の中に住む他の先住民族は100万人おり、チェロキー、セネカ、アニシナベ、インカ、ホピ、コギ、ズニ、スーといった豊富な文化の〈合唱団〉の声を聞くことができる。
この本を読み進むにつれて、これらの先住民族の知識や叡智について知るようになるだろう。また、コロンブス、いや中国人(訳注:コロンブスの前に中国人がアメリカ大陸を発見したという説がある)さえアメリカ大陸に足を踏み入れていなかった時代に、すばらしい発展をとげた古代の文化についてもわかるだろう。だが、この知識や叡智の真意は、わたしたちが現代の生活で実践しなくては価値がなくなってしまうというところだ。これは先住民族の予言の中でわたしたちに語られた、何年にもわたる叡智と母なる大地の涙に彩られた生きた知識なのだ。
先住民族の活力あふれる知識に耳を傾ければ、マヤの予言が特に2012年12月21日という日付に関心を持っていることがわかるだろう。
これは、ロングカウントと呼ばれる5125年の暦が満ちる日付である。ひとつの時代、つまりマヤの創造の時代が次の時代へうつる時期を表している。マヤやアメリカ大陸のほかの先住民族の教えを伝える者たちは、わたしたちの暮らす時代が危機的状態にあり、人類が滅亡する可能性もあると、人類社会に緊急警告を与えている。
これらの予言に隠された真実を探そうと、わたしは数年にわたりアメリカ大陸を探究してまわった。(以下、略)――
この序文から、本書の物語のフィーリングが伝わってくると思います。
本書の著者パトリシア・マーシアは、旅の途中で、マヤの神官の老婆からクリスタル・スカルを託された。彼女ほどマヤの予言とクリスタル・スカルのミステリーを語るにふさわしい人物はまたといないでしょう。
本書の監訳を担当しているのは、地球・先史文明研究家の淺川嘉富氏です。監訳者として浅川氏は後書きを書いています。その中で、次の一文があります。
――(略)そんなことで、この書に特別の親しみを感じながら読み進んでいたところ、さらに驚くべき共時性(シンクロニシテイ)に出くわすこととなった。本書の第1章に、グアテマラの双子形ピラミッドが建つミシュコ・ビエホ遺跡で、ワンダリング・ウルフと呼ばれるマヤの13代目最高神官が、遠足に来ていた子どもたちの前で、古代の祈りを捧げる伝統的なマヤの火の儀式を行う場面が登場する。
著者は、この神官について「物静かで謙虚なこの男性の名はドン・アレハンドロ・シリロ・ペレス・オクスラといい、グアテマラ・マヤ民族長老評議会の最長老である。マヤ族の代表として国連に出席し、ローマ法王に謁見したこともあり、今は予言に気づかせるために世界中を旅している」と述べている。
実は、沖縄のカミンチュ(神人)である比嘉良丸氏と共に祈りを捧げて頂くために、今年(2008年)の3月に、私が日本に招聘したマヤの神官こそが、ここに登場するドン・アレハンドロであったのだ。(以下、略)――
そのドン・アレハンドロドンの話で印象的なものとして、淺川氏は、やがて遭遇する「第5の創造期」のゼロ年に突入する直前に、人類は72時間(3日間)の暗黒の世界を体験することになるという話であったと述べています。
――この不思議な出来事は、これから地球が宇宙にある特別の磁気帯(ドンはCentral magnetic fieldと呼んでいた)に突入することによって発生する現象で、今地球は太陽系の他の惑星共々その空間に向かって突き進んでおり、そのために太陽系全体に大きな変化が起きているのだということである。また、そこを抜け出した後に見る太陽は、現在我々が見ている太陽とは異なったものになる可能性が大きいようである。
暗黒の世界との遭遇については、聖母マリアの予言の中でも、それは、すべての照明装置(電灯、ロウソク、懐中電灯)が使えなくなる真の暗闇の3日間であると述べられているが、マヤの長老からよもや同じ話を聞かされるとは思わなかっただけに、非常に衝撃的であった。(以下、略)――
そして、浅川氏は、講演では聞けなかったので、ドンに同行した旅の中で、暗黒の3日間の中で何が起きるのか尋ねてみたという。
「残念ながら、我々にもはっきりしたことは分かりません。伝承では、その点については伝えられていないからです。ただマヤの長老たちは、強力な磁気とエネルギーを受けることによって、地球だけではなく人間の体にも大きな変化が起きるのではないかと考えています。病弱の人や老人は亡くなることになるかもしれません。確かなことは分かりませんが、その時こそ、創造主が次の時代に連れて行くべき人を選択することになるのではないでしょうか」と、答えられたという。
また、本書の中で盛んに登場する2012年12月21日という、5114年周期の長期暦の終わりの日についてドン・アレハンドロ氏は、それは決して確かな日付ではないといい、次のように語っています。
「長期暦の存在とその周期の終わりが間近に迫っていることには異論がありません。しかし、第5の世界の初めとなるゼロ年がいつになるのかについては、定かではないのです。残念なことに、スペインのコルテス将軍が率いる侵略者たちによって、宇宙の動きや長期暦を読み解く力を持ったデイキーパーであるマヤの神官たちはことごとく殺され、マヤ歴について書かれた書物や動物の皮も全て焼き捨てられてしまいました。
そのため、我々は白人たちが使っているグレゴリウス暦で、やがてやってくるゼロ年が何年何月になるのかを知るすべを失ってしまったのです。グレゴリウス暦は28日、29日、30日、31日と1ヶ月が様々である上に、ユリウス暦からグレゴリウス暦に変更した際に、一時、時が止められたこともあって、ゼロ年の算出が大変難しくなってしまったのです」
それでは、あなた自身はその時期はいつ頃とお考えですかという私(注:浅川氏)の問いに、ドンは首を横に振り、「正確なことは分かりません」と一言いわれただけだった。しかし私の勘では、彼ら長老たちはその日はもう少し後ではないかと考えているように感じられた。その後、しばらく間をおいて、「言えることは、人類にとってその日、その時が早ければ早いほど幸せだということです。なぜなら、人類が艱難辛苦で苦しむ期間がそれだけ短くてすむからです」と、天を見つめながら語られたドンの言葉がとても印象的であった。
以上
2012年12月21日に何が起こるのか?―マヤエンドタイムwithクリスタル・スカル (超知ライブラリー) | |
Patricia Mercier,浅川 嘉富 | |
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