大統領を操るバンカーたち(上)──秘められた蜜月の100年 | |
藤井 清美 | |
早川書房 |
JP・モルガンとルーズベルト大統領に始まる、ウォール街とホワイトハウスの結託の歴史。
2000年代のもっとも強力な銀行は、そのほとんどがかつてのビッグ・シックスが形を変えたものだ。
チェースとJ・P・モルガンは ⟶ ①JPモルガン・チェースと②モルガン・スタンレーに
ナショナル・シティ銀行とファースト・ナショナル銀行は ⟶ ③シティグループに
④ゴールドマン・サックス
⑤バンク・オブ・アメリカ
⑥ウェルズ・ファーゴ
本書の「はじめに」はこう書かれています。
だが、アメリカに対するビッグ・シックスの影響は、さらに前の時代から始まっていた。
彼らは1880年代末から活躍していた銀行家たち、とりわけ、その時期に自身の富を拡大したJ・P・モルガンともつながりを持っていたのである。これらの銀行家たちは、1907年恐慌に関与した。彼らもしくはその代理人は、未来の恐慌で彼らを支えることになる連邦準備銀行を創設するために、ジキル島で会議を開いた。さらに、第一次世界大戦の戦費を融資し、それによって巨額の利益を得た。
1929年の大暴落から2008年まで、これらの銀行家は民主的に選ばれたリーダーではなく君主的なリーダーとして、アメリカを支配した。大恐慌、第二次世界大戦、世界銀行とIMFの設立、冷戦、アメリカの金融的・軍事的拡大---その間ずっと、ウォール街とホワイトハウスは協働しながらアメリカの政策を形づくってきた。これらのエリート銀行家は、今日もなおアメリカの金融システムを動かいている。
以上