本書は、「世界経済フォーラム」の創設者クラウス・シュワブ氏とティエリ・マルレ氏の共著です。本書では、COVID-19 パンデミックが終息した後の世界がどのような形になるのかを推察や発想を交えて解説しています。著者は次のように書いています。
「本書は、今後の世界を俯瞰的に展望するために、大きく分けて、三つの章で構成されている。第1章では、このパンデミックが五つのマクロ的な主要分野(経済、社会、地政学、環境、テクノロジー)に及ぼす影響を評価する。第2章では、特定の業界や企業に絞って、同様の影響をミクロ的に分析した結果をまとめた。そして第3章では、このパンデミックが個々の人々にどのような影響を与える可能性があるかを推論している。」
もし仮に、今回のパンデミックが終息したとしても、もう元の世界に戻ることがないでしょう。COVID-19 パンデミック騒動が大陰謀であったのか否かはここでは論じませんが、少なくとも彼らは(?)、このようなことがかなりの確率でいずれは起こる、あるいは起こすことを共有していたのは間違いないでしょう。本書34ページに次のように記された部分をご紹介します。
「・・・・・つまり、かなりの確率でいずれは起きることだったのである。そのとおりだ! ここ何年も、世界保健機構(WHO)のような国際機関や、世界経済フォーラム、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI、2017年の世界経済フォーラム年次総会で発足)のような組織、それにビル・ゲイツのような個人が、次のパンデミックリスクについて世界に警鐘を鳴らしていた。その警告は具体的だった。(1)経済成長によって人と野生生物が共存せざるを得なくなった人口密集地にパンデミックが現れる。(2)パンデミックは人の異動と交易のためのネットワークを利用し、迅速、かつ静かに広まる。(3)封じ込めをものともせず、多くの国に広まる。この後で見ていくように、パンデミックの特徴を適切にとらえ、その性質を理解することが肝心だ。・・・・・・・・」
以上