モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

実写映画『るろうに剣心』感想

2012年09月06日 | 幕末他歴史ネタ

佐藤健の目がおっきかった。
蒼井優がなんか凄かった。
『るろうに剣心』の実写映画を、先日、原作を読んだことが無くヲタクでもない彼氏を誘って観に行ってみました。


大学生の頃、激ハマりしていた『るろうに剣心』。
幕末・新選組に目覚めたのはこれのせい。
斉藤一を追って会津に行き、後に自動車免許取得の合宿先に選んでしまうほどの会津贔屓になったのもこれのせい。
けっこうディープな「原作ファン」です私。

・テレビCMを観て、映像的にそこそこ良さげであると判断。
・監督が『龍馬伝』のヒトであると知り、ちょい期待。
・実際観た人達の評判も良く、特に「殺陣シーンが凄い」とのこと。
・斉藤一役が江口洋介。
以上の事項により、観に行こうと決意。
しかも、江口ファンであり歴史好きで『龍馬伝』を毎週観ていたらしい彼氏を誘って。
上記4項目が無ければ一人で行くつもりだったのですが、ひょっとして一般的な時代劇ファンにもイケるのではないかと思いまして。

結果、そこそこ楽しんでもらえたようです。
『るろうに剣心』という響きや、ジャンプコミック原作(しかも女性人気も高いミーハー系)なことにやや恥ずかしさを覚えてはいたようですが、そこはある種の「プレイ」ってことで。
私も観ていて、それほど「コミック色」は無いな、と。
剣心の口癖である「おろ」も、むしろ「おr」といったカンジで何も知らなければ「お」としか聞こえないレベル。
衣装もコスプレ感は無く馴染んでいましたし(時々風変わりすぎるのはいましたが)。
ただ、「ござる」言葉は彼氏の耳には浮いて聞こえていたようで、ナルホド言われてみれば確かに最大の「コミック色」だったネーと思いましたが。


で、私自身の感想ですが。
『るろ剣』の世界を実写で描きだしてくれたことに、感謝です。

武井咲の声がアニメの薫ちゃんの声に少し似ていたりして嬉しかったし、彼女自身、カッコ良かった。

剣心も、すごく自然でした。
実在したらこんなカンジだったんだろうなぁなんて思えるほどに。
声なのか喋り方なのか、とにかくセリフの耳障りがとても良くて、唄うようなセリフ回しに惚れ惚れしてしまいました。
「女みたいな優男」である剣心ですが、佐藤健はまさに「ハマって」いました。

蒼井優の「高荷恵」は、原作より小柄で華奢ではありますが、それでも原作キャラクターのイメージを見事に再現。
気が強いけど脆いカンジが出てて、「そうそう!こんなカンジだよね!」と嬉しくなりました。

江口洋介の斉藤一は・・・・・・えっとですね。
カッコ良かったんです。
警官制服に日本刀だし、実在の明治時代の斉藤一(藤田五郎)はこんなカンジだったかもなぁって
その点では良かったんですが、正直、「るろ剣の斉藤一」では無かったかなって。
実在の人物であり、また、江口洋介ならフツーに新選組モノで斉藤一役をやっていてもおかしくないわけで、そういった点から私が純粋に「るろ剣の斉藤一」として観られなかったのが原因かもしれませんが。
もっとこう・・・ヒールな雰囲気というかエピソードというか、剣心のライバルとしての側面が欲しかった・・・。

その他、「詰め込みすぎ」な点がいくつもあり、それらは気になりました。
原作がある以上キャラクターも多くて、左之助や弥彦は出さないわけにはいかなかったでしょう。
タエさんや燕ちゃんがちらっと出ていたけど、あれはまぁ原作知らなくてもスルー出来る程度なので原作ファンがニヤリとすればよいものでしょう。
署長さんらしき人物が居たけどなんの説明もないあたり、まさに原作ファンへの「ニヤリ」サービスだったと思います。
しかし、山県有朋は何で出てきたのか分からない。
原作にあるエピソードを切り取って映画にしているので、原作でそこに至るまでの部分を縮めて端折って纏めなければならないのだから、苦労は多かっただろうなぁとは思います。
それでもやはり、思い切って切り捨ててしまっても良かったのでは?と感じることがしばしばありました。
左之助か斉藤一、戦闘要員はどちらかだけで良かったのではないかしらと、斉藤一のあの「活躍」ぶりを観て思いました。
「牙突」繰り出してソレかよ・・・みたいな。


ただ、マンガやアニメだと実感が無かったけど、実写という「より現実に近いもの」になったことでハッとさせられたことも。

剣心が薫の家で、何気ない平和を実感してしみじみとするシーンがあるのですけど、そこで。
「自分が人斬りをした果てに平和な世があるのなら」と、命を慈しむ心を凍らせて暗殺を請負っていた剣心。
そのあたりの葛藤はこの映画でも描かれていたわけですが。
だからこそ、自分が目指した世になった「平和な日常」の尊さが沁み入るのですね、と。
原作にはそんなシーン、あったのかなぁ。
あったとしたらゼンゼン読み飛ばしてたなぁ・・・。


あれこれ詰め込まれてやや窮屈なことになってはいましたが、チャンバラ的娯楽作品としても面白いですし、殺陣も確かに迫力あって凄かったですし、登場人物も見目よく声も耳に心地よいですし、コミック色もそれほど無いので、役者目当てで観に行ってもそう辛い事態にはならないと思います。

原作ファンもそうでなくても、なかなかに楽しめる映画だと思います。



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