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モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

「神尾一馬シリーズ」

2005年12月03日 | 書籍業界にて想う

先日(11月14日)、このブログにて記事にさせていただきました、高梨耕一郎先生のデビー4作を読み終えました。
こんなに早く読み出したのは、もちろん、ご本人様からコメントを戴いたご縁があるからですが、それは最初の1冊を読み始めるきっかけがそうだっただけ。オビに「片平なぎささんも一気読み!」とありましたが、読み始めて、まさにその気持ちが分かりました。

まず1冊目は、勤め先の店でイチバン在庫の多かった(イチバン配本数が多かった)双葉社。ふむふむ、と読み出したのですが、終盤に近づいて「ああ!読み終わってしまう!」と思ってしまった時にはもうカンペキ、4冊とも初版でゲットしておきたい気持ちになってしまいました。読み始める時は全て自店で買うつもりだったので、追加注文した分が入荷してからでいいや、と思っていたのですが、そんな時間待ってられない気持ちにさせられました。しかも追加だと、2刷になってしまっているかもしれません!!それはイヤ!
と、もうなりふり構わず、休日、スッピンのまま電車に乗って大手書店に行き、他3冊を買ってくるほどにハマってしまいました。私は謎解きにハマるタチではあまりないので、ともかくもこの「神尾一馬」というキャラクターにハマったのですね。よく年配のおばちゃま達が「光彦さんの新作、出た?」と言ってあのシリーズを買いに来ているその気持ちがよく分かるようになりました。
私も「一馬ぼっちゃま」の活躍がもっと見たいです。楽しみです。お店でも、店長が何を言ってこようが平積みし続けようと心に決めました。ええ、もう決めましたとも!!「年末・年始のお供にいかがですか?」と大プッシュです。

あ。ここでこれから読み始める方に一つオススメを。
このシリーズ、少なくともこの最初の4冊は、順番があるようです。各巻の解説で、その順番がハッキリと明かされています。

①『横浜鎮魂曲殺人旅情』(幻冬舎)
②『京都 風の奏葬』(講談社)
③『入谷・鬼子母神殺人情景』(光文社)・・・「鬼」の字、本当は点抜きの字です(実物参照)
④『加賀埋蔵金伝説殺人秋景』(双葉社)

私は気付かずに4番目から読んでしまいましたが、まぁ問題なく読めることは読めるのです。どこから読んでもすんなり入れる「旅情ミステリー」ですし。ただ、せっかくなら順番どおりに・・・と思うコレクターはいるハズ!かく言う私はちょっと悔しい思いをしました。最初に読んだ④で気付いて、他3冊は順番どおりによむことができましたが。今後続編が出たときは、出版社にこだわらず、シリーズの順番で本屋の棚に並べておこうかと考えています。背表紙がばらばらで気になりそうではありますが。
こういったジャンルの作品で順番があるって、めずらしいんじゃないでしょうか。木谷恭介の「宮之原警部シリーズ」は、どうやらうっすら時間の経過があるみたいですけど・・・。(一度、本文で触れられる時間説明をもとに、シリーズの各作品を時間軸通りに並べてみようとして挫折した思い出があります)

ともかくも、これはまさに新たな「定番」の登場な気がしてます。(贔屓目ではなく。本屋の目で見て、そう思います)
今からもうすでにドラマ化が楽しみです。(これはファンとしての楽しみ。一馬ぼっちゃま役を誰がやるのか、わくわく)
早く次回作が読みたいです~~~!!・・・先生、お待ちしてます!!!


オニの「23日が祝日」

2005年11月22日 | 書籍業界にて想う
各地の書店員さんが腰を痛めたり腕の筋を痛めたり付録の組みすぎで指がひりひりしたりしないように、23日が休みで水曜日だからって、重たい付録だらけの女性ファッション誌ももっと重たい『ゼクシィ』も付録を付けて積むと不安定になる『MYOJO』も『サンデー』『マガジン』も週刊テレビ雑誌も火曜日に出てる週刊百科もぜーんぶいっぺんに22日火曜日発売ッ!!!!!
・・・てのはナシにしませんか・・・

小説への思い入れの・・・浅さ

2005年11月17日 | 書籍業界にて想う
今年こそは!と、本屋大賞に投票してみようと思い、エントリーしてみました。
が。
「オススメ小説」・・・小説??
小説だけが対象なんですね、アレって。
エッセイとかノンフィクションは範囲外っぽいですね。
あら~・・・小説・・・オススメ・・・うーん。
あんまり思いつけない自分を発見。
てゆーか小説って、それぞれ好みとかその時の気分とかあるワケだし、「ずっと売っていきたい小説は?」とか聞かれても、ずっと売りたいような小説なんて出会えてないし読み捨てられてく小説ばっかりな気がするしだからこそブックオフがのさば・・・もとい、繁栄してらっしゃるワケだし。いやいや、だからこそこの「本屋大賞」でオススメを紹介するワケで。あ~もうノンフィクション系なら『いやげ物』とか『介助犬シンシア』とかいろいろ挙げられるんだけどなぁ。
・・・などと例によってぐるぐる考えてるうちにだんだんめんどくさくなってきました。

また今年も遠くから眺めてようかな・・・。

高梨耕一郎

2005年11月14日 | 書籍業界にて想う
我が書店の文庫売り場は、出版社別ではなく、著者別で本が並んでいます。
例えば赤川次郎なら、講談社文庫も光文社文庫も新潮文庫も、同じ「あ」の「赤川次郎」の所にまとまっているのです。

なので、新人作家さんがいっぺんに文庫同時発売、なんてことにはすぐ気付くことになります。だってそれまで一冊も無かったところに何冊も本を入れなくちゃならんから。その場所はもうただでさえ「高橋克彦」でキュウキュウだってのに、そこをなんとか詰めて詰めて、この「高梨耕一郎」の著作を入れました。

『神尾一馬の事件簿シリーズ』四社一斉文庫書き下ろしデビュー。だそうです。

旅情ミステリーだそうです。
講談社の『京都風の奏葬』、 光文社の『入谷・鬼子母神 殺人情景』、 双葉社の『加賀埋蔵金伝説殺人秋景』、 幻冬舎の『横浜鎮魂曲殺人旅情』の4点だそうです。
私は3点しか見たことないですけど。幻冬舎の文庫新刊なんてここ数ヶ月お目にかかってないですけど。どうせ配本、ありませんけど。
などと拗ねてもいられず、なんだかこのプッシュ具合にはちょっと心惹かれます。
面白いのでしょうか。売れそうなのでしょうか。
ウチではまだ、売行きに勢いは感じられませんが、雑誌とかの連載、好評だったのでしょうか。
ちょいと読んでみなければと、思ってはいます。思ってはいるんですよ。

12月のラインナップで

2005年11月08日 | 書籍業界にて想う
先月、11月の新刊ラインナップを見ている時に『模倣犯』の文庫が発売予定なのを発見し、「上下巻だったのが3巻に分かれて・・・」とココに書きました。
ところがびっくり。12月の文庫発売予定に『模倣犯』4巻・5巻が。
全5巻デスカ。

気の毒に。
文庫で読む方は、きっとすごくイイトコロで「以下、来月!」みたいな事態になるのですね。でも文庫で買ってしまった以上、書籍版を買うのもアレだしなぁ、みたいな。ふふ。

などとヒトを気の毒がって笑ってる場合でもないですね。
12月末に4・5巻が出るってコトは、1~3巻もそれまでしっかり在庫取っておかないといけないワケで、しかも時期は年末年始。弾薬を溜め込んでおかなきゃならない時期なワケで、どこか一つ巻数が抜けたらお客さんはきっと凄くヤキモキした思いで近所の本屋をめぐるハメになるワケで、これはなんだか責任重大。
お客様に「続きが気になるのにぃぃっ!!」なんて思いを新年早々させないよう、気合い入れて溜め込んでおこうと思います。

すさまじい売行き

2005年10月28日 | 書籍業界にて想う
神尾葉子『花より男子』(集英社)が物凄い勢いで売れてます。
ドラマ化。特に松本潤パワーなのでしょう。
ジャニーズファンであり、かつて『花より男子』にリアルタイムでハマっていて、いまや金を溜め込んでいる社会人となったオネーサマ達が、ごそっと買って行きます。
古本屋では見つからないのでしょうか。
それとも、古本だとか新品だとか関係なく、「もう今すぐ欲しい」という精神状態なのでしょうか。
把握しているだけでも3人、一日に10冊ほどずつ買って行ってくださってます。
36巻も続いている作品のまとめ買い。
『NANA』『ハチミツとクローバー』なんてメじゃありません。
補充しても補充しても気付くと棚がすかすかになってる現象は、嬉しいんですけどなんか超常現象に出くわしてるような畏怖感に襲われます。
とはいえ、13巻までしか無い『NANA』ですら10冊ずつの在庫が精一杯の当店。36巻×3冊ずつしかストックしてないので、ま、週明けには品切れさせちゃいますね。あーあ。

・・・グチでした

今月のサンデーコミックス

2005年10月18日 | 書籍業界にて想う

出ました!椎名高志の『絶対可憐チルドレン』1・2巻同時発売!!
『GS美神』が大好きだったので、コレはもう、大期待の作品。
私はサンデーで読んでましたが、雑誌を買っていない方々にはコミックス化して初めてお手元に届くワケで、もう!買って買って!!というカンジで店のレジで一人、そっと盛り上がっていたワケでありますが、・・・・・・出足、ちょっと不調であります。
でもきっと、そのうち存在が知られて売れ始めてくれるハズ。

思えば2作品程、パっとしない時期が続いてましたが、今作はばっちり!椎名高志の真骨頂!てなモンで、でもその割りには読みきりとか短期連載とか、連載までの道程が長くて、なんだかヤキモキしたものです。『焼きたてジャぱん』みたく、短期連載からそのまま連載決定!みたいな作品もあるとゆーのに、短期連載から連載開始までちょっとありましたし。
で、その試行錯誤な「プレ・チルドレン」(私の勝手な命名です)が、1巻目に収録されてるようです。で、2巻目が連載作品。・・・だと思います。
(ファンだとか言っておきながら、まだコミック、買ってません。一度読んでるしナ・・・)


ところで今回の『名探偵コナン』の表紙のネコ、すんごいかわいいです。
イイ表情・ステキなポーズ。
瞳に吸い込まれそうになり、あの交差された前足に目が釘付けになってしまいました。
た、たまらん・・・