たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

稲包山の紅葉を見たくて改めて行ってみたのだが…。

2013年10月14日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2013年10月12日(土)─S男さんと

三国スキー場跡駐車地(6:54)……三坂峠(7:58)……稲包山(8:50~9:10)……キワノ平ノ頭(10:25~10:32)……長倉山(11:17)……三国神社(11:38~12:20)……三国トンネル駐車地(12:43)

 三連休とはいっても、自由にできる日は土曜日しかない。後は仕事やら家庭事情がある。社山にでも行こうかと思ったが、考えてみれば、行楽日和の連休だ。渋滞にはまることは確実。行ったはいいが、いろは坂の下りでとろとろではたまらない。あっさりヤメにした。足尾から日光の山に行く案もあるが、どうも今のところ、そんな気にはなれない。どこに行くか。紅葉が見られるところ…。3年前に稲包山に行き、ガスの中で素晴らしい紅葉を垣間見たことを思い出した。土曜日は天気もいいのではないか。青空の中で改めて見て来ようか。前回よりも10日程早いが、そろそろ大丈夫だろう。
 稲包山には何度か足を向けたことがあるが、越後湯沢の方から入ったことはない。ただ、紅葉スポットはキワノ平ノ頭付近である。湯沢から入って、そこまで行って戻るのは何とも億劫の感がある。できたら三国峠まで通しで歩きたい。車がもう一台あればいい。自分の勝手な都合で恐縮ではあったが、S男さんにメールをした。彼も渋滞を嫌がっていたが、そちらでしたらと快諾をいただいた。三国トンネルの先で7時の待ち合わせ。S男さんは稲包山のことを知らないらしく、その後、コースとか、いろいろとネットで調べられたようだ。歩いたことのある自分よりも情報通になっていた。山ヒルの産地であることもご存じであった。

(ちょうちん岩)

(三国スキー場跡)


 月夜野で下り、17号をしばらく進む。民家が途切れた先に休憩所がある。そこでトイレに寄るつもりでいたが、どうも、S男さんもいるような気がしていた。すると、やはりいらした。車内でお食事中。トイレを済ませ、2台でトンネルに向かう。出口の駐車場にS男さんの車を置き、三国スキー場跡地へ。天気予報では、群馬は晴れだが、新潟はぱっとしない。一時的な傘マークもついている。やっぱり曇っている。苗場プリンスの脇の道に入る。脇道といっても国道353号線である。数キロで舗装が終わり、先はない。車は、終点に置いた。手前にちょうちん岩。後で調べて分かったことだが、353号線は桐生と柏崎を結び、中之条で一旦途切れ、ここから復活ということらしい。17号や50号に入るお邪魔虫的な国道のようだ。谷川岳周辺にこんな国道が他にもある。

(雨上がりで周囲もたっぷりと濡れている)

(唯一の渡渉。渡渉とは言えまい)


 予定よりも30分早い出発になってしまった。今のところ、我々以外のハイカーはいない。右にゲレンデ跡が見える。自然に戻りつつあるが、開発前のようにはなるまい。ちらほらとモミジ。今のところ、色づきはいい感じ。この先を期待してしまった。「稲包山登山道入口」の標識がある。そこに記された「4時間」に×をして、「2:30」と手書きされている。どういうつもりか知らないが、そこまで依怙地にならなくてもいいような気がするが。
 沢沿いをしばらく歩く。しっかり刈り払われている。所どころぬかるんでいるのは、昨夜から未明にかけて雨が降ったのだろう。小滝も見えている。晴れていれば、沢をバックになかなかいい感じの紅葉だ。ガスは薄い。晴れるのも時間の問題だろう。このコースは標識がしっかりして、迷うところはない。整備もされている。沢を渡る。水をかぶることもない。対岸に「丸木橋」の標識があった。そして、ヒモがグルグル巻きになった木が横になっていた。これがかつては橋の一部であったのだろう。

(このあたりで上の紅葉に期待をしてしまった)

(三坂峠の標識)


 トラロープが垂れ、一気に急登になる。といってもたかが知れている。階段も出てくる。S男さんは今日も快足だ。上りになると、息つぎも休憩もせずに長々と早足で歩いていられる。自分にはこういう芸当はできない。先日、日光の男体山に登った際、何十人かゴボウ抜きだったらしい。経験を積めば、かなりの存在だ。見上げると、青空で出てきて、紅葉もきれいになってきた。山肌はガスでしっくりとしないが色は付いている。
 展望が良くなって三坂峠。三坂の由来は何だろう。コースの合流でもない。実は、一人で来ていたら、ここから西方面にちょいとばかり歩いてみようと思っていた。いつか白砂山まで、といったとんでもないことを想定しているわけではない。ヤブの県境尾根ながらも、上ノ倉山、忠次郎山だのといった山名が存在すること自体が不思議であり、魅力を感じもするのである。あにねこさんを始め、ベテランの方々が残雪期に歩かれているようだが、やはりその時期でないとダメか。いずれ、みー猫さんあたりが佐武流山あたりまで遠征される記事を読むことになるかも知れない。ヤブ離れしつつあるのに、こんな覗いてみたい思いがあるのもおかしな話ではある。まあ、山歩きに関しては気まぐれでもあることだし。

(県境の尾根に乗る。先はガスっていて見えない)

(雲の隙間から見る斜面の紅葉はさほどのものではない)


 晴れても天気は不安定。太陽は隠れたり出たり。見頃と思える紅葉は…。気になるばかり。しかし、県境の尾根に出たら、まったくよろしくないではないか。色づいた葉をよく見ると、すでに枯れかかっていたり、新しい落ち葉になってもいたりもする。群馬側の山肌の紅葉は焼けている感じ。S男さんに、紅葉見頃と誘った手前、気まずい立場になりそうだ。何だか、紅葉もくすんだ感じになってしまった。当然、標高は高くなっている。終わり?別にS男さんの顔が険しくなってきているわけではないが、むしろ、「紅葉にならずにそのまま枯れて行く感じですね」と言われて、ある程度ほっとはする。

(この赤も、近づくと、こげ茶がかなり混じっている)

(小稲包山を振り返る)


 西稲包山に出て、小稲包山。アップダウンはしんどい。ガスで稲包山そのものが見えなくなっている。S男さんはさっさと行く。こちらは写真を無理に撮って休憩をまじえる。ロープが随所にある。瞬間、晴れると覗く紅葉斜面。しかし、絶品とは言い難い。

(稲包山山頂)

(はるか先の県境の稜線)


 稲包山に到着。ようやく天気も安定した気配がある。文化年間の石祠。さほど広くはない山頂。県境の尾根を追う。視界には白砂山が入っているのだろうが、地図を見比べても特定ができない。草津白根山だけはかろうじて分かる。反対側、平標山の方面はまったく見えない。紅葉はもうあきらめてしまった。早いか、遅いか、無しのいずれかだ。出だしからここまで2時間。S男さんの早足について来るとこうなる。一人だったら確かに「2:30」だ。「あっ気なかったですね。ついでに三国山にでも行きますか?」と誘う。「そうですね。神社から1時間だし、行きますか」。汗もかいていないS男さんはその気になった。

(三国峠方面に下る。鉄塔がやたらと出てくる)

(稲包山が遠ざかる)


 三国峠方面、ここからがきつかった。途中のポイントはキワノ平ノ頭と長倉山。一気に下って登るの繰り返し。ちょっとしんどい。キワノ平ノ頭に至っては、その間にピークが3つほどあって、その都度だまされた。下りに弱いS男さんだからと安心しきっていたのもよろしくなかった。むしろ、こういうところの歩きは得意らしい。鉄塔が入り乱れ、何とも無粋な光景が続く。稲包山がどんどん遠ざかる。

(快適そうに見えるがアップダウンが厳しい。淡い紅葉)

(これで見る限り、紅葉はこれからのようだが…)


 期待していたキワノ平ノ頭周辺の紅葉、この辺は遠目で見る限りは淡く、まだ早いようでもあるが、やはり、間近に見るとこげ茶に変色している。こういう半端な紅葉の時期に歩くと、判断もさっぱりつかない。当然、光の加減も影響する。また、ガスが出てきたのである。不思議な陽気だ。風が止まると、むっとするほどの暑さが固まっている。風が吹くと、寒いくらいになる。

(キワノ平ノ頭がようやく見えてくる)

(キワノ平ノ頭)


 S男さんの動きが急に止まって「ひゃっ!」と叫んだ。何かと思ったら、小さなヘビ。大の苦手とのことだ。こちらはあまり感じない。ヘビは下山口でもう一度大きいのを見ることになる。その時もS男さんは固まった。続いて、ササヤブの中でドスドスと音が聞こえ、バタバタとワシかタカの類が飛び立っていった。地鳴りのような音に、今度はこちらが固まってしまった。

(次は長倉山)


 キワノ平ノ頭を過ぎて長倉山に向かう。こちらも、その間に小ピークがある。三国山もはっきり見えてくる。長倉山に登ったことはない。以前、三国峠から入ろうとして、そのヤブ道に辟易してUターン。以降、長倉山を迂回する巡視路を歩いている。今日もそのつもりでいたが、長倉山に続く鞍部からの道はすっかりとヤブが刈られていた。ただ、山頂までの急さは、今日のコースの中では一番のものであった。

(この辺から見た2010年10月22日の紅葉)

(そして本日の具合)


 トンネル出口の駐車場を下にポツンと見て、長倉山に到着。通りすがりのピーク。三国山もまた紅葉にはなっていない。ここまで、結構きつかった。1時間とはいえ、三国山に行くのはやめにしましょうというのが暗黙の了解になってしまった。
 上からポツリ。続きはないが雨が降ってきそうだ。先を急ぐ。三国山を団体さんが登って行く。そして、下って来るグループもいる。平標山だとしたら、ここから歩く人もいるんだなと感心する。かつて歩いたことはあるが、大源太山を経由し、意外にきついコースであった。三国山までは階段の連続だった。

(三国山にも色はない)

(三国権現)

(神社の裏は仏さん。帽子やヨダレかけを付けてやる気持ちが分からないでもないが…)


 三国権現ではお2人休んでいた。今日、初めて出会うハイカー。裏に回ると地蔵と不動明王。ここで昼食にする。S男さんはカップラーメンを持参されていたが、自分の持ってきた棒ラーメンは2束入りだったため、無理強いして1つ食べていただいた。モチ入り。ラーメンの具を入れてしまったためか、味はいまいち。ここにしばらくいると、結構、ハイカーが行き交う。三国山に行く方、下りる方、そして、自然歩道を探索するハイカー。

(遊歩道を下る。3年と10日前、ここは錦秋であった)

(トンネル出口の駐車地に到着)



 歩道を下る。3年前、この辺も紅葉がきれいだった。今はチラっと見えるだけ。やはり、まだ早いのだろうか…。10日も早いとこうも違うものなのか。文久の石仏をみて駐車場。朝、S男さんの車しかなかったのが、今は10台以上ある。また、雨がポツリと落ちてきた。S男さんの車で三国スキー場跡地に向かう。
 三国スキー場跡地には地元ナンバーの車が1台。脇で単独氏が食事中。話を聞くと、途中まで行ったが、天気がよくないので引き返して来たとのこと。やはりなあ。着替えをして帰路に着く。微妙な紅葉見物で終わってしまったのは残念だが、通しで歩くことができて、満足ではある。他の山でも、S男さん相手に車デポの手は使えそうだ。当面は拒否されることはないだろう。それにしても、雨こそあたらなかったが、ころころ変わる空模様にはまいってしまった。三国トンネルを抜けるまで、時たま小雨が降り出していた。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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18 コメント

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比較 (K女)
2013-10-14 14:05:02
葉は枯れているのか、これからか、分からない様子ですね、夏日になったりと異常気象だから、木もおかしくなりますよね。今年の紅葉は早いとか言われているから、ジャストの時期かと思っていました。
3年前のリベンジが消化不良で終わった感じですね。
雲の移り変わりの分かる山行、見る方にとっては、それも良い画像ですよ。
S男さんの進歩は素晴らしいです、お勉強もしているし、ブログの作成も始まるのかな?
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稲包山 (ハイトス)
2013-10-14 17:45:19
ぱっとしないと嘆く割には結構綺麗な紅葉じゃなぁないですか・・と突っ込みを入れようかと思ったら2010年のものでしたか。ありゃぁ。
こればかりはしょうが無いですね。
昨日日光の戦場ヶ原を通りましたがもうすっかりと金色の景色に変わっていくところでしたよ。
毎年変わらずにそこそこというのは涸沢位でしょうかね。
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稲包山 (HIDEJI)
2013-10-14 17:53:05
稲包山は、以前、ハイトスさんがヒルが多く出没するとおっしゃっていた山ですね。
なかなか足が向かない山域ですが、今年の紅葉はあまり期待できないのでしょうか。
土曜日の秩父は暑かったですが、写真を拝見している限りでは新潟の山中もそれほど涼しそうではありませんね。
ですが、暑さが続くとヒルも活動しているのでしょうか。。。
余計に足が遠くなります。(^_^;)
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K女さん (たそがれオヤジ)
2013-10-14 18:17:33
K女さん、こんにちは。
私、紅葉に関しては、ただ「きれいだ」程度の感覚の持ち合わせしかありません。したがって、早いのか遅いのかと問われると、無言でしかありません。いつだったか、どこかの山に行き「もう終わり」だと思っていたら、その数日後に登られた方のブログを見ると、素晴らしい紅葉になっておりました。こんな体たらくなのですよ。
雲の移り変わりですか。登っている方にとっては気をもみますよ。いつ雨になってもおかしくないような天気でしたからね。
ついでにS男さんの場合、「進歩」ではありませんね。お若い頃、東北の山をかなり歩いていたみたいですよ。元に戻ったといったところです。私の口から申すのもなんですが、本当に、タフな方です。三国山に行かなかったのも、私への遠慮かと思っております。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2013-10-14 18:30:13
ハイトスさん、こんにちは。
そうですね。こればかりはしょうがないのですよね。うわさを信じて行けばだまされるし、下から上の様子もわかりませんしね。下できれいなら上もというわけでもない。
今日だったか昨日の上毛新聞に出ていましたね。赤城の覚満淵の草紅葉。戦場ヶ原と同じくらいの標高なのですかね。山の紅葉よりも、草紅葉の方が見ごろは確実なのでしょうか。
涸沢の紅葉ですか。現物は見たことはないですが、写真でよく見かけますね。やはり、カール状の地形のところは見ごたえもあるでしょうね。ハイトスさんが行かれた千畳敷なんかもそうじゃないですか。
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HIDEJIさん (たそがれオヤジ)
2013-10-14 18:40:36
HIDEJIさん、こんにちは。
山ヒルの件ですが、あれは、群馬から入るコース(四万温泉とか、赤沢スキー場、ムタコ沢から)に出没するようで、今回のような、湯沢側や県境尾根にはいないと思いますよ。歩いているだけで靴の中に入るとか。気色悪いですね。
この時期、「涼しい」と言うよりも「寒い」という言葉が適切なのですが、「涼しい」が見合ったおかしな暑さが続いていますね。確かに、新潟とはいえ、涼しくはありませんでした。ひんやりもしていませんでした。
こういった、朝晩の冷え込みがないから、紅葉も半端なものになっているのでしょうね。そう解釈しておりますです。
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Unknown (ぶなじろう)
2013-10-14 19:54:01
今晩は。
紅葉のアタリ、ハズレは極端ですよ。
毎年、いい紅葉になるとも限らず。上がダメなので、もう終わりかと思ったら、1週間後には下で見事な紅葉になったり。
などと、シッタカをこいてしまいましたが、今回は残念でした。
だけど、前週の黒姫山なんかは、いい感じに思いましたが・・・。
意外と、地元足尾あたりの紅葉が良かったりして、ムフフフ・・・・。

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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2013-10-14 21:24:21
ぶなじろうさん、こんばんは。
紅葉もさることながら、ツツジも同じですよ。あたりをつけて行ってみると、大外れ、それも、盛りと前後しているパターンが多いですからね。
足尾の山にそろそろ戻る頃かなと思っている昨今です。いろんな山を歩いても、やはり、ホームグラウンドの山に対する思いは違いますからね。別に、極めてやろうといった感覚でもないのですが、落ち着いて歩けるというか。
沢の水も、この陽気で、まだぬるい錯覚があります。仁田元沢の遡行、前回は強引に水をかぶって歩いてみましたが、巻いていけるのではとも思っております。
近いうちに、県境まで歩いてみますよ。実は、紅葉も期待しているのですよ。
酔いにまかせ、こうやって、ぶなじろうさんに大見得の返信を記した以上は、行くしかないということですよ。
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遠征はいつになるやらですが (みー猫)
2013-10-14 22:07:01
こんばんわ。
紅葉もベストにどうしても行きたいのですが自分の場合思いつきが多いので・・・外すこと多いです(笑)・・・ネット情報に頼るしかないですが所詮週一ですから難しいですよね。それはそうと以前の八海山も素晴らしそうな断片を見せていただいて自分の場合、逆に行きにくくなっちゃってますよ。まず足尾の紅葉は、是非ともベストタイミングをお願いします。いろは坂の紅葉下がり具合で計るのはいかがでしょうかね。
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難しいですネ (瀑泉)
2013-10-14 22:43:11
なるほど,紅葉狩りは,稲包山でしたか。
確かに,紅葉の当たり外れは難しいですよネ。
栃木・群馬に関しては,昨年・一昨年と一週間遅れだったのが,今年は例年並みということで,那須(姥ヶ平)や自分が行った草津白根山は確かに早かった印象でしたが,今日,歩いた浅間は明らかに未だの状況でした。
先週の気温の高さで,植物まで調子を崩してしまったような印象ですヨ。
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