標高が上がるにつれ、車外の気温は面白いように下がっていく。
時々窓の隙間から手指を出し、当たる風の変化を確かめていた。
日常との気温差が10度以上もある曽爾高原。
気温差もさることながら、緑と青と白が造りだす涼風景は、一瞬にして心にも爽風を吹き込んだ。
なんなの、これは!
ただただ驚嘆し、次の言葉が紡げなかった。
遥かまで動かぬ密な緑は、段ボールに乗って滑走できそうなくらい平らかな芝生かと見まがう。
間近で見ると、明らかに全てがススキなんだけど。
突然、地面から風がわきあがった。
きれいに生えそろったススキ葉は、緑の濃淡を見せながら、風の道筋をドミノ倒しのように駆け上がる。
やがて緑の風の帯は高みに上りつめ、空と交わり色を失う。
ススキは風の足取りに従順で、容易くサワサワとなびく。
尾根まで続く階段構成の緩いスロープでは、私の歩みに合わせ遅々と姿を変える絶景を心ゆくまで堪能した。
この偉大な自然のなかでは、米粒ほどにも満たない日常など取るに足らないものに思える。
尾根伝いの道は、石がコロコロ。
この辺りまでくると、眼下の人影はスイカの種より小粒かも。
やがて大石がゴロゴロし始め、大きな段差ではチョット気合を入れ、足場を定めて上る。
無料区間はここまで。
この先は私有地で、入山料が要る。
眺めやるに険しそうだし、これだけ満喫できれば十分とユーターンした。
あれぇ~。
遠景にばかり見とれて、これっぽっちも気づかなかった。
あちこちで、こんなに可憐な花々がひっそりと囁きかけていたのを。。。
今日もこちらは蒸し暑くてたまらないので、
アップされた記事を見て、一服の清涼剤を頂いた気分。
あ~、私も涼しいところに行きたいわ。
ススキの穂が陽射しを浴び、金銀色に輝く秋の曽爾高原が有名ですね。
しかし、人混みを避けるためには今でしょう、という訳でチョッピリ遠出を決行。
緑色に染まりそうなくらい満喫しました。
現実に戻ると地獄、京都の暑さはホンマ堪りません。
わずかながらでも、涼を感じていただけたようで幸いです。