ニューレオマワールドから塩江町へむかう。
柏原渓谷を見たいがために選んだ山越えルートは道幅がせまく、対向車が来れば厄介な道だった。
写真の渓谷に惹かれたのだが、過度の期待はもろくも崩れ去る。
16時をまわると、不気味な空気までもただよい始めた。
冬の山には、寂しさと悲しみが眠っているようだ。
それらを覆いつくす雪が降り出すのは間近かもしれない。
積雪を見越して、宿も3月中旬頃まで休館らしいから。
雪が降るんだね~そうとは知らずに、運よく出あえた「奥塩江ぽかぽか温泉」。
昨年3月にグランドオープンし、とても綺麗で気持ちがいい。
日帰り温泉も楽しめ、宿泊もできる。
冬の真っ只中、気分までぽかぽか温かくなっちゃう名前よね。
格安なので、部屋に茶菓子がなかったり、布団を自分達で敷くのはしかたない。
料理もそれなりだろうと思っていたら。。。
想像以上の夕食に驚いてしまった。
また美味しいときている。
揚げ物は牡蠣フライ。
デザートまでしっかりと完食だ~(^o^)丿
香川県の好印象度がますますアップ☆☆☆
みな疲れていたらしくグッスリと・・・。
・・・・・・
・・・・・・
突然けたたましい目覚まし音!!
だれ~?~音量が大きすぎるよ~早く止めて~。
いち早く反応したのは夫だった。
何やら喋っている・・・?・・・のかな。
・・・・・・。
「フロントからや~朝食の準備ができたって。」
えっ!?
今のは、目覚ましじゃなくてモーニングコールだったの?
朝食は7時予約で・・・いま7時過ぎってことは・・・うゎ~寝坊しちゃったよ~。
それも全員が~なんてことなの。
飛び起きて、レストランへ急げ~~!
世話の焼ける客で、ごめんなさい & ありがとう m(__)m
てんやわんやの始まりとなった。
9時前にチェックアウト。
精算時に入力したカードの暗証番号がはじかれてしまった。
あれこれ3回試みたが、どれもエラー。
サインに切り替えを願った。
快く変更を聞き入れて作業中のスタッフに、またもや一言。
思い当たる節があって、再び番号入力に戻してもらう。
二転三転と勝手な私。
で、真剣勝負の4桁入力は・・・やっと正解。
面倒なのに、終始ほがらかに対応してくださった。
香川県民はおおらかで人間が大きいねぇ。
ますます香川県が好きになる。
手間のかかる客で、2度めのごめんなさい & ありがとう m(__)m
駐車場には車の雪像がいくつもできあがっていた。
よほど冷え込んだとみえる。
分厚い霜の層にすっぽり包まれて愉快な眺めだ。
閉館まぎわのこの日、雪にならなくて良かった~。
ぽかぽか温泉からほど近い、ふじかわ牧場で初体験。
旅の計画中に3人が飛びついた情報は、モッツァレラチーズ作り。
朝一番の予約をとっていた。
食すものの、製造過程は無知ゆえに興味津津。
弾力があって、餅みたいに伸びる。
モッツァレラチーズの原料であるカードが配られた。
カードを作るには長時間を要するため、予め準備された物を使用する。
グミを軟らかくしたボソボソって感じ。
2本のスプーンで細かく砕いたところへ、食塩湯(80℃)を注ぐ。
スプーンの山同士でこねたり、伸ばしたりをくり返すと軟らかく滑らかさが増す。
伸ばして~のポーズで、ハイ~モッツァレラ
完成品はプリン容器に一杯分ほど。
ひとくちだけ試食のつもりが、食べ始めたら止まらない。
作り立ての美味しいこと。
けっきょく持ち帰りように持参した保冷バックは出番がなかった。
モッツァレラを伸ばして折りたたむ、をくり返すと「さけるチーズ」になる。
これも知らなかった~ひとつ学習だ。
だるまストーブでぽかぽか体験場から、冷え冷えの不動滝へ。
滝といえば山中へ分け入るものと思いがち。
ところが、浮動滝は道筋からすでにそれと分かった。
駐車場からも、ほんのわずかな距離だ。
せめてもと、岩場を滝つぼ近くまで下りてみた。
安定した岩面に身体をあずけて、純白の流れを被写体にする。
氷がなくとも水割りが作れるほどの極冷水。
冬の滝は凛乎とし、我が心もひきしまる。
このあとは北上し、楽しみのランチ。
事前情報から、予約必須の人気店「こいし」を目指す。
少々早く着き、まだ準備中だった。
満席の可能性を考え、駐車場から電話を入れると、席は確保できるとのこと。
通話が切れるや否や、開店時間を待たずして中へ入れてくれた。
その温かい対応がとても嬉しい。
あと数分遅ければ、入店は叶わなかった。
予約でほぼ満席のため、飛び込み客は私たちの他に3人のみ。
ラッキーとしか言いようがない。
幾つかあるコース料理のうちの一つ、おまかせコースだったように記憶する。
人気のほどが頷ける料理の数々。
上品かつ洗練された味が、次から次へと。
デジカメの調子がいまいちで、携帯電話のカメラに切り替えようとして気付いた。
バッグの中に携帯電話がない!?
落としたのか、置忘れか、かいもく見当がつかない。
食事を中断して、車内を隈なく捜したが見つからなかった。
どないしよぉ~~!!パニックにおちいる。
それゆえ、画像はじつに乏しい。
残念無念。
席に戻り、料理を目前にすると、まずは食べなきゃって妙に落ち着けた。
停止の手続きをせなあかんかなぁ・・・とか、オートロック設定しててよかったぁ。
などと、いやに冷静な私がいる。
美味しい物には目がない、食いしん坊が証明されたようなものだ。
一段落つき、娘が私の携帯番号を呼び出している。
ひと気のない所にあったら・・・、滝つぼに沈んでいたら・・・。
マイナスの仮定条件ばかりが浮かぶ。
突然、娘が話し出した。
えっ、誰かに拾われていたんだ~目の前が明るくなる。
よくよく聞けば、相手は ぽかぽか温泉のスタッフだと言う。
部屋に忘れていたらしい。
そういえば、朝から見てなかったかなぁ。
寝坊さわぎで慌てたのが事の始まりだ。
枕の横に置いて寝たのが、いつの間にか枕の下敷きになっていた。
この時点で携帯電話の存在すらすっかり忘れていた私。
うっかりにも程がある。
宿へユーターンする羽目になってしまった。
その往復で1時間40分のロス。
もっと早く気付けばよかったと、気落ちする私。
気付いたのが今で良かったやん、「こいし」で食事できたんやから。
早くに引返してたら、満席やったはずやし。
などと、2人して気遣ってくれる。
本当は、忘れないのが一番いいに決まってるのにね。
再びのフロントで、受け取った携帯電話を握りしめる。
間抜けな客で、3度めのごめんなさい & ありがとう m(__)m
大変お世話になりました。
さぁて、気を取り直して我家を目指そう。
もう、忘れ物はないかな。
瀬戸内の夕日に別れを告げた。