まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

分かち合うということ

2009-05-25 14:28:16 | イベント
5月23日(土)。

うちの子の通っているキューナ幼稚園の園長先生は、もう一つコイノニアという幼稚園と小学校を経営しています。

このコイノニア・スクールは、小さな川を隔ててキバガレというスラムの裏にあります。学校に通ってくる子供達は、みなこのスラムに住んでいます。園長先生夫妻は、幼稚園の設立前から、もう長年子供達だけではなく、大人たちとも関わってきました。

学費は、わずかですが、毎月親に納めさせています。スラムには、学校に行かない子供達もたくさんいるのですが、本当にわずかな額でも、お金を払うということは、親も自覚が出てとてもいいのです。詳細については、興味がある方は、「赤道の国で私がみつけたもの」という本を園長先生が書いてらっしゃいますから、インターネットで探してみてください。

さて、土曜日は、僕も一肌脱いで、キューナ幼稚園で開催される、コイノニア・バザーでお手伝いして来ました。コイノニア・スクールでは、親からはわずかしか徴収できないけれど、子供達のために、大学卒の先生達を雇っているのです。とてもお金がかかりますね。そのため、バザーはとても大切な、学校運営資金の収入源なのです。朝7時半に集合して準備をし、たくさんのお店を呼んで、9時から夕方5時まで、テントの中で商売してもらいました。子供達には、粘土やエアーマットで出来たお城など、遊ぶコーナーを設けてありました。フードコーナーでは、こちらはナイロビ在住の日本人、ソマリアから来た人達、そしてキューナ教会の人達が手作りの食べ物を売っていました。

僕は地道にゲートで50シリング(約80円)を集め、パンフレットを渡していました。一緒に働いていた人達は、キューナ教会に来ている若者達です。彼らの多くはキバガレ・スラムに住んでいるようです。そうでなくても、あまり裕福な家庭の出身ではありません。もうかれこれ数ヶ月毎週ギターで賛美歌の伴奏をしているのですが、スラムから来る人達の中には、なかなか簡単に心を開いてくれない人が多くいます。外部から来る外国人、という枠で見られていて、中に入って行けない。

丸一日、炎天下の中で一緒に働いて(ほんとここだけ忘れられていてテントがなかったんです)、椅子も数がないので順番に座り、冗談を言いながら過ごしたら、ようやくその枠、壁というものが取り払われたような気がします。

あるお客さんに、「コイノニアって何?」と聞かれた時、一人が「ギリシャ語で愛、そして分かち合う、という意味です。」と答えていました。ギリシャ語では、愛と分かち合い、はイコールなんですね。僕達は、長い時間の仕事と、炎天下と、飲み物と椅子を分かち合いました。何だ、これって愛なんだ、ということが、妙に理解出来ました。

翌日の日曜日は、うち一人だけ、まだよそよそしかったですが、みんなと友人になれました。違いを超えて、同じ目線に立てるというのは、本当に素晴らしいことですね。