ただ、「くれ!」では罪。
『「物乞い動画」ネット生中継で逮捕…大道芸と何が違うのか?
「えっ、捕まるの?」と驚いた人もいるだろう。高松市で物乞い行為をした男が書類送検された事件だ。
香川県警に送検されたのは同市内に住む23歳の無職男。1月6日午後、高松駅前の広場で「このカップにお年玉を入れてください」と訴え、その様子をネットで“生中継”したため、軽犯罪法違反に問われた。同法の1条には「こじきをする、又はこじきをさせた者」を拘留または科料に処すると記されている。
「男は昨年から『くろくろ』というハンドルネームを使い、自宅からネット動画を通じて“お金をください”と訴え、自分の銀行口座を公表していたのです。警察は立件を視野に入れていたが、自宅から物乞いをするのが違法かどうかを慎重に検討していた。ところが街頭に出てネット物乞いをしたため職質をかけ、任意で取り調べをして送検を決めたのです。男は1円もカネをもらえなかったようです」(捜査事情通)
昔はガード下などで缶カラの前に正座し、「おめぐみを~」と頭を下げる人を見かけた。物乞い行為はなぜ処罰されるのか。元検事の落合洋司弁護士に聞いた。
「物乞いは明治時代から禁止されている行為です。社会の秩序を乱し、人に不快感を与えるというのがその理由。軽犯罪法の規定では1000~1万円未満の科料または1~30日未満の拘留が科されます。拘留場所は刑務所です。物乞い行為の定義は不特定多数の人に哀れみを乞い、生活のために必要な金品を受け取ること。“お金をめぐんでください”と他人の同情を誘う行為です」
街角には歌を歌ったり、大道芸をしてカネを求めるパフォーマーがけっこういる。彼らは処罰の対象にならないのか。
「彼らは哀れみを乞うていないし、パフォーマンスへの対価としてお金をもらうと解釈されるので軽犯罪法には抵触しません。往来などで托鉢をしているお坊さんは宗教活動への浄財を求めているとみなされます。カンパを求めるのと同じだからセーフです。今回送検された男性は初犯なら起訴猶予になると思います」』
※「働け!」だな。