玉川な日々

一日の疲れは玉川に流して・・・

日本人の育て方

2012-10-18 22:57:36 | 左様出尾蛇瑠
このごろの中学生は、ひとり、ひとり別々であって、相互に親しみを持ち合わない。また先生にも近づいてこない。

一人の生徒にたいして、他の生徒はみな、競争相手なのである。

このことはできる生徒たちの間でとくにはなはだしい。

一、二番を争っている場合には、相手が病気になれば喜ぶ。その母も喜ぶ。死ねばいいなどという。

その母もいう。こんなことは他人に聞かれると恥ずかしいことなのに、平気でいうのである。

夜こどもは、テレビも見ないで家で勉強する。母は別室でテレビを見ている。翌朝こどもが学校へ行こうとするとき、母は昨夜のテレビの筋を教える。こどもは学校へいって、さも自分でそれを見たかのように相手に話す。相手はつい、真にうけて、それならばというので、その夜は自分もテレビを見る。こどもはそのすきに自分だけ勉強する。こんなふうである。

生徒たちは、親しみのほうはまるで持たないが、集団のほうならば直ぐつくる。

五、六人集まっている前を女の先生が通ると、「先生ベッピンやな」「わしゃ好きや」などと口ぐちに放言する。

このごろの生徒たちが集まっていると、なんだか恐ろしくてぼくでも近よれない。

・・

これは1964年3月から7月にかけて産経新聞に23回連載された「片雲」の中の一文で、岡潔が友人の話として大阪の中学の先生の話を紹介しているところである。

いまどきのニュースを賑わす「いじめ」に比べると長閑で平和といえるかもしれないが、学校を修羅場にしているのは当時の親のさもしい根性であるのはわかる。

まだ若い子供の親で、我が子をどう育てたらいいか悩んでいる人が、もしいたとしたら、岡潔の「情緒の教育」を一読することをお勧めする。

岡潔の世界的な数学上の業績はもちろんのこと、晩年に情熱をかたむけ、「日本人とは何か」ということを深く追求し執筆、講演をしたことである。

東洋哲学、意識論、仏教、脳と意識、などから具体的に日本人はこうして育てろと指摘しているところで、概略を簡単にのべると

2~3歳まで : 衝動を抑えることを教える
4~7歳ごろ : 自他の区別ができるようになるので自我を抑えることをおしえる
8~9歳ごろ : 情操の育つときなので、清く、豊かな情操教育をする(ここで自我を抑えることが効果をあらわす。ピアノのような機械的な修練はまったく逆効果となることもある)
10~12歳 : 前頭葉が命令し記憶するという訓練をする

詳しくは、「情緒の教育」をお読みください。

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現在の義務教育はまったく脳の発育を阻害するような、側頭葉(記憶)偏重教育である。

歴史を知れば知るほど、すばらしい先輩がたくさんいて、日本人に生まれたことに感謝するようになるでしょう。








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