今宵の一枚はChick Corea&Gary BurtonのCrystal Silence。録音は1972年11月、レーベルはECM。このアルバムpianoとVibといういたってシンプルな組み合わせだが、実に音色豊かで多彩かつ繊細な素晴らしい演奏である。いかにもECMらしい繊細な録音で、とにかく録音が素晴らしい。こんな音を聴いているとSACDやCDはもちろん、ハイレゾなんぞ聴く気がしなくなる。明るくワイドレンジ、フワッと包み込むような音場が目の前に現れる。音楽に浸りきることができる、そんな感じである。
1972年と言えば、Chickが「Return to forever」をリリースした年でもあり、本アルバムタイトルも同一アルバムに収録された曲から取られている。おなじ奏者とは思えないほどpianoのタッチが違う。比較するとたいへんおもしろい。こちらの方がより純化したサウンドだろうか。Garyのvibもリリカルで、包み込むような、広がるようなサウンドに魅了される。pianoと拮抗し一歩も引けを取っていない。
録音はすでに書いたように素晴らしいの一言。音場が左右、上下一杯に広がり、奥行きも十分。これぞステレオ録音と喝采を送りたくなる。音の粒立ちも良く、非常にリアル。
personnel
Chick Corea(piano)
Gary Burton(vib)
side A
1.Señor Mouse
2.Arise, Her Eyes
3.I'm Your Pal
4.Desert Air
side B
1.Crystal Silence
2.Falling Grace
3.Feelings And Things
4.Children's Song
5.What Game Shall We Play Today