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(Image source:kore-eda.com/hebiichigo/)
久々に邦画で息抜きだわ・・・K-Movie観すぎ・・・
haru さんちでもお勧めの一品だった西川美和監督の『蛇イチゴ』。
これ、いつレンタルショップに行ってもレンタル中で、どーなってるんだと思ってこまめにチェックした甲斐あって、ようやく観ることに。
ストーリーは面白い。ある家族に焦点をあてた作品。キャスティングがなかなかいい。ふっと笑えてしまうのだけど、実は笑えないぐらいシリアスな課題がひしめきあっている。シニカルなウィットに富んだ会話がポンポンとびかう。映画館で観る映画かどうかは別だと思うけど、DVD鑑賞としては価値があるかも。
一家の大黒柱であった父親(平泉成)は、リストラによってその威厳を失墜。会社や組織に寄りかかって生きていると、放り出された時の情けなさは笑えない。
痴呆症の義父の介護に疲れ、つい知らないふりをして義父を死なせてしまった母親(大谷直子)。罪の意識の代償に得たものは開放感。家の中の息苦しさは、主婦にしかわからない。
口八丁でいい加減、勘当された長男(宮迫博之)は、仕事もせずに勝手気ままに詐欺まがいのことをやって食いつないでいる。長男のやっていることは犯罪なのに、そのいい加減さのおかげで、作品の中では犯罪として追求していない。
いつも正義感に燃えるクソまじめな小学校教師の長女(つみきみほ)。勘当された兄とは対照的で、いい子すぎて両親から理解されないことに苛立ちを覚えたりする。
どんなに幸せな家族でも何かに当てはまりそうなシチュエーションだ。子供が小さいうちは、「家族」というひとつの絆のようなチーム意識があるのだけど、子供が成長してしまうと、家族であっても、個々の人生なんだとつくづく思う 。作品に登場するこの家族のそれぞれには、お互いにウソがあって、絆なんて消えそうでいながら、完全に消えてなくなるわけではない。そんな細~い糸のようなものが見えていて、ちょっと考えてしまう・・・
さて、蛇イチゴ 。小さい頃、近所の土手でよく見かけた。実は赤いのに花は黄色いのだ。蛇が食べるのだと信じていたから、近くに蛇がいそうで怖かったので、とてもおいしそうな色だったのに、食べる勇気はなかったなぁ。
観ましたね。これ。
西川監督の映画を観ると
普通の生活の中に隠れている怖さを目の当たりにする感じがするんですよね。
自分の中に・・家族の中に・・どこにでも隠れている。あやふやな繋がり・・とか絆。
あんな創作書いている割にはそういう怖い部分に妙に惹かれる
西川監督やっぱり気になりますね。
日常に隠れている怖さとかあやふやさって、確かによく描かれていると思いました。
この作品、キライじゃないけど、日本人が好きな昔からのホームドラマの切り口を変えただけとも取れるかなぁ。
これまで誰も言えなかったことを、西川監督がシニカルに思い切って言ってみたという感じがする。個性あふれる俳優陣はよかったですね・・・
『ゆれる』もテーマがかぶっているところがあるような気がしますが、まだ観てみません。小説としては面白かったので、これもDVDかなぁ・・・