Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『マイキャプテン、キム・デチュル』(VCD)

2007-01-04 22:37:52 | J.J.Y. Filmography


(Image source: nkino)
正月早々から、舌を噛みそうなタイトル『マイ・キャプテン、キム・デチュル(마이 캡틴 김대출)』(2006年 監督:ソン・チャンス)、英題『My Captain, Mr. Underground』。この英題、つけるなら「Mr. Loan」 にすればいいのに(笑)・・・(*英語字幕)

この作品、昨年興行的には大コケした作品。ジェヨンssi いわく「少なくとも、私は今まで評壇と観客の両方から無視されたことは一度もなかった。ところがこの作品は、両方から徹底的に無視された映画」([2006/10/24 16:36 티켓링크])。記者試写会の反応が悪く、最初から暗雲たちこめていたとか。

役名キム・デチュルというのは、韓国語で「金貸し」という意味で、映画のプロモーションで記者達にこの映画の宣伝や資料のメールを送信すると、なんとスパムメールとして振り分けられてしまい(*注:
スパムメールはメール内容のキーワードで振り分ける)、記者の目にも留まらなかったのではないかという、笑えない笑い話もあるほど

さらに、当初、役名はキム・マンツルだったそうだけど、ジェヨンssi の前作『ウェディング・キャンペーン』のマンテクと似ているので、わざわざキム・デチュルに変えたのが、かえってアダになった?

ところで、この作品、制作費に窮していたのだろうか(笑) チョン・ジェヨンssi 演じるキム・デチュルの衣装は、主演だとういうのに、最初から最後まで同じ、1着きり・・・着た切りすずめというのも話題になったようだ。子供たちの方が衣装の数は多かった・・・(笑) 

興行成績が惨憺たる結果な割には裏話が多くて、笑った


で、肝心の内容だけど、笑えるコメディだと思って見たら、ヒューマンドラマだった。もちろんコミカルな部分もあるけど、テーマは意外に暗いというか、重たい・・・ ジェヨンssi いわく、これまで演じた中でもっとも重いキャラだったとか。

新羅時代の国宝級の金の仏像を掘り当てた盗掘師デチュル(チョン・ジェヨン)は、これを秘密の場所に隠しているところを少女ジミンに見つかってしまう。これは、特命だからと他言は無用と、自らを大将(キャプテン)と呼ばせ、ジミンを自分のアシスタントに任命する。後日、隠し場所に出向いたデチュルは、そこに仏像がないことを知る。ジミンがどこかへ持っていったに違いないと、ジミンの家に行く。ジミンは学校のロッカーに隠したとデチュルを案内するが、ロッカーからも消えている・・・ジミンと同じ学校に通う吸血鬼になりたがっている少年ビョンオが盗ったのだ。デチュルはなんとかしてビョンオが仏像を隠した場所を知ろうとする。デチュルは、ジミンとビョンオの家庭事情を知り、自分の人生と重ねて、親近感を抱くようになる。

  
 
自分のせいで父親が刑務所送りになった盗掘師デチュル、両親がいなくて祖父に育てられるジミン、父親を亡くし、血を吸えば死なないと信じる白血病の少年ビョンオ。この3人の共通点は、「家族愛の欠如」。三者三様だが、心の渇望は同じ。

見終わってみると、大コケに値するほどひどい作品ではない。ただ
、一体誰をターゲットにした作品だろうか? と疑問が湧いた。ストーリーとしては、どちらかというと映画というよりはTVドラマっぽい仕上がりだなぁと思ったら、ジェヨンssi も後日のインタビューでも同じようなことを言っていて、「子育て世代=TVドラマを見慣れた人にとって共感できる作品なのかもしれない」って・・・明らかに、映画を観に来る層にはウケそうもない。

子役と競演するのは初めてなので、子供の自然な演技を引き立てるように、自分の演技を抑えたというジェヨンssi 。実生活では7歳と3歳の男の子の父親だからか、扱いづらい子供と真剣に向き合って、なんとか仏像を取り戻そうとするデチュルの姿は、何ともほほえましいし、子役2人の天真爛漫さに癒される

個人的なジェヨンssi 贔屓を差し引いても、意味不明な演出もなく、テーマが重たいのに重たすぎない演出で、やたら涙がこぼれる情緒的な作品でないところがいいと思うのだけど、やっぱりストーリーのキメが粗くて、盗掘師という設定自体が強烈。そして、この作品の主役は誰なのかという点も、盗掘師なのか、子供なのか、子役も含めイイ役者が揃っているだけに焦点が絞りきれていなくてもったいないなぁという印象。

新羅の王の話を子供達に聞かせる場面で、話の中で王に扮装したジェヨンssi が出てくる。この人も作品に史劇がないけど、ヅラ(?)も衣装も似合っていて時代劇風なカレもなかなかいい感じ。史劇も演ればいいのに・・・

 



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