Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『ガタカ』 (DVD)

2008-05-20 15:42:59 | Cinema な時間


『ガタカ』

原題:GATTACA (アメリカ 1997 年)
監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ


実はひそかにジュード・ロウ祭りをひとりで開催。
むふふ・・・

友人の、そのまた知人から 「ジュード・ロウを見るならコレ」 とのお勧めにしたがって。近未来 SF モノなので、あまり好きではないジャンルだけど、なんとなく気になって見てみた。

出演者はイーサン・ホークにユマ・サーマンというので、ハリウッドブロックバスターだったのか思ったら、興行的には本国で厳しかったらしく、日本でも単館系での公開だったようで、ほとんど話題にもなっていなかったみたい。


遺伝子工学が進歩した近未来。人間は、劣勢遺伝子を排除し優れた知能と体力を持った「適正者」と、劣勢遺伝子を持ったまま生まれた「不適正者」というラベルで差別されていた。

劣勢遺伝子を持ったまま生まれた不適正者であるビンセント(イーサン・ホーク)は、適正者のみがなれる宇宙飛行士を夢見ているが、ID 代わりの DNA 情報が社会を支配しているため、DNA ブローカーから適正者であるジェローム・モロー(ジュード・ロウ)を紹介してもらい、その男になりすまして、宇宙開発企業ガタカに就職し宇宙を目指す。


いやいや、これがなかなか含蓄のある作品。科学技術の進歩と人間の尊厳という壮大なテーマが横たわっている。不適正者であることがいつバレてしまうかわからないドキドキサスペンスな部分はイーサン・ホークが、適正者の哀しみという感情的な部分はジュード・ロウが、それぞれ担当している。

ビンセント(イーサン・ホーク)は DNA 情報をごまかすのだから、日々の生活がタイヘン。社会がバイオ認証ですべて管理されている以上、血液はもちろん、髪の毛 1 本、まつげ 1 本、爪の一片たりとも落としたら、そこでバレてしまう。どこにどんな落とし穴があるかわからない。

しかし、「適正者」と「不適正者」(英語では 「valids」 と 「invalids」)という人間の分類は、人間の意志などはまったく無視されているわけで、夢も希望もないのだ。そして、優性遺伝子を持つ適正者は、優遇されていても必ずしも幸せというわけではないところがある意味救い・・・。

笑ったところは、ユマ・サーマンがビンセントの素性を疑い、彼の髪の毛を郵便局の窓口みたいな検査機関に持ち込むとすぐに結果が出るという場面があるのだが、そこには女たちが列をなしてお目当ての男性の体の一部を持ち込み、その男性の将来を確認しているところ。「上物だからつかまえておけ」 みたいなコメント付きの判定が出たり(笑)。付き合う前から、遺伝子を優劣を確認できるというわけ。

また最後が衝撃的。SF という世界を描いているが、アンドロイドが出てきたりしてキワモノで見せるのではなくて、徹底的なヒューマンドラマで良かった~

 



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