(Image source: amazon)
『2人の5つの分かれ路』(2004年)は、『8人の女たち』のフランソワ・オゾン監督の作品。原題は『5x2』。どこにも「分かれ路」をさす言葉はないので、邦題は思い切りネタばれタイトルだわっ。原題『5x2』 だと、これがどんな映画だかさっぱり分からないし、「5x2=10」じゃないかと、単細胞な私の頭はそんな陳腐な回答をだしてしまう。
この作品、男女の恋物語を、「離婚」から「出会い」まで時間を遡る。タイトルどおり、男女の分かれ路が5つ出てくるわけだ。ちょっと意地悪な言い方だけど、ストーリーは、「出会い」から「離婚」までを過去から順番に時間を追って見せるとすると、平凡な男女の話なのだ。単に時間軸をいじって、視点と流れを変えただけじゃないかとも取れる 。
ところが、時間軸をいじったおかげで、この男女の話のエンディングは、ロマンティックこの上ない終わり方なのである。当然、幸せにあふれた「出会い」がエンディングとなる。この男女の行く末はハッピーエンドじゃないのに、この2人は、こんなにも未来に幸せと希望を信じて出発したのかと。この終わり方がなんとも皮肉に思える。
男女が出会ってから共に人生を歩むようになる。歩みながら、いくつかの、いえ多くの岐路に立たされているのだけど、その時々の取捨選択で、人生は進む。もちろん大いなる迷いがあったりするわけだが、そんなことは時間と共に毎日の生活から忘れ去られてしまったりして、岐路であったことすら分からなかったりするものだ。
さて、自分に置き換えてみて「出会い」のあれこれを思い出したり、「岐路」はどこにあったのか振り返ると・・・
ああ、あの時そういえば・・・
○な選択 と、Xな選択 が、やたらくっきり見えてきたりして・・・
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