↑ソウル公演時のポスター
「足跡のなかで <발자국 안에서>」
脚本: コ・ヨノク(고연옥)
演出: キム・カンポ(김광보) - 劇団「青羽」(극단청우)
出演: イ・ホンジェ 、キム・エリ、チョン・ギュス 、 カン・スンミン、ユン・ヨンギル、
イ・スンチョル、ミン・サンオ、チュ・ジェオン
他ブロガーさん情報で知った、タイニイアリス@新宿で3日間(8/13~8/15)限定上演だった韓国演劇 「足跡のなかで」 を見てきました。
日本語字幕が付くなら、ちょっと見てみようかなぁと思い立ち・・・
小劇場タイニイアリスに行ってみると、地下劇場。文字通りのアングラ(=underground 地下)~って、ちょっと意味が違いますが。地下劇場とか地下ライブハウスって、実は苦手なのです。なんだかこう息苦しくなりそうで、ともかく外で思い切り空気を吸って中へ・・・(笑)。
観客は40~50人ぐらいでしょうか。こんな少ない観客数なのに、日本語字幕を付けてくれるなんて嬉しい限りでした。招聘した方々の熱意が伝わってきました。
演目は、社会派の作品、「考える」演劇でした。
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とある郊外の村。米屋の看板がかかった空き店に、アトリエを探す若い画家がやってくる。この空き店、実は迷宮入りした殺人事件が起きたので家賃が安いと不動産業者が説明する。画家は、むしろインスピレーションが湧き、絵に専念できると契約する。
画家がアトリエとして移り住むや、村の住民たちは米を買うために訪ねてくる。30余年間米屋だった所で、なぜ米を売らないのかと住民たちがわめくので、結局画家はアトリエの一角に米を置き、住民がセルフシステムで買えるようにする。
そして米袋に絵を描き、それが評判を呼び、個展を開くまでになり、やがて村の娘と結婚する。アトリエはいつの間にか米のみならず商品であふれるようになる…
もはや、画家は商店の店主となり、絵を描く空間も消えている...
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というような話でした~
看板の「米」がとても象徴的な存在なのですが・・・
キャストで名前を知っているのは、チョン・ギュスだけでしたが、知っている俳優さんがいるとちょっと嬉しくなります。
個人的には、歌ったり踊ったりという華やかな舞台より、思い切りストレート系の方が好きなので、好みの部類でしたが、字幕がなかったら寝ていたかもしれません。
セリフにも動きにも無駄がなく、俳優さんたちが自分達でセットを動かして空間を作る動きさえも、余計なものが一切なくて、シナリオと演技で勝負!!って感じでした。
こういう「考える」、ちょっと堅めの作品は、観客の関心を十分に引き寄せるだけの素材にリッチな加工が備わっていないと、なかなか伝わらないと思うので、ある意味とてもチャレンジングだなぁと。おそらく評価も二分するのではないでしょうかね~。
韓国演劇を見るのは、これが 2 作目。6 月にソウルで見た演目(「オム社長」)は、もちろん字幕なしというハンディもあるのですが、昔見た吉本新喜劇を髣髴させる、意味不明なドタバタの挿入と、唐突な人情系ハッピーエンディングに、やや撃沈(笑)気分でした。やはりいろいろと数をこなさいと 「愉しむ」 ところまで到達できないわ~と、思ったものでした。
もっとも、アタリもハズレもあって当たり前ですけどね~。
でもこういう作品こそ字幕付きで観られて良かったです。
推理モノやシリアスモノは字幕がないとつらいですよね。ドタバタコメディは何となくわかるんですけどね。
>頭を使うエンタメ
字幕をスキャンのように一瞬で読み取り、舞台に目を戻して、さらに考えて~とやたら忙しかったですね。ただ、「見たぞ」という充足感には包まれましたが(笑)。
>推理モノやシリアスモノは字幕がないとつらい
この作品のように、とくに動きも少なく、場面転換もミニマムで、セリフだけで展開していく作品は、字幕がないと、ほんとツライですね~。今回はラッキーでした。
そうそう、私も観劇したのは15日です。生ギュス、目の前だったのですが、もしかしてお隣にいらした??(笑)
私はさすがに段差のない1列目だときつそうなので、2列目に座りました。
またまたニアミスでしたね。
中央よりちょっと左手でしたが、同じ列でしたか~
ほんとに超ニアミスだわ~。