ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

不思議なお話 - Covent Gardenにて

2008-05-22 10:29:22 | うんちく・小ネタ

先日オンタリオ州ロンドン市の中心部にある食料品マーケットCovent Gardenで昼飯がてら、写真をバチバチ撮っていた時の事です。

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たまたま、Covent Garden内のデリでパンを買って、食べる前にちょこっと写真を撮ってみました。 別に特別なパンって訳じゃなく、中にソーセージとかチーズが入っている日本にもありそうな調理パンです。

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すると隣のテーブルで家族と食事をしていたご主人が『何でパンの写真なんか撮っているんだい?』と話しかけてきました。 確かにこんなの写真に撮るのって、変といえば変ですよね。

『実はこの街に4年半近く住んでいるんだけど、来月日本に帰るんで、思い出になる写真を撮っているんだ』
『どうして日本に帰るの?』 
『日本のHQ(本社)の指示だからね』
『日本に帰れて嬉しい?』
『カナダも、この街も大好きだから、正直ちょっとMissingだ』

そんな軽い会話をして、取りあえずはそれで終わったんです。

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しばらくして、このご主人がどこからか戻ってきました。 それで、ロンドン野郎に云うんです。 『これ、ちょっとした思い出に持って行って貰いたい』 本とメープル・シロップの小さな小瓶。

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この本、Avro Arrowの話って、カナダの飛行機好きだったらだれでも知っている話なのですが、1950年代にカナダが独自に開発した超音速戦闘機CF-105 Arrowの物語です。 試行錯誤の末1958年に初飛行したArrowは当時の米軍の新鋭機を上回る、驚くほどの高性能を示したのですが、結局米国側の軍事産業の圧力で僅か5機の試作機のみで計画が放棄されたと言われています。

Arrowは実機は残っておらず、僅かにモックアップが博物館などに展示されていますが、今でも時々テレビのドキュメンタリーなどの題材にもなり、カナダ人のちょっとした誇りでもあるんです。

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見ず知らずの人から、こんなことをしてもらって、なんかちょっと泣けてきました。 この国には素朴で善良な人が沢山います。 その時はお礼しか言えなかったけど、もしこのブログの写真を見たら、連絡してね。