ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

湖岸のリゾート② PORT STANLEY

2006-06-26 04:22:39 | グルメ情報

Dscf0006_2 先日紹介したGrand Bendはロンドンの北にあたるヒューロン湖岸のリゾートでしたが、今回はロンドンの南のエリー湖側のPort Stanley(ポート・スタンレー)を紹介します。 Grand Bendがどちらかというと、ちょっとアメリカのWest Coastの亜流っぽいキャピキャピした雰囲気がありDscf0005_2ましが、Port Stanleyはもう少し落ち着いた湖岸の 別荘地的な雰囲気の街です。 ロンドンからWellington St.を南に40分程St. Thomas(Jumbo君の像のある街)を通り過ぎて下った突き当たりにPort Stanleyはあります。 やはり流石Dscf0011は五大湖。 見渡す限りの大湖原。 対岸は何も見えません。 ビーチの砂浜の様子は海そのものです。 ちなみにナイアガラの滝は、エリー湖とオンタリオ湖の境にあります(ナイアガラのお話はまた後日)。

ビーチ付近の中心街と港は湖に面した低い土地にありますが、その周りは高台になっていて、別荘や一般の住宅Dscf0012_3 が湖を見下ろすような形で立ち並んでいます。 高台の見晴らしの良い場所には、高級住宅地もありますが、小さいながらも湖が見渡せるようなサンルームを備えた別荘風の家が集中している一角もあります。 夏場はとても気持ち良さそうですが、Dscf0072_1 冬場にはとんでもなく冷たい北風と吹雪にさらされる事請け合いです。 一度冬場に訪れたときには、普段たくさんのヨットやモーターボートが係留してある入江や港が完全に氷に閉ざされていました。 もちろん、そんなとDscf0077_1ころに大切な船を係留していたら氷に押しつぶされてしまうので、冬場は全部陸地に引き上げるようです。

街の中には、この入江から出てゆく船のために、跳ね橋があります。 小さいヨットでもマストは橋をくぐれないので、その都Dscf0079_1 度橋を上げています。 元々ある程度大きな貨物船が入る港町だった関係もあり、貨物や人をロンドンDscf0078他の地域へ輸送するための鉄道も19世紀の半ばから敷かれていました。 自動車輸送の発達で、鉄道輸送そのものは1950年代には幕を閉じたようですが、今でもPort StanleyからSt. Thomasの 間を昔の車両を使った観光列車が一日数回走っています。 この為にPort Stanleyの駅も現役です。

Dscf0154 Port Stanleyでもう一つ紹介したいのは、Shaw’sアイスクリーム・パーラー。 ロンドンからWellington St.を下り、Port Stanleyの街の手前10分くらいの左側に、Home of Shaw’s Ice Creamの看板が目に入ります。 工場の一角が、アイスクリーム・パーラーになっていて、夏場はいつも大勢の人で賑わっています。 この場所を発見したのは偶然だDscf0155ったのですが、Shaw’sのお店はロンドン  のWhite Oaks Mallなんかにも入っています。 店のシステムは単純で、31アイスクリームなんかと同じように、ガラスケースに入ったたくさんの種類の中から自分の好きなものを選んで、コーンに乗Dscf0150せてもらいます。 コーンも何種類かありますが、私のお勧めは一番大きなワッフルタイプのやつです。 好きな量のアイスをコーンに詰めてもらって、その場で重さを計り、隣のレジで会計します。 支払い中に片手に持ったアイスを床にポロッと落とす悲劇を防ぐために、レジの横にコーンをさす穴のあいた「アイス置き台」があります。 お客さんを見ていると、子供たちから、お年寄りまで千差万別。 みんな「ここに来たらこれを食べなきゃ」といった感じで嬉しそうにコーンに山盛り詰めてもらっています。 ちなみにアイスの味は意外にもサッパリ系。 絶対日本人の口にも合うと思いますよ。


WORTLEY VILLAGEの街(The Heart of Old South)

2006-06-19 11:48:36 | ロンドン街歩き①

Wrtly_087ロンドンのダウンタウンを南に下がった、東西をWharncliffe Rd.とWellington St.、南北をBaseline Rd.とテムズ川で囲まれた、Wortley Rd.を中心にした一角がWORTLEY VILLAGEと呼ばれる特別な地域だということを最近知りました。Wrtly_082 Villageといっても本当の村という訳ではなく、ロンドン市の中心の 一部なのですが、ここに住んでいる人も誇りを持ってWORTLEY VILLAGEと呼んでいるようです。 街のパンフレットにはTHE HEART OF OLD SOUTHとも書いてあります。

Wrtly_101からはなかなか気が付かない場所なので、私自身この存在を知ったのも本当にちょっとした偶然です。 と言っても、何かすごいモノがあるという訳ではなく、19世紀から続く歴史のある住宅街なのです。Wrtly_069 うっそうと茂った緑の街路樹や教会が点在する街並みに、少しファンシーな小さな商店街があり、夏場はレストランやカフェのテラスでのんびりしている人も見かけます。 基本的に高級住宅街なのですが、家々は殆ど100年以上の年代モノ。 高級住宅街といっても決して豪邸ばかりではなく、小さな家でもしっかり手入れがされています。 Wrtly_099  言葉で言うのはとっても難しいのですが、この街には何か「心が安らぐ」独特の雰囲気があるのです。 以前、「カナダで最も暮らしやすい街」の一つに選ばれたという話も耳にしました。

OLD SOUTHというのはロンドンの中心からWrtly_093見た南側に位置している旧市街の一部なのですが、おそらくロンドンのダウンタウンからはテムズ川が遮るような位置関係になっている事も、こういった特別な場所を作り出したのだと思います。 先日、日曜日の昼下がりにフラWrtly_084リと散歩をしてみました。 道路に面したとある小さな家では、若い女性が家の前に階段に腰掛け本を読んでいて、その前の芝生では二匹の大きながワンコロが一緒になってくつろいでいる、なんていうシーンも見かけました。Wrtly_002_1 それがとっても絵になっているのです。 こういう街で古い小さな家を 買って、何年も掛けて自分流にゆっくり手直ししながら、暮らしてゆくというのも 、カナダの一つの理想的な生活パターンかも知れません。 年限が決められている我々のような企業の駐在員ではなかなかそうは行かないのが残念です。 クリスマスの飾り付けが行われる12月頃がとっても楽しみです。


ロンドン航空ショー

2006-06-14 10:51:16 | ロンドン街歩き①

今回はちょっとマニアックな話題です。 興味の無い人には???かも知れません。

Dscf0043_3「ロンドン国際空港」でちょっとだけ紹介したロンドン航空ショー。 残念ながら今年は資金難で中止になってしまったようですが、北米でも結構名前の知れたメジャーな航空ショーでした。 会場のロンドン国際空港は元々空軍基地だった関係もあって、滑走路も長く、敷地も広いので、航空ショーの会場としてはうってつけです。 9.11事件の後、保険料Dscf0017が大きく跳ね上がってしまったそうで、特段のスポンサーのいない ローカルなショーの運営が困難になってしまったのは本当に残念です。 と、いう訳で昨年の様子をご紹介したいと思います。

Dscf0018 まず、何といってもショーの中心は、カナダ空軍。 主力戦闘機のCF-18 Hornetの展示 は当然の事、昨年はVIP専用のピッカピカに磨かれたCanadia Challengerも展示されていました。 日本の政府専用機がボーイング747なのを考えると、カナダのVIP専用機は何て質素な、とも思いDscf0020ますが、何しろ国土が広いので、首相がどこかの州をちょっと訪問するにも車や列車という訳にも行きません。 この程度の日常のアシ代わりの小型の機体がちょうど良いのかも知れません。 その他にもカナDscf0025ダ陸軍のCUH-1Nヘリコプターの展示もありました。 隣国のアメリカからは海兵隊のF-18E Super Hornetの参加。 CF-18とF-18Eではちょっと見同じように見えるものの、全くの別物。 特に並べてみるとその違いは歴然です。 年代モノの複葉機や軽飛行機の展示もありますが、変わったところではロンドン市の救急ヘリSikorsky S-76。 確かに市内のビDscf0026_1クトリア病院やWestern Ontario大学の大学病院ではヘリポートが完備されていて、たまに着陸する様子を見ることがあります。

全体として、どこかの航空機メーカーが何かを売り込もうDscf0012_1 といった様子も無く、ロンドン市民の憩いの場的な、何かほのぼのした航空ショーです。 見ている人たちも、ピクニック気分です。 シャッターチャンスを狙って、目を吊り上げて殺気立っているマニアの姿もあまり見かけません。 別にそんな事をしなくても、撮影スペースはどこにも十分Dscf0031 あります。 退役軍人らしき爺さんたちが、空港の脇にある空軍協会のクラブハウスでのんびり古本なんか売っていました。 古そうな建物なので、結構歴史があるのだと思います。

Dscf0030そして、ショーのハイライトはカナダ空軍の誇るアクロバットチームのSnowbirdsの展示飛行。 機体は、CT-114 Tutorという1961年から使用を始めたかなり古い、ちょっとパッとしないジェット練習機です。 然し、一旦空に舞い上がると、これが大変な迫力。 先ず、チームの特徴はDscf0046 一度に飛ぶ機体の数が多い事。 基本的に11機のチームなのですが、この日は9機が飛行しました。 2機は予備なのかも知れません。 これだけの数の機体が一糸乱れずに飛行する事自体驚異的です。 いくつもの華麗な演技を披露した中で、真正面から衝突ギリギリのところですれ違う「ジャックナイフ」を見た瞬間は本当に鳥肌モノでした。

Dscf0033航空ショーそのものとは全く関係ありませんが、駐車場で意外なものを発見しました。 「SUZUKI RE5」。 この名前を知っている人はかなりのバイク好きです。 日本のスズキが1975年に発売した世界で唯一のロータリーエンジンDscf0006搭載の市販バイクです。 デザインはイタリアの名デザイナー、ジウジアーロ。 発売後2年にして生産中止になった為、 超希少価値。 世界でいったい何台残っているだろうというくらいのモノです。 これが何気なく、駐車場にポツンと停めてあったのです。

何はともあれ、来年こそはロンドンの市民航空ショーの復活を願うばかりです。


湖岸のリゾート① GRAND BEND

2006-06-12 12:17:18 | ロンドン周辺の街歩き

Dscf0112_1 オンタリオ州ロンドンは五大湖のエリー湖とヒューロン湖に挟まれた場所に位置します。 言うまでも無い事ですが、五大湖の大きさは半端ではありません。 対岸なんか全然見えないし、結構な波も出たりして、嵐で大型船が遭難、といった事件も過去に何度も起こっています。

オンタリオ州自体、北極圏に近いDscf0126ハドソン湾を除くと海には面していないのですが 、海岸線が永遠に続いているような錯覚さえ起こします。 ちなみに五大湖は今は運河で大西洋に繋がっていて、時間さえ掛ければ、一万三千トンくらいの外洋船が入ってくる事ができるそうです。 トロントの港でロシアの国旗を掲げた貨物船を見たことがあります。

0605_grndb_002 ロンドンの近辺でもエリー湖、ヒューロン湖に面したところに、リゾートが点在します。 今回はヒューロン湖側の一大リゾート地GRAND BENDを紹介したいと思います。 湖に向かって伸びているメインストリート沿いにはお土産屋さんやらレストラン、バーが続いています。 坂を下るような感じで、その向うに大海(湖)原が見えてきます。 このメイDscf0012ンストリートは海岸に突き当たるところでロータリーになっていて、車はそのままUターンできる構造です。 夏のシーズンにはこの通りをクルージング(車で)して、女の子を引っ掛けるというのも風物詩になっているという話を聞きました(勿論、私にはな~んの関係もありませんが)。

Dscf0131 メインストリートの裏は入江になっていて、ヨットや大型クルーザーが係留してあります。 入江の入口には小さな灯台が建っています。 その付近はちょっとしたお金持ちの別荘村にもなっています。 ビーチは砂浜が湘南海岸や九十九里のように延々と続いていています。 こうDscf0124_1いった街の雰囲気に浸ってビールでも飲んでいると、 何か西海岸のサンフランシスコに近いモントレーあたりのリゾートにいるような気分になってきます。 この近辺では何かの化石が沢山出るというウワサも耳にしましたが、これは未確認情報です。

Dscf0120 先日フラリと寄ってみたら、湖岸沿いのパーキングに希少車「デロリアン」の集団が集まっているのを見つけました。 あの映画「バックトゥーザフューチャー」でタイムマシンになってしまうヤツです。 きっとオーナーズクラブかなんかの集会なんでしょう。 ここのビーチで一つ良いのは、Dscf0141塩水ではないので、やたら錆びたりしないこと。 貴重なデロリアンをビーチに並べておいても安心です。 尤も、冬になると融雪の為に塩を撒きまくるので、あまり関係ないかもしれませんね。

ビーチ沿いのカフェでゆっくりビールでも飲みながら、湖を眺めている至福の時。 一度くらい体験する価値はあると思いますよ。


セント・トーマスの街(ジャンボ・ジェットの由来)

2006-06-11 10:44:01 | うんちく・小ネタ

Stthms_022_1 オンタリオ州ロンドンの南方の隣町としてセント・トーマスという街があります。 ここは19世紀から20世紀の前半にかけて鉄道路線が集中し、鉄道の街としてとても栄えた歴史があります。 メインの路線が廃線となった今でも大規模Stthms_002_1 な駅舎跡や鉄道博物館、そして街の古いレンガ造りの建物の壁を利用した壁画などが往時をしのばせてくれます。

この街はずれに「それ」はありました。 何故この人口3万人程度の街に巨大な象の銅像が?と思い、車を停め、銘板を覗いて見ると「Jumbo」と書Stthms_065いてありました。ボーイング747のニックネーム「ジャンボ・ジェット」が、英国のロンドン動物園(カナダのロンドンじゃなくて)に昔いた巨大なアフリカ象にちなんでいる事は知っていましたが、それと何か関係が?

後日、半信半疑で調べてみたところ、何とその「Jumbo」君は、ロンドン動物園から大西洋を越えてアメリカのサーStthms_067_1カス興行王に売られ、有名な「地上最大のショー」として北米各地を巡業中にこのセント・トーマスの地に至り、1885年に鉄道の機関車と衝突して生涯を閉じたという、終焉の地だったのです。

像はこの故事の100周年を記念して建てられたとの事。 意外な出会いに、何とも言えない思いです。 ジャンボ君はセント・トーマスの街のシンボルです。