オンタリオ州ロンドン市のテムズ川 Thames River沿いに建つお城。 最近のブログでも少し紹介しましたがこの建物は、1793年に将来の英国領アッパーカナダ(オンタリオ州の事)の首都としてこの地が選定された後、1830年にMiddlesex郡裁判所及び郡庁舎として建設されたものです。 その意味でも、この辺りがロンドン市発祥の地とも言えるんです。 但し、実際にはここが首都になることはなく、フランスとの戦争に勝って英領になったケベックもまとめて統治しやすいオタワが首都になった経緯があります。
建物の形は、この地域に『Talbot入植地』を開いたThomas Talbot大佐の故郷の屋敷であるアイルランドの首都ダブリンに近いMalahide城を模したそうです。 確かに写真を見ると似ている部分があります⇒Malahide Castle。
なんかそういう話をするとマガイ物っぽいですが、よく考えて見れは1830年といえば日本では江戸時代。 江戸時代の建物が今に残れば完全に本物です。 下の写真は1897年の姿。 今と全然変わりませんよね。 日本だったら間違いなく重文級。 実際こちらでも、オンタリオ州の歴史遺産に指定されています。
裁判所や刑務所としてはもう使われていませんが、1980年に大修理が行われ、ロンドン市が属するMiddlesex郡の庁舎として現役です。
以前はこの建物及び古い刑務所の見学ができたらしいのですが、現在は現役のオフィスビルであるということと、もしかすると見学者が減って面倒くさくなったのか、残念ながら一般の見学はお断りになっています。
入口で職員のお姉さんに聞いたところ、ロビー周辺だったらOKとの許可をもらったので、また性懲りもなく写真をバチバチ撮りまくらせて頂きました。
この廊下の感じなんかは元裁判所っぽいですよね。
壁の至る所に、歴史的価値がありそうな、古い時代のロンドン市の地図や絵、写真、そして記念物が展示してあります。
ロビーの正面にあるこれ、何の紋章なんでしょう? アルファベットらしきもの書いてありますが、全然読めません。 フランス語?
これだけ歴史と伝統がいっぱいあるロンドン市で、ひとつだけ不満なのは、街の歴史を総合的に学べる博物館がどうもはっきりしないんです。 ロンドン市博物館もありますが、主体は現代美術の展示で、街の歴史の博物館としてはひどくPOORです。 そういった意味でも、この建物がもっともっと広く公開されると良いと思うんでけどね。