ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

蒸気船転覆 - オンタリオ州ロンドン市

2008-05-19 07:00:48 | ロンドン街歩き⑥

今では完全に水運の役割は無くなり、静かなたたずまいを見せるオンタリオ州ロンドン市を流れるテムズ川 Thames Riverですが、鉄道もまだ十分ではなかったその昔は、このダウンタウンの川岸からも蒸気船のフェリーが出ていた時代もありました。 そして、今から127年前の1881年5月24日にその事件は起きました。

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その日ビクトリア・デー(大英帝国のビクトリア女王の誕生日)のお祝いで、就航2年目の新鋭フェリーS.S. Victoriaには250名の定員をはるかに超える600名以上の乗客でごった返していました。 そこへ一隻の小さなボートが横を通り過ぎようとしたのです。 アッパーデッキに乗った多くの乗客がそのボートを見ようと左舷に移った瞬間にバランスを崩したS.S.Victoriaはあっという間に横倒しになってしまったのです。

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懸命の救助活動にもかかわらず、この沈没事故で200名を超える女性や子供を中心とした乗客が亡くなったそうです。 この事故はオンタリオ州ロンドン市にとっては、過去最大の災害であることは言うまでもなく、カナダの歴史の中でも重大事件の一つに数えられています。

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この船S.S. Victoriaの模型が川沿いのアイルランドのお城の形をしたMiddlesex郡の庁舎(元裁判所)に展示されています。 ロンドン野郎もそこでこの大事故のことを初めて知りました。