オンタリオ州ロンドン市内を縦横無尽流れるThames River。 何しろ流れがいくつにも分かれ、しかも曲がりくねっているので、どちらが上流か、下流か、未だに訳が分からないのですが、ロンドン市内の川は全部Thames Riverと言われています。 勿論、この名前の由来は本家大英帝国の首都を流れる川から来ていることは間違いありません。
Thames Riverに掛る橋はいくつもありますが、ダウンタウン中心のQueens Avenueの橋と、少し北のOxford Streetに掛る橋のちょうど中間の目立たない場所に、この小さな橋Blackfriar's Bridgeはあります。
1831年からの歴史ある橋らしいのですが、辞書で調べるとBlackfriarって黒マントを被ったドミニコ会修道士のことだそうです。 なんかこういう人たちが一団となってうつむき加減に冬のロンドンの街を早足で歩いてゆく姿をイメージすると少し怖い気がしますが、21世紀の現在は、Richmond Streetの西側とWharnchriffe Roadの間の住宅街を結ぶ静かな一角です。
先日この近辺の散歩道を探検して改めて気がついたのですが、この橋Blackfriar's Bridgeは骨組みは軽量鉄骨ながらも、橋板は全木製。 しかも3トンまでの重量制限はあるものの、自動車も普通にこの橋を渡るんです。
なにしろ最近、隣国アメリカのミネアポリスで、高速道路のご立派な橋が突如崩落する大事件があったばかりですから、思わず『ホントに大丈夫かよ!』と言いたくなってしまいますが、よく観察すると構造が面白い。
こんな風に自動車が通るメインの部分は、木の板を、短い方を上にして、縦にみっしり並べているのです。 結果として10センチくらいの厚さになります。 これだったら、多少木が痛んでも、周りの板が支える形で簡単には大穴があいたりしません。 板はつい最近張り替えたみたいですが、こんな風に何度も何度も補修をしているんだと思います。 新素材で、もっと丈夫に、しかも簡単に補修することがもきそうですが、何かとてもこだわりが感じられます。
Thames Riverに沿には、自転車や、ローラーブレードの専用道がずっと続いています。 このBlackfriar's Bridgeのたもとに、こんな看板がを見つけました。 この道を利用する場合は『洪水に遭っても自己責任で』。 やっぱりここは自己責任を重視する北米社会です。
橋を渡って、丘を登り、住宅街を越えると、すぐ向こうはRichimond Streetの繁華街に繋がります。
≪追加情報≫
今の橋は1875年に完成。 その後、多少のModifyを加えながらも今に生き残っています。 完成した当時は、ロンドンで最初の鉄骨造りの橋だったそうで、実はかなり貴重な建築物です。 ちなみに、オンタリオ州の歴史遺産の一つにも指定されています。