ロンドン野郎

カナダのオンタリオ州ロンドン市で4年半暮らしたロンドン野郎。 この度本家大英帝国ロンドン市(近郊)へ参上。

ドミニコ会修道士の橋 ”Blackfriar's Bridge”

2007-08-28 10:13:04 | うんちく・小ネタ

オンタリオ州ロンドン市内を縦横無尽流れるThames River。 何しろ流れがいくつにも分かれ、しかも曲がりくねっているので、どちらが上流か、下流か、未だに訳が分からないのですが、ロンドン市内の川は全部Thames Riverと言われています。 勿論、この名前の由来は本家大英帝国の首都を流れる川から来ていることは間違いありません。

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Thames Riverに掛る橋はいくつもありますが、ダウンタウン中心のQueens Avenueの橋と、少し北のOxford Streetに掛る橋のちょうど中間の目立たない場所に、この小さな橋Blackfriar's Bridgeはあります。

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1831年からの歴史ある橋らしいのですが、辞書で調べるとBlackfriarって黒マントを被ったドミニコ会修道士のことだそうです。 なんかこういう人たちが一団となってうつむき加減に冬のロンドンの街を早足で歩いてゆく姿をイメージすると少し怖い気がしますが、21世紀の現在は、Richmond Streetの西側とWharnchriffe Roadの間の住宅街を結ぶ静かな一角です。

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先日この近辺の散歩道を探検して改めて気がついたのですが、この橋Blackfriar's Bridgeは骨組みは軽量鉄骨ながらも、橋板は全木製。 しかも3トンまでの重量制限はあるものの、自動車も普通にこの橋を渡るんです。

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なにしろ最近、隣国アメリカのミネアポリスで、高速道路のご立派な橋が突如崩落する大事件があったばかりですから、思わず『ホントに大丈夫かよ!』と言いたくなってしまいますが、よく観察すると構造が面白い。

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こんな風に自動車が通るメインの部分は、木の板を、短い方を上にして、縦にみっしり並べているのです。 結果として10センチくらいの厚さになります。 これだったら、多少木が痛んでも、周りの板が支える形で簡単には大穴があいたりしません。 板はつい最近張り替えたみたいですが、こんな風に何度も何度も補修をしているんだと思います。 新素材で、もっと丈夫に、しかも簡単に補修することがもきそうですが、何かとてもこだわりが感じられます。

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Thames Riverに沿には、自転車や、ローラーブレードの専用道がずっと続いています。 このBlackfriar's Bridgeのたもとに、こんな看板がを見つけました。 この道を利用する場合は『洪水に遭っても自己責任で』。 やっぱりここは自己責任を重視する北米社会です。

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橋を渡って、丘を登り、住宅街を越えると、すぐ向こうはRichimond Streetの繁華街に繋がります。

≪追加情報≫

今の橋は1875年に完成。 その後、多少のModifyを加えながらも今に生き残っています。 完成した当時は、ロンドンで最初の鉄骨造りの橋だったそうで、実はかなり貴重な建築物です。 ちなみに、オンタリオ州の歴史遺産の一つにも指定されています。


I-94にかかわる災難を避けるために(ちょっとタイトルがカタイ?)

2007-08-27 06:56:01 | うんちく・小ネタ

ロンドン野郎は車で国境を越えてアメリカ側に渡ることが結構頻繁にあります。 放射能探知機まで備えたアメリカ側の国境を通過する際に、パスポートといっしょに我々日本人などの外国人はI-94というアメリカ側の入国カードが必要です。

I-94って、飛行機でアメリカに入国する時にも記入するあの緑色の用紙です。 3ヶ月間有効なので、通常半券をパスポートに貼り付けておきます。 ところがこれが陸路国境を越える際に大きなトラブルの元になることがあるんです。

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3ヶ月の期限になる前にこの半券をアメリカ当局に返却するのがルールですが、 期限切れのI-94をそのままパスポートに付けていると、15連発の自動式拳銃をぶら下げた国境の係官に『何故、返却しなかったんだ! 』と怒鳴られた上に、再発行 の手続が必要になります。 期限内に返却しないとビザ無し不法滞在の疑いを掛けられるというのです。 このご時世、国境で下手に逆らって撃たれても困るので、そこは『ハイハイ』と神妙にするしかありません。

最近特に管理が厳しくなったようで、身近な例でも期限切れのI-94で散々文句を言われた挙句、再発行の際には僅か2日分の滞在期限しか認めなかったという事がありました。 ただでさえ異常に能率の悪い陸路の国境事務所で、こんなことになったらたまったものではありません。 また、古いI-94を捨ててしまった事で、毎回アメリカのイミグレで別室に呼ばれるようになったという方の話も聞きました。

日本のアメリカ大使館のWebなんかを見ると、I-94の半券を返却する為には、確実にアメリカを出国したこと証明する証拠を添付した上で、ワシントンの当局に返送しなければならないと書いてありますが、実はカナダでは簡単に返却できることが分りました。 オンタリオ州ロンドン市近辺では、ロンドン国際空港のイミグレの事務所でそのまま受け取って貰えます。 アメリカからカナダに戻る時のカナダ側の国境の係官へも返却できます。

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I-94の半券は、無いと陸路の国境での発行手続が大変だし、期限切のまま持っているともっともっと大変なことになる、厄介なシロモノです。 それから、I-94発行手続の際には、行き先の住所の記入を求められるのも要注意です。 ロンドン野郎は行き先のミシガン州の空港の住所の記入を求められて、非常に困った経験があります(空港の住所なんて普通誰も知らない!)。

以上、この近辺の皆様への情報でした(こんなの常識?)。


ザ・フォッグ

2007-08-22 12:25:25 | ロンドン周辺の街歩き

7月の話ですが、日本からの客様たちを案内して、オンタリオ州ロンドン市からさほど遠くない演劇の街Stratfordの美しい街並みを観光した後、ヒューロン湖のリゾート村Grand Bendへわが新車Suzuki XL7を飛ばして向かいました。

天気は晴れ。 日差しが強くて、Stratfordでは最高気温も27℃くらいまで上がりました。 車でしばらく農村地帯を走り、Grand Bendに近づくと、何やらそちらの方向から煙のようなものが見えるのです。 不思議に思いながら、更に近づくと、これが”霧。 周りはよく晴れているのに、その一帯だけが濃い霧に覆われているのです。

車の外気温計に目をやると、ついさっきまで27℃もあった気温が、いつの間にか18℃まで突然下がっているんです。 ヒューロン湖から冷気が一本の筋みたいになって流れてきて、温かい空気中の水蒸気を一気に凝固させて霧になったという、”理屈”は分かるのですが、何かとても不思議で、少し背筋もヒヤリです。

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Grand Bendのビーチはこんな感じ。 キャピキャピやっていますが、肌寒くて、湖面は霧に覆われて何も見えません。 入り江の灯台から『ポーッ!ポーッ!』って、船が帰り道を誤らないように霧笛が響いています。

ホラー映画の鬼才ジョン・カーペンター監督の『ザ・フォッグ』って映画が昔あったのすが(最近のリメイクじゃないやつね)、海から霧といっしょに100年前に亡霊が次々姿を現し、昔の怨念を晴らすべく、町の人々を襲ってくるのです。

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真昼間とはいえ、この日の不思議な雰囲気で、映画のイメージを思い出してしまいました。 ひぇ~、怖いよ~~~


Tokyo Joe's Town Restaurant "和魂カナダ洋食堂"

2007-08-21 10:38:59 | グルメ情報

このブログにもよく名前が出てくる旧街道Dundas Streetを東に25キロくらい車で走り、Ingersollへ向かう119号線の分岐点のところに、人口約3000人の農村地帯の小さな村Thamesfordがあります。 この小さな村のダウンタウンに日本人の方が経営しているレストランがあるという情報を聞きつけ、さっそく会社の帰り道偵察に出かけました。

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ありました。 確かに看板にTokyo Joe's Town Restaurantの文字が。 車をとめて、中にはいってみると、ちょど夕食時だったこともあって、大勢の村の人たちで賑わっています。 メニューはハンバーガーやサンドイッチ、フィッシュ・アンド・チップス、スープなんかを中心にした、典型的なカナダのカジュアルな食堂。 ”暖簾”の奥の厨房には、素晴らしい手際で料理を盛り付けている東洋人のおじさんの姿が。

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愛想の良いウェイトレスのお姉さんに、「あの方日本人?オーナー?」っておそるおそる聞くと「イエース!」の返事。 今日のお勧めのディナーメニューの中に、Shrimp Dinnerというのがあったので、注文してみました。 あれっ?これって海老フライじゃない。 そうなんです。 海老フライにコールスロー、ポテトなんかが付け合わせ。 やっぱり揚げたての海老フライは美味しいね。 本当はウースター・ソースが、と思ったんだけど、一緒に出てきたシュリンプ・カクテルのソースが意外によく合っていました。

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ちょうどサーブが一段落したころ、「こんにちは」とおじさんが声を掛けてくれました。 もちろん日本語です。 お話を伺ったところ、ロンドン野郎が赴任している会社の前任の駐在責任者もよくご存じ(マージャン仲間)で、カナダ生活30年。 北海道ご出身の方でした。 色々縁もあるものです。

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LLBOのライセンスがあるので、ちゃんとビールも出ますし、結構席数も多いので、かなり大きな貸切宴会もできるそうです。

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この気さくな小さな村の和魂食堂はThamesford村のメインストリート、ロンドン方面から見て、右側(南側)で今日も頑張っています。

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Tokyo Joe's Town Restaurant
149 Dundas Street
Thamesford, ON N0M 2M0
519-285-2049

(夜の営業は7時までなので、早めにね)


ロンドンの朝のお散歩

2007-08-16 10:34:15 | ロンドン街歩き③

ロンドン野郎は意外に早起きです。 通常は5時57分に目覚し代わりの携帯電話が鳴り響き、先ずはフラフラとパソコンを立ち上げ、世界情勢ないし身近に何か異変が起きていないか確認。 同時にTVジャパンでNHKニュース(日本時間夜7時のリアルタイム)が始まります。 但し、不愉快なニュースが続くときはすぐにチャンネルを切り替える。

パソコンをいじったり、朝飯(冷蔵庫の在庫次第)をかき込んだりやっているともう7時! 自宅アパートメントの地下駐車場から職場へ緊急発進です。 片道40キロを30分ですから結構速い。

よく考えると毎朝決まった道ばかりで、オンタリオ州のロンドン市の朝の風情なんか楽しんでいる余裕が全く無いことにふと気がつきました。 そこで、いつもだったら起きてもベッドの中でウダウダしている週末の朝、近所を少しお散歩してみました。

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太陽が昇り出した頃。 自宅のアパートの前からQueens Ave.方面。

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Picton St. アパートメントお向かいの教会にも朝日が。 そういえば、ここであの大事件は起こったんだよね(そのお話はまたいつか・・・)。

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静かな朝のQueens Ave.

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Dufferin Ave. のビジネス街。 人影がない。

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Dufferin Ave.からRichmond St.ダウンタウンの旧市街を望む。

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ロンドン生命本社の美しい芝生。 朝になると、埋め込んである小さな散水器がピョコっと顔を出して、水を撒いている。

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Wellington St.の朝。 なんか清々しいよね。

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Victoria Parkの前から、市役所方面を眺める。 日の当たりかたで昼間や夕方と少し違った雰囲気で見える。