YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

VMキャブの張り付き対策例

2012年12月15日 | YBR125改造

YBR125に中華VM26キャブを付けて嬉々としたけれど、初期段階で起こりその後は自然に直っていたスロットルバルブ
張り付きみたいな現象が再発した。(二次エアー吸い込みではないのは確認済み)
この現象は改造前から気になってたので事前に対策方法を調べておいたけど、画像検索も含めて体験談がざくざく出てくる。
(キーワード「キャブ 張り付き」)

対策例を箇条書きにしてみると

・当たる部分を磨いてシリコングリスを薄く塗布する(直ったらしいがその後は不明)

・バルブとキャブ自体にスベスベ系の謎コーティング加工をする(お店の宣伝乙)

・スロットルバルブスプリング(以下スプリング)を市販社外品の強化タイプに取り替える(ばね定数が高いらしい)

・スプリングメーカーにワンオフで強化仕様を注文して取り替える(金と時間がかかってるなあ)

・別の細いスプリング(例えば純正キャブ付属品)を同時に付けて二重スプリング化して強化する(これは手軽だ)

バイクメーカー純正の張り付き対策品を入手して取り替える(対策品の部番を知る手段が乏しいのが難点)

長い直線でスロットルを一定にした走行後、減速のために全閉にするとバルブが下がりきる直前に負圧で張り付いて引っかか
る感じで、停車時にアイドリング回転まで下がらず3000回転付近で止まり、約5秒ほど経ってからゆっくりと回転が下がって
落ちつく症状
だ。
こんな状態だからエンジンブレーキのかかり具合が低くて2ストバイクのようになったわけで、スロットルを小さく1回あおって
きっかけを与えるとストンと回転が下がる

どうしたものかと道端で頭を抱えたけれど、近くにホームセンターが有るのをを思い出して寄ってみた。
汎用品・押しスプリングが何種類か置いてあるのを覚えていたからだ。

キャブからスプリングを外して店の在庫と比較してみるとVM26用に近い寸法の物はさすがに無いものの、二重化する
のに丁度いい押しスプリングを発見したので購入する。 (0.8×10×70mm)
128円で原因の究明や対策ができるなら安いものだ。

さっそく駐輪場で取り付けてみたら、レーシーな吸排気バルブスプリングの二重構造みたいになったよw

二重化した事でスロットルが少し重くなったけれど4連キャブのビッグバイクに比べたらまだまだ軽い部類である。

補助スプリングを追加した結果、見事に張り付きが解消されてエンジンブレーキ、停車ともに
正常な挙動に戻る


確認のために補助スプリングを外してみると張り付き現象がまた起こったので、スロー系が薄い時に起こる現象では
無いのも確認できて別の意味で大きな収穫だった。

スロットルが重いと全開癖が抑えられて丁度いい安全装置になるが、長時間では疲れるだろうからさらなる実験を
してみることにする。

中華VM26のスプリングの自由長は100mm
数々の対策強化スプリングの中に荒巻き構造がある画像を覚えたから、手で伸ばして自由長を長くして全閉直前
での反発力を少し増してあげる方法を思いついた。
指でスプリングを少しずつ伸ばして20mm長い自由長120mmにしてやり、ロングスプリング化した単体で取り付け
てみる。
運がよければ二重化せずに元のスプリング1本で対策できると思ったので休憩ついでに実行してみた。


結果はこれも同じく 張り付き現象無し!

スロットルの重さは二重化と比較して軽い。

VM型に限らず負圧式のCV型(BS型と似た構造)でも昔、張り付き現象を経験した事があったけれど、負圧式は
構造と動作原理の関係で安易にスプリング強化をすると、バルブ上昇速度が遅くなったり規定位置まで移動
しなくなったりする
副作用も有るので知識・経験の乏しかった当時は泣く泣くキャブ交換をした苦い思い出がある。

この点でVMキャブはスロットルバルブをワイヤーで直接開閉させる構造だから、スプリングを変えても負圧式のよう
副作用は起きないのでこんな改造に都合がいい。

VM型はキャブ口径が大きくなればなるほど張り付きやすいらしくて、YBR125純正のVM22は小さいので起きない
だろうと思うだろうが、実は・・・真夏の高温多湿なゲリラ豪雨の中で起きた事がある。

想像では湿気がキャブ内で結露して水の膜が張り付きのきっかけになったのかと思う。
真夏に冷水入りのコップが結露して濡れたコップの底が机に張り付くようにバルブ側面がキャブに密着する感じ。
インマニがアルミのため、キャブに熱が伝わってて暖かったからアイシングの可能性は無いと思う。

純正でもビッグキャブでも、張り付きらしい現象が起きたら試しにスプリングの二重化で確認してみるといいだろう。
装着しづらくてもいいなら臨時に純正VM22のスプリングを補助で入れる方法がある。

いきなりロング化して実は原因が違ってたら単なる重いスロットル化になってしまうので、ロングスプリング化は二重化
による確認後にやればいいと思うよ。
なおキタコからMIKUNI VM26キャブレター用 補修スロットルバルブスプリング(品番 401-0100902)
500円くらいで売られているので、不幸にして失敗した場合でも救う方法がある。

快適になった中華VMキャブ仕様のPSの再調整をしてみた
1・1/8まで絞るとアイドリング直前での落ち込みが少し遅くなって、張り付きとは違ったスロー系の落ち込み遅延問題が
起き始めた。
色々な走り方をした結果、スロー系による遅延が起きずに薄くも無く濃くも無く吹け上がりも良い PS:1・1/4回転 に
決定して冬季条件での調整を完了とする。

張り付きが解消されて再セッティングもできた頃、霧雨が降り出してきたので慌てて帰宅した。
明日は晴れるといいな。