YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

YBRの発電系の話

2013年11月24日 | YBR電装系

YBR125の電装系改造をあちこちで見てると、発電系統の話ってあまり話題に上がらず、もっぱら
ライトバルブ、LED化、バッテリー、シガソケ、スマホ充電、カーナビ、グリップヒーター関係くらいしか
見当たらない。
だが、偶然、某所()で珍しく発電コイルのステーターを強化したらどうよ?って話が出ていた。
実はこの話、簡単に行かないんだ・・・

魅惑の罠サイト・タオバオにも以前から幾つもの強化ジェネレーターが発売されていて、気にはなってた
けど、特に強化が必要だと感じてなかったのでスルーしてた。

こんな12極三相強化ステーターコイルなんかある。(発電量アップ!ノーマル比2倍以上の230W)
そのまま単相方式のYBRに付けるためにはローターが8極用であり、しかもレギュレータは三相用でない
と動作せず、さらに配線も改造しなければならない。
2007年~2010年までの8極ステーターのYBRならローターを変えなくて済む。
12極のYBRではローターが違うので強化コイルは18極を選ぶらしい。(ややこしいぞ)


ところでふと思ってみた・・・・YBRのステーターとかローターってどんな仕様なの?
パーツカタログを見まくってみると年式や型式によって違いが有るのが判明した。

【05、06 無印か? 欧州1型?】 単相7極

5VL-H5550-00 ローター  5VL-H5510-00 ステーター

【07~09 無印】 単相8極

3D9–H1450–00 ローター  3D9–H1410–00 ステーター

【無印11~、K&KG】 単相12極

1JP–H1450–00 ローター   1JP–H1410–00 ステーター
さらに2013年式からは部品番号違いの単相12極
1BK–H1450–00 ローター  13R–H1410–00 ステーター

もうね、さっぱりわからんw
追い打ちをかけるように単相用強化ステーターまでタオバオで見かけて、実機との相性などは本当に
自分の車体を確認しないととんでもない事になる改造分野だとわかったよw
気軽に話題にすると話がややこしくなるので、よほど知識と経験が無い限り、発電強化は控えたほうが
良いと思う。
せいぜい配線強化にとどめて、追加する電子機器はほどほどに!

このままじゃ面白くないのでオイル交換ついでカバーを外してステーターコイルを確認してみた。

俺の07式は単相8極で外径は97mm。
YBRシリーズは年式問わず外径97mm、取り付け穴位置は同じだから前出の三相強化コイルに
入れ換え可能だ。

タオバオに俺の年式用単相強化型がある・・・これならレギュレーターはそのまま使えるし95元だし・・・
イカン、これは底なし沼への罠かもしれないw

巻線の線径を太くして電流容量を増やしてる。
これだけ換えても大電流負荷時の電圧降下による充電不足は抑えられるが、やはり単相用大電力レクチ
ファイヤレギュレータに交換し電源基幹線を全て太くしない100%の性能は発揮できないかな・・・面倒だw

余談だけど、極数が多くなると1周360度内での交流の山の数が増えるから低回転時の発電が安定する。
要約すると1回転の間の「オラオラオラ~」の数が増えると、ゆっくり回転しても「オラ」数が多いので有利
なのだ。(ひどい例えだ)

さて、中を見て満足したからさっさと組みたててオイルを放り込み、気晴らしにダム湖まで行ってきた。
ちょうど駐車場に付く頃、目に前にYBRが走ってる。
ほぼ同時に駐輪して互いに挨拶を交わして談笑。
なんと読者様ではないか!

2011年式で上手くキャンプ道具を積載してる。
モトフィズのサイドバッグは幅がYBRにドンピシャで綺麗に付く事が分かったのが収穫。

互いの車体を見比べながら指摘されたのが、右タンデムステップのブラケット・フートレストの形。

11年式からAI機構の空気挿入部が変更になってマフラー側へ移設されたのを機会にパイプが突き出る
ので、これを避けるように形状変更されていたのだ。
これはさすがに気づかなかったよw
年式によって細かい変更があってもうなにがなんだか分からなくなってきちゃった。
うかつに質問に応答できないし、パーツカタログさま様だと感じる。

駐輪場には我々2台の他、奥に09年式青、別の場所に06式?の青Gが止まっていて、さらに声を掛け
てきた青年は2013年式を所有してると言うYBR125だらけな秋晴れの休日であった。


紅葉探し

2013年11月17日 | YBR125ツーリング

地域によっては紅葉が見頃だったり終わりかけだったり、とっくに冬になって降雪
してる日本という国は、東西南北に伸びた形だから季節感に差が起きるよね。

キャブのインテークマニホールドを交換して気をよくしたので、今日は午後から
少し山奥へ向かい、残ってるであろう紅葉を探しに出掛けた。


探せばまだあるものだ。
冬本番になるとどうしても出足が鈍るので、今のうちのせっせとプチツーリングでも堪能
しておこう。

今日も走り込んで見た結果、吹け上がりは実にスムーズで満足いく物になったけど、
ちょっとだけトルクが減った気がする。
相対的な感覚なのかもしれないし、乾季特有のモーターみたいな回り方になってるのかも
しれないし・・・どうでもいいかw
レースやってるわけでなし、研究してるわけでなし、楽しく過ごせればそれでいいのだ。


インマニ交換

2013年11月16日 | YBR125改造

磨きまくった社外インマニは基本的にYBR125純正と同じサイズだけど、エンジンに実装して良く観察
すると、精度の違いなのか吸気ポート穴に対して段差が一部見つかった。

赤印の箇所だけだったから簡単に修正できた。

ついでにキャブ側の穴径を測定してみたら、愛用の加速ポンプ付PD22(謎キャブPD24)と完全に一致。

純正インマニは1mm細い26mmだったので、輸入インマニも削らなければならないと覚悟してただけに
拍子抜けしちまったよw
VM26キャブの時には最初から削る必要があるくらい内径差があったから、いきなり加工したので気づか
なかった。
怪我の功名じゃないけど、偶然にも社外インマニだったおかげで無加工で済んで助かった。
純正ガスケットを加工するのはもったいないので、手持ちのガスケットシートを切り出して穴径27mm仕様
で作る。

早速実装してみる。

ボルトオンなのはVM26キャブの時に実証済みだから問題なし。

早速試走に出かけてみた。
エンジンが温まるまではいつもの調子な気がしたけれど、試走コースを走り込んで行くうちに変化に気づく。
あれ?なんか吹け上がりがすごくいいんでないかい?いつもの急坂もスルスル登るし。
長い直線や山坂道を走り込んで得た印象は

・4000回転からの吹け上がりが明らかによくなった。
・慣れた道でのアクセル開度が少なくなった。
・吹け上がり良くなった分、平地での加速時にシフトアップが早めになってちょっと忙しくなった。
・上り坂途中でのシフトダウン率が少し減った。
・郊外4速オートマ走りや4速・5速での再加速時にシフトダウンせずに済む場面が多くなった。
・細かいワインディングでの3速が実に美味しい。


こりゃ今までPDキャブの8割くらいしか性能を発揮させてなかったんじゃないのかな?
立ち上がりが良くなったのでクネクネ道が楽しくなったけど、油断してると危ない速度になるので少し
抑えるのも意識しておこう。
とは言うものの125ccOHC単気筒の域を超えてないのも事実だから、これ以上深追いするのは
禁物だ。

なんで今まで純正インマニのまま放置しちまったんだろうと悔やむほど改善された印象で、たった1mmの
差とは言え、段差がいかに影響してたのかよくわかったよ。また、梨地の平滑研磨も同時に効いてるかも
しれない。

実は先日までは「ハイカムなんかどうよ?」とか「排気ポートをちょっと削ったら抜けが良くなりそうで面白
そうじゃね?」なんて妄想してたけどモンキー系にありがちな底なし沼へと足を踏み入れてしまうので、
改造はこの程度で済ます事にする・・・

裏ヤビツを往復しながら終わりかけの紅葉も楽しみ、寒さに震えつつ帰宅した。


衝動買い工具

2013年11月15日 | 雑記

ふらっと寄ったホムセンのコメリの工具売り場。
ちょっと小さいラチェットハンドルが欲しかったので探してたら、処分特価品の棚で面白いものを見つけ
てしまった。

ミニラチェットセット 798円→処分価格390円     色々ビットセット 480円→処分特価240円

低価格工具には色々な問題があるけど、メイン工具の補助としてトルクをかけない使い方
をするから、こんなもんでも俺的には大丈夫だ。

普段はボルト・ナット類を緩める最初の段階はメガネレンチ、ある程度緩めば指か片口スパナと使い分け
てる。

高校の頃から使い続けてる安物工具類だけど、破損や消耗した物だけを買い替えて今にいたる。
基本的にソケットレンチは嫌いであまり使わないけど、場所によっては必要なのでソケットレンチセットも
揃えてるが・・・

最初に買ったラチェットハンドルは大きなトルクに不安があり、締め付けトルクも感じ取りにくいので
ほとんど出番は無い。

もっぱら単純な構造のスピナーハンドルとT型ハンドルを愛用中。

さて、今回欲しかったのは小型の1/4インチ・ラチェットハンドルで、狭い場所にて手や既存工具が入りに
くい場所での緩め作業途中で使いたいと思ってた。めったに出番は無いだろうが、あると作業が進む。
そして都合よく見つけたのがコレ。

いかにも怪しいセットであるが、ハンドルの大きさが希望通りなので問題ない。 390円

いざ開けてみると面白い機構であった。

なんと1/4インチソケットとドライバービットの両刀使いなのさ、これw

付属の延長バーで少し伸ばせる。

どうせ対辺12mm程度までのボルト頭ならこんな物でも使えるだろう。

ドライバービット用の延長バーは付属してないけど、手持ちの100均セットwにあるので利用できる。

この延長バーは意外と便利なんだな。

適材適所で上手に組み合わせるとこんな感じにも使える。

ストレートハンドルの出番も結構多い。
もちろん普通の柄のドライバーも持ってるけど、かさばって作業場まで持参するのが面倒な時もあるから
軽作業程度はこれで済ませてる。

ついでに買った変なセット。

これも先ほどのラチェットセットやハンドル、電動ドライバーなどと組み合わせできる。   240円w

実は一番欲しかったが穴あけ後の面取りカッター。

バリ取りに太めのドリルを使うと食い込みが良すぎて油断してる間に大きな穴に変貌する経験もあったから
前から欲しかった物だ。 出番はあまり無いけどねw

とりあえず軽作業程度ならこんな一式で済ませられそうで、バイクの作業場までの荷物が減ればいい。

この他に片口スパナやメガネレンチのセットなど適当に用意して工具バケツに放り込んでおけば、思い
立ったら即作業に入れるようになるだろう。

いいかげん、工具箱や物置を漁るのは疲れた。
俺はガレージにズラーっと工具を揃える人とは対照的なチープでアマチュアなメカニックなのだ。w


インマニ磨き

2013年11月13日 | YBR125改造

加速ポンプ付PD22キャブ搭載時に純正のインテークマニホールドをそのまま使用してる
けど、極わずかな段差の修正さえもしてなかった。
そのままでもいい感じなので放置してたわけ。

在庫部品の整理をしてたら改造や予備として輸入したインマニが出てきたので、
秋の夜長のインマニ磨きと若干の段差修正をしてみた。

相変わらず出品者は純正インマニの画像なのに違う物を送って来たが、純正と変わらない
寸法だから問題なし。
金型だか砂型の巣もVM26キャブの時と同じ形で、もう付ける薬は無い・・・浙江・杭州
からの出品者は要注意
だなw
当然、元々付いてた純正インマニは遥かにマシな仕上がりなので、もったいないから今後
も加工するのはやめておこう。
胴内の小さな凹みや梨地が気になったから今回は飽きるまでシコシコと磨いてみた。
リューターでもあればもっと楽なんだろうな・・・正直、手作業は飽きたよ。
ま、秋に夜長は部屋の中で小物磨き(ネタ作り)をするには都合が良かったかな。

果たして純正にもある梨地をピカピカに磨くとエンジンのフィーリングは変わるだろうか?
某バイク屋ではYBRのエンジン修理時に吸・排気ポートを少しだけ研磨してみたら良い
方向へ変わったらしいから、ちょっと楽しみである。     果報は週末まで寝て待て!


セルモーターの話(清掃組立編)

2013年11月08日 | YBR電装系

興味本位でYBRのセルモーターを分解しちまったから掃除をする。

まずはブラシカスが溜まってるリアブラケットの掃除。

樹脂なども使われてるので安易に溶剤系パーツクリーナーは使わず、掃除機ブラシで
ゴミを吸い取るのが一番簡単で綺麗になるよ。
ブラシスプリングは前もって外して置かないと、掃除機パックを漁るはめになる。

ブラシの測定をしてみた。

ブラシの摩耗限界値:3.5mmに対して9.5mmあるのでまだ余裕がある。
このまま使う事にした。

コミュテーターの汚れ具合。

赤丸で囲った部分はたぶんアーク放電の跡で、溝に中にはブラシのカスが
溜まってるはずだ。

コミュテーターも測定してみた。

コミュテーターの摩耗限界値:21.0mmに対して22.0mmだからこのまま
使う事にする。
マメに整備してて表面に凸凹の荒れが無ければ20mm程度までは延命できるだろう。

コミュテーターの接点を磨く。

サービスマニュアルでは600番程度のサンドペーパーで擦るように指示され
てるけれど、ナイロンたわしを使った方が接点を無駄に痩せさせなくて良い
簡単で綺麗になった。

溝の中を掃除する。

爪楊枝でカスを掻き出すと結構溜まってるのが分かった。
このカスが隣り合わせの接点をレアショートさせて電気的な動作の妨げを起こし、
回転不良になる場合
が多い。
この場所は意外と忘れがちな掃除箇所である。

端子の錆びたビスも交換した。

純正は鉄ビスであったが、俺は偶然電気配線用の黄銅ニッケルメッキのビスが
手元にあったので使った。
固定した後で防湿・防錆のためにグリスを塗布しておくと良い。
なお、ステンレス製ビスは電蝕及び電気伝導率の関係でお勧めできない。

掃除が終わったので組立に移ったけれど、これがまた大変だった。w
一応、サービスマニュアルにも手順が記してあるけれど、コツは載ってない。

最初にマーキングしたり、爪の位置確認したのは全てこのためである。

・爪がずれない事。
・スターターヨーク(筒)の前後方向を分解前と同じにする事。
(逆だと回転方向が逆になってスタータークラッチが動作しなくなる。)
・位置決め線に合わせる事。
・リアブラケットの穴とモーターシャフトの接触部に薄くグリスを塗布しておく。
・ブラシが脱落しないように“工夫”してコミュテーターを定位置に組み込む。

簡単に5行にまとめてみたけど、実際“工夫して”やらないと知恵の輪みたいで手が
もう2本欲しくなるはずだ。w
だれかに押さえてもらうなり、補助で手伝ってもらった方が絶対に楽だと思う。
またネット上に転がってるセローのセルモーター整備記事が作業の参考になるだろう。

2019年に同型モーターを搭載したXTZ125Eのモーター分解整備の詳しい動画が
You Tubeに登場したので観ると良いと思う。
XTZ125のセルモーター分解整備(詳細版)
https://www.youtube.com/watch?v=2PVHB1B9P6Q

製造会社では組立冶具で行ってるか、百戦錬磨のパートのおばちゃんリンさんが早業で
組み込みをしてると想像する。

実装後は特に変わり無く、いつもの様に元気に始動した。
開ける必要がない状況でメンテしちゃったからなぁ・・・変わるわけないw

セルブラシなどの摩耗限界時期は予測困難で具体的には動作時間で決まるわけだけど、
距離や年月で判断できない。
極端な例では1回始動して300㎞走り続けるのと、100㎞しか走らなかったけど休憩
含めて4回始動したのとでは、後者の方が減り方が進むってわけだ。

だから、なんとなくで構わないので2~3年経った頃に一度は確認と清掃・測定をして
おくと前出のようなセルモーター突然死を予防できると思う。
でも、例の謎の耐久性ってヤツもあって10万キロ超えでもまだ大丈夫な例があるから、
実際のところよくかわらん。

追記:読者様からのコメント情報にて走行距離約5万キロでブラシの残りにまだ余裕がある
との事でした。
回転が弱く感じるようになったら掃除メンテと残量確認だけで済ませられそう・・・
長寿の謎が少し解けた気がする。

 

 


セルモーターの話(分解確認編)

2013年11月07日 | YBR電装系

YBR125に限らず電気モーター式で始動するバイクにはセルモーターが
搭載されてるけど、中身を整備したり修理する個人はめったに居ないだろう。
「電気はわからん」「そんな事ができるのか?」「なんで必要なの?」
「交換の方が早い」と色々な答えが浮かぶ。
ネタも尽きかけてる当ブログなので、隠して持ってたセルモーターの話を
2回に分けて公開してみようかと思う。

過去の経験や事例を揚げてみる。

【セロー225】
俺が昔乗ってた車種で走行距離約3万8千キロ時にセルが突然動かなくなった時の話。

・バッテリーは元気でセルモーター端子まで電圧が来ている。
・分解してみたら細かい埃(ブラシのカス)でいっぱいで、ブラシが限界まで
 摩耗してた。
・コミュテーター(整流子)が黒く汚れていた。
・ブラシ交換と各部清掃、コミュテーターを磨いて組み立てたら元気に復活した。

【XV750】
北海道ツーリング途中で泊まったライダーハウスで一緒に呑んだ方のXVが
朝になってセルが動かなくなった。
社会人で旅行期間に限度もあり、自走も搬送も大変でかなり弱ってたから、
試しに分解確認・清掃と細工をしてみたら直った。

・前日までは動いていたけど最近セルが弱々しく動く事があった。
・セルモーター端子までは電圧が来てる(ポケットテスターで確認)
・分解したらオイルで汚れてた。(モーターシャフトのオイルシール劣化)
・ブラシがかなり減ってた。
・清掃、オイルシールリップにグリス塗り、コミュテーターを磨く、
 ブラシスプリングを伸ばして ブラシの押し付けを増強する細工
 したら嘘のように元気に回った。
・劣化部品をメモして帰宅後に修理するように伝えたら後日、旅は無事に
 終了して修理も完了したとの知らせが来る。よかったよかった^^

【ジェベル125】
掲示板での相談相手の話。
セルの回り方が弱くなって朝の始動が困難になったのでバッテリーを交換したが
改善せず。

・分解組み立てのコツを伝えて実行してもらう。
・清掃、コミュテーター磨き、ブラシは摩耗限界に達してなかったのでそのまま
 組み立て。
 嘘のように毎朝元気に始動。前のバッテリーでも元気なので交換が無駄に
 なった。
・コミュテーターの汚れがバカに出来ない事例。
・分解よりもブラシ関係の組付けで一番苦労したとの事。

と、たった3例ではあるがまた聞きではないので実例として紹介してみた。
どの例でも一番先に疑われるバッテリーの劣化では無かったのに注目してい
ただきたい。
スタータースイッチ、スターターリレー、バッテリーが正常でセルモーターの
端子まで電圧が来てるなら、次に疑うべきはセルモーター自体だろう。
また、バッテリー交換前に内部確認しておくと無駄な出費を抑えられる。
セルモーター内の不具合は気付きにくい、隠れた故障なのだ。

さて、我がYBR号が納車されて約二年経った頃興味本位でセルモーターの
端子を覆ってるゴムキャップをめくってみたら、ごらんのようにビスが錆びていた。

このままじゃダメだよね~w
セローの経験もあったから、ついでに中を見て掃除でもしてみようと思い立った。

とりあえずダウンロードしてたパーツカタログで部品構成を確認する。

パーツカタログは分解・組図として一番わかり易い。

部品には全て方向や裏表、組み立て順番があるのでわかりやすいように
マーカーで印を付ける。

セルモーターはこれをやっておくと後で悩まずに済む。
真ん中の筒の前後方向もわかるようにマーキングし、組み立て時には方向を
再現する必要がある。
これをやらないと回転が逆になって役立たずになるw
(逆組みが発覚したら戻せばいい)

セルブラシがあるリアブラケットを抜く。

密閉はOリングで行ってるようだ。

開けてみたらブラシホルダー周辺に黒いカスが散乱してた。

ブラシはまだまだ余裕があるのでこのままにしておこう。

コミュテーターには少し汚れが目立ってる。

ここの銅接点が汚れたり、接点間の溝にブラシカス(導体であるカーボン)が
溜まるとセルの回り方が悪くなる。

もちろん、他にもシャフトベアリングの破損、ボディ内のマグネット脱落なども
回らない要素にはなるが。

シャフト部分を観察してみる。

そおっと外したおかげで脱落せずに二枚の部品の表裏と順番が把握できて
ほっとした。
ポロっと落としてたら困った事になってただろうw

どんな状態で組み込まれてたのか確認。

羽が付いた部品(ロックワッシャー)をフロントブラケットの溝にはめる
構造なんだね。 (重要)

ところが最近のYBRのパーツカタログを確認すると、このロックワッシャーが
書面上には無い。

仕様変更したのか、下記の5番サークリップも記載なし。

ところがサービスマニュアルには記載されてるので仕様変更でもしたのか
記載漏れだろう。

まあ、目の前の実機の組み順や部品構成にしたがえば間違いない。

シャフトのベアリングはニードルタイプだ。

普通に動いてるモーターなので破損は無く、ここはエンジンオイルで濡れるので
グリスアップの必要が無い。

幸いブラシはまだまだ使えるけれど、もしも将来、交換が必要になった場合は
一箇所ハンダ付けの
技術が必要となる。

表にある端子とブラシ端子の部分だ。
ここは熱量の少し大きな40~60W程度のハンダゴテで作業しないと上手に
外したり付けたりできない。
ハンダ吸い取りポンプ(電動・手動問わず)を併用したり、ハンダを溶かしながら
ブラシ端子を上へ引き抜く手順で外し、組み順は逆に行う。
このハンダ処理作業が苦手なメカニックや個人は、モーター自体を交換する方法で
簡単で早く修理する選択を選ぶかもしれない。
金で時間と技を解決できる場合はそれでいいけど、ものすごく古い旧車の場合は
モーター自体の入手が困難なので、この手の修理を得意とするお店やレストア屋さんに
頼むのも解決方法の一部だ。

ブラシを入手したければYBR独自の部番か、日本国産ならセロー225等の
ブラシが使える。

左はタオバオで見かけた部品で、右は俺が探しだしたセロー225用のブラシで
ビスまで付属してる。
当然、セロー用はメイド イン ジャパン
分解して構造と汚れの程度が分かったので、いよいよ掃除と消耗確認と組み立だ。

次回へつづく・・・


紅葉ツーリング

2013年11月03日 | YBR125ツーリング

やっと晴れたのでちょっと試走に出かけた。
短期間にタイヤ交換とタペット調整が連続したから変化を確かめたかったのだ。
なんとなく走り慣れた道志みちで山中湖まで行き、そのままあちこち徘徊したけど
連休中日とあってところどころで渋滞が起きていた。

逃げるように山の方向へ向かったら見知らぬ林道を見つけた。

富士山周辺によくある火山灰質の泥と腐葉土に混じって火山岩が点在して、なかなか
走り応えのある路面だったぞ。
前:ミシュランM62、後ろ:DURO HF329の組み合わせでもけっこうハイペースで
進むことが出来て、舗装路メイン、時々未舗装路な使い方をする人にお勧めだな。

さて、肝心のタペット調整後の印象。
・4千~6千回転域での打音が少なくなって静かに感じる。
・モーターみたいな加減速の回転。
・アイドリング時の雑音が変わってバルブが閉じる時のチキチキ音が耳を澄ませ
 ば聞こえる
程度まで静かになった。
まあ、これくらいしか変化はない
ただし、今まで放置してたからこそ差がハッキリしたのかも?
早期に調整していれば恐らく変化は感じ取れなかったと思う。

なんとなく入り込んだ林道は意外と奥深くて、あまり奥地まで行って遭難でもしたらまずいから
適当に切り上げて戻ってきた。

道の駅どうしまで戻ると駐輪場で予想外の出来事が起きた。

3台並んだYBR125シリーズ!
左から2007年式、FI、2011年式の組み合わせ。
全員なんらかの改造をしてるという面白いプチオフ会になったよ。

ご両人の情報によると、この日は山中湖周遊道路に“パンダ”が乗ったYBR
走り回ってたらしい・・・パンダ? ぜひ見たかったよw

復路の途中で休憩してたら大型バイクに乗った方が挨拶してきた。
なんと当ブログでネタ元になっていただいたYB125SPのオーナーさんだった。
その後、SPをいじりまくってミニSRとして完成の域に達したとの事。
雑談してると横の道路を今度はシルバーのYBR125FIが快走して行く。

今日は1日で3台YBRと出会い、謎のパンダさんを含めて半径20㎞以内に4台は徘徊して
たわけで、連休のツーリング効果はすごいものだと実感した1日であった。

これでクラッチの偽強化改造、タイヤ交換、タペット調整と連続して行ったから、残るネタは
PC内の過去記録画像の発掘やせいぜいリアブレーキシューの交換とかステアリングのステム
ベアリングメンテしか残っていない。
いっきに行って車体全体のリセットといいたいところだけど、ステムのメンテはけっこう大変な
ので、時間と気力と天候が味方した時にでも行いたいものだ。


タペット調整してみた

2013年11月02日 | YBR125整備

軽傷だったとは言え、いい機会なので摩耗したタペットアジャスティングスクリューを新品に交換した。

狭い場所で見えにくいから、思い切ってタンク類を外して作業開始。

慣れるとシュラウドを外すだけで確認・交換・調整ができるけどね。
2月にコインドライバーを作ってみた時に実行すればよかったかもしれない。

フライホイールの蓋を自作コインドライバーで開ける。

モンキーレンチでひねれば簡単だ。

圧縮上死点になるように左回りで何周か回して最後は微調整。

フライホイールの磁石の影響でなかなか位置が決まらないのが難しいところで、この作業が一番嫌いだ。w

タペットカバーを外してアジャスティングスクリューを抜く。
入手したのは前回見つけた国産でも使われてる部品番号の物で、比較してみると仕上げに少し違いが
見られる。

元から付いてた物はバフがけされているのか、意外にも仕上がりが綺麗だったよ。
でも機能的には違いは無いし、なにより新品にリセットする事で管理しやすくて安心感も増すから
良いきっかけだったと思う。
部番 22F-12159-00 吸・排気共通(しかもMADE IN JAPAN) 

隙間調整用にシックネスゲージを挟んでアジャスティングスクリューの締め込み具合を決める。

専用工具も売られてるけれど、俺の場合は指先の感覚と力だけで決めるようにしてる。
へたに工具を使うとちょっとした締め込み感覚の違いが感じ取りにくくて好きになれないからだ。
指の力程度なら締め込みすぎる事は無い。

メガネレンチでロックナットを仮に締め込んでからシックネスゲージの値を上下に振ってずれ具合を
確認しつつ、最終的にトルクレンチで本締めした。

この場所は締め込みすぎるとネジ山を破壊、締め込みが足りないと緩んだ時にエンジン破壊という
神経質な場所だから、せっかく持ってる安物トルクレンチを横着せずに使ってみた。
指定トルクは8Nm。

実際のタペット隙間の調整値は
吸気側規定値:0.08~0.12mm → 0.10mmに調整 (調整前実測値 0.11mm)
排気側規定値:0.10~0.14mm → 0.12mmに調整 (調整前実測値 0.14mm)

トルクの再確認とクランクを回した時のタペットの動きや異常な感触の有無を確認後、外した部品類を全て
元に組み上げてエンジンを回してみる。   ちょっと静かになったかな?

試走でもしようか思った途端に雨がぽつりと降ってきたので本日の作業は終了となった。
明日は晴れてほしい・・・