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YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

YBR125+中華VM26(調整編)

2012年12月08日 | YBR125改造

さっさと調整編を書いてしまうよ。

無事に取付をしたVM26だけどポン付けなんか都合のいい言葉なんか存在しない。w
この手の改造で一番苦労するのが調整
俺の場合は必ずセッティングデータシートを作成して変化の傾向を比較しやすいように
そのつど記録している。


さて、ノーマルの中華VM26でまずJNのクリップ位置を一番濃い状態になるようにセットする。(セットしてあった)
バルブピストンを外し、JN(ジェットニードル)を下から押し上げるとJN固定金具と共に出てくる。


分解前に観察確認をしたら固定金具とクリップ間にクリアランスが有ることが分り、上下左右にJNが少し振れる
ので、調整時の精度を上げるために0.5mm厚のシム(3mm平ワッシャー)を一枚はさむことにした


クリップの上にはさめばクリップ段数はそのままの位置になる


このシムを下にはさめば0.5段ほど濃くなるので微妙な位置が欲しい時に重宝するんだよね。

画像の位置は1.5段(つまり一番濃い状態から0.5段薄くなる状態)
この位置関係をしっかり理解しないとあらぬ方向へと調整がずれるので注意が必要だ。

JNを戻す時は固定金具をJNに乗せて浅く押し込み、上からリターンスプリングを当てて奥へと押し下げる
金具は水平状態で下がって簡単に収まります。(シムのおかげで振れが減った)
この方法に慣れると工具無しで早くクリップ位置の変更ができて便利だ。


MJ(メインジェット)やPJを換える時はキャブをわざわざ外さず、90度横倒しにすると以下のようにフロート室の
取り外しも含めて簡単に行える。
シリコーンオイルを塗ったおかげでインシュレータ部も円滑に回るので塗っててよかった。
*フロートピンが自然落下して紛失しないように注意してね。w


PS(パイロットスクリュー)の戻し回転は用意したマッキードライバーが威力を発揮する。
矢印の回転方向は戻し回転方向なので、反対に回して一番奥にセットしてから回転数を数えながらアイドリングが
一番高くなる位置にゆっくりセットして、その後は乗り味に合わせて微調整が俺の自己流。


以下が調整結果の抜粋。
JNは下からのクリップ位置 濃い 1←→2←→3←→4←→5 薄い

色々なパターンで試験走行したけれど「☆ 決定」のセッティングが一番良かった。好みによって☆でもOKだと思う。
ただし、今の時期は低温・乾燥期なので空気密度が高いため、この時期に濃い目のトルクフルな設定にすると梅雨~夏の湿度の高い
季節に濃すぎる傾向になるかもしれない。
反面、ガソリンの吸気による気化熱でシリンダー内が冷やされるので、夏季の高温季節には冷却の面で丁度いいという考え方もある。
梅雨時期あたりから再考しようかと思うけど、今の段階ではPJ#20 MJ#100 JN 下から2段目、PS 1・1/2開(1回転半戻し)で
決定することにした。

調整初期段階でアクセルオフ時にエンジン回転の下がり具合が遅く、ひっかかった感じがしたので念のために二次エアー吸い込み
確認を再度行ったけれど大丈夫だった。
PJが薄いとこうなる事もあるがセッティングの結果でPJ#20は懸念するほど薄くもなく、VMの弱点であるスロットルバルブピストンの張り
付きのような感じがしてたから、気にせずに調整で何度もアクセル開閉をしてるうちに症状が出なくなった。
少しアタリがでて滑らかにバルブが移動できるようになったのかもしれないが、今後も注意してみようかと思う。

余談だけど、試しにエアーフィルタボックス内のスポンジフィルターだけ外して吸気効率を上げてみたけれど、結果はごらんのように薄くな
った感じなので、決定した設定は最良な状態なのかもしれない。


どうにかセッティングできたので、そのまま山坂道へ出向いてあれこれ試してみたけれど、ノーマルYBRに比べて明らかに変わった
点がいくつも体感できた。

・加速・再加速が向上した(特に3速~5速でレスポンス向上がよく分かる)
・慣れた坂道でギアシフトダウン率が減ってそのまま登りやすい
・特にコーナー立ち上がりや左折直後の車体直立が楽になった
・パワーの山が8000~8500rpm付近にシフトした感じで頭打ちが減った
・4000rpmからの加速がおいしい
・8の字、スラロームがすごく機敏になった
・まぼろしの6速が欲しくなったw

期待してた「VM26に換えたら事業に成功し、宝くじが当たり、美女の彼女と一緒に札束のお風呂に入れる」ってのはまったく無かったの
が非常に残念でしかたない・・・・

なお、普段一番多用するアクセル開度1/8~1/2でのエンジン回転が滑らかな動きをするのが目標だったので、最高速アタックは趣味
じゃないから知らん!(必要加速時間は短くなったよ・・・)
また、皆さんの最大の関心事である「燃費」についてはまだデータを採取できていない。
傾向が分ったらお知らせしようかと思う。

おまけ情報はこのMINIMOTOさんから購入した中華VM26のバタフライ型チョークの操作方法


3段階のクリック位置があるのでハーフチョークが使えて暖機運転が楽に出来るよ。
バタフライチョークはまさに「窒息」状態を作る機構で分りやすいのがいい。
組み付け前によく観察すると理解しやすいだろう。

以上、かなり作業工程を省略したけれどキャブ調整に精通した方々ならきっと裏に隠された苦労が分ってもらえると思う。
また純正キャブの優秀さも再認識できて、癖無くそつなくこなす仕様はさすが市販車だと思うよ。

今回は本当に運が良くて最初の数回でいい結果が出て、後は勘違い・思い違い・プラシーボ防止のために悪くなる方向の確認作業だった
からね。
てことでなんと中華VM26キャブはジェット類がそのままでいけるのでYBR125と相性がいいキャブだった。
ただしフタ加工や整合板やガスケット製作とインマニ削りは必要だけど・・・
こんなに苦労するくらいならみなさんは前出のJNテーパー変更改造にとどめた方が手軽でいいかもw
 


YBR125にVM26を取り付けた(取付編)

2012年12月08日 | YBR125改造

朝からせっせと取り付けましたよ~。
風が強くて辛かったけどw

純正のVM22を取り外す時にフロート室内の燃料を排出しなきゃならないので、キャブのフロート室下のドレン部に
中華VM26に付属してたドレンホースを流用して排出させ、出てきたガソリンはもったいないのでガソリンタンクに戻し
た。 *ガソリンコックはOFFにし、ドレンビスをゆるめればフロート室内の燃料のみ排出される。

金属製の器に受けるといい。
排出しきったらドレンビスを“軽く閉めて”おくこと。(締めすぎは破壊につながるよ。破壊=キャブ買い替えだからね)

分解手順として各ホースやスロットルワイヤーを外し、エアークリーナーボックス固定のボルト2本を外してからインシュ
レ-ター固定バンドをゆるめてキャブと分離。
どうせインレットマニホールドも交換なので、ここでいっきにマニホールドとシリンダーを分離させてキャブとマニホ一体
の状態で外した。
スロットルワイヤーもVM26のフタへとつなぎかえておく。
JN(ジェットニードルクリップ)は「一番下の溝で一番濃い状態」

いよいよVM26の登場だけど合い口に直径差があるので作業が楽になるように、先にエアクリとキャブを合体させる。
インシュレーターの合い口周辺にシリコーンオイルを薄く塗布しておいたので、割とすんなり合体することができた。
インシュレーター固定バンドのビスはキャブの位置が決まった段階で締めればいいけれど、かなり広い直径で固定され
るので、ここでガンガン締めこむ必要はない。締めすぎるとつぶれたゴム部分の劣化が早まるのでほどほどに。


後は改造インマニをシリンダーに固定し、自作整合板・自作ガスケットを挟んでキャブを事前に用意したM6×25mm
ボルト・ナットで固定。(2本徐々に均等で締めないとたわんで気密を失うから注意ね)
次にエアクリを固定してからスロットルバルブを取り付けて完了。

例のコピーマニホの寸法も純正と変わらずピッタリだったのにちょっと感動w


ホース類はキャブに燃料ホースインマニにAIシステムのリードバルブへのホースを繋ぐだけで、余ったホース
2本は放置してかまわない。
この2本は「大気開放」用なので先はフレーム裏でなにも繋がない状態で固定されてる。
VM26にも大気開放の穴が裏に開いてる棒が出てるけれど、ここに繋ぐと穴位置の関係で塞がってしまうので、これも
放置する。


取り合えずVM26の購入状態での様子を見たいのでさっそくガソリンコックをONにして1分ほど待ち、いよいよエンジ
ンスタート!

特に苦労する事無く、あっさりかかったのでそのまま臨時でアイドリングを1300rpmくらいに調整して暖機させた。
アクセルを軽くあおるとノーマル状態でもけっこうスムーズに回転するが吹け上がりが少し遅い。

ここで一番重要な作業をしなければならない。
各所接合部の気密性を確認するために、該当箇所にパーツクリーナーを吹き付けてエンジンの回転が変動しない事
を確認しておく。
なんの問題もなく例の自作パーツだらけの部分も二次エアー吸い込みの兆候は出なかったので安心した。


これで組み付けと基本確認は完了したので後は調整です。
エンジンが十分暖まるようにそっとひと回り走って来たけれど、ちょっと燃調が濃い感じかな?

                                                           調整編へつづく