YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

嵐の前の静けさ

2018年09月30日 | 雑記

 台風24号の影響が出る前の午前中、買い物ついでに河原まで
ひとっ走り。

連日の雨とダムの放流で堰堤はすでに水かさが大きく増していた。
ここも今夜から明日には水没するだろうなあ・・・

 帰宅後、台風対策をして今日の予定はおしまい。
関東は今夜が山場だ。


消耗品注文

2018年09月29日 | 雑記

 大型台風が近づいているので出かけられないね~。
日本の外交と為替相場の動向を傍観していたら動きが読めなく
なってしまった。w

 ふと思い立ち、YB号の消耗品を注文してみたよ。

基本消耗品ばかりで大きさ重さも少なく、なおかつ乱暴に扱って
も壊れにくい物ばかりだから「一括直送プラン」なる方法で注文。
たぶん店舗から送られた箱のまま、ズタ袋に放り込んでテーピング
ぐるぐる巻きで発送されるだろう。
物流途中はボンボン放り投げられて、到着する頃には中の箱が
凹んでたりすると予想しているよ。

 特に珍しい物は注文して・・・いた。w
変な電極のスパークプラグ。

どうせネタ用だし消耗品だから、ダメになったら他の物に換えれば
済む話。

 社外ブランドのブレーキパッド。


模造品によくあるYAMAHAが刻印されて居ない潔さ。

 XGP270や大力社など社外品の方がけっこう品質が良かった
経験があるので、初めて買うブランドとしてちょっと楽しみ。
金刚豹 (ヂンガンバオ)社のブレーキパッド 5元(約100円)

 来週から中国本土は公休で1週間休みらしく、現地発注やら物
流がストップするので通常の約2週間到着は期待できず、3週間
後に届くだろうなあ。
慌てて必要な物ではないけど買い置きしておけば、必要に迫られた
時に直ぐに交換できるので、スプロケやブレーキパッドは買い置き
しておくと楽だよ。


サイドバッグのサポーター

2018年09月23日 | YB125SP改造

 リアウインカーを移設して空いた穴。

そのままにしておくのはもったいない。w

サイドバッグを付けた時の内側巻き込み防止用に、市販のサイド
バッグサポーターを付ける時は穴を利用できそうだね。

色々な形や大きさがあるのでどうにでもなりそうだけど、買って
きてポン付けだと負けた気がするのだ。w(悪い癖)

 結果、こんな物を作ってみたよ。

単にアルミパイプを渡しただけなシンプル構造。

必要部品は以下の通り。
・アルミパイプ 外径10mm(肉厚0.8~1.0mm) 1m 1本
・M8高ナット×30mm 3個
・M8ボルト(直径8mm)×15mm 6個
・M8並丸ワッシャー 9個

今回は試作なのでアルミパイプの肉厚は0.5mmを選んでみたけれど、
強度的には肉厚0.8~1.0mmの方が安心だと思う。
ただし、目的はサイドバッグ自体の重さを全て受けるのではなく、内
側への巻き込みを防止し、リアサスペンションとの干渉も無くすため
だから、無駄に頑丈にする必要は無いと思うよ。

撮影した細かい箇所を見れば、どんな付け方でどんな部品を使うか
分かると思う。

 左側隙間。

これでリアサスとの干渉が防げるから、擦れてサイドバッグが
破れる心配が無くなる。

 左側下。


 左側上。


 左側上裏。


 右側。


 右側隙間。


 右側下。

ここはマフラーサイレンサー固定ボルトに共締め。

 右側上。


 右側上裏。

 とっても単純な構造に仕上がった。

 パイプの加工は簡単。

長さ400mmに切ったパイプの両端をペンチか万力、プライヤー
やウオーターポンププライヤーなどで潰すか、ハンマーで叩いて
やれば平たくなる。
個々の車体の仕上がり精度が数ミリ程度ズレている可能性がある
から、あえて数値は書かない事にした。
どのくらいの長さで潰すかは、上下の高ナットを仮止めして止め
穴の距離を実測し、それに合わせて潰せば良い。
そして穴径8mmをドリルで開ければ固定可能。
実際に作業しだすと案外早く作れたよ。
約30分で完成してしまった。w

 これでサイドバッグを安心して装着する事が可能になったから、
キャンプツーリングにでも行こうかと思った途端、天気予報が
怪しくなって来たのだ。
まあ、サイドバッグを付けるためだけでなく、釣竿を添える工夫
にでも応用可能なので、別の楽しみでも使えればOKかな?

 以上、単純明快な構造の自作サイドバッグサポーターでした。


豪雨前に帰宅できた

2018年09月17日 | YB125SPツーリング

 バイクの改造ばかりが趣味ではない。w
今朝は微妙な天気予報で悩んだ結果「えい!降られたらレイン
ウエアを着ればいいさw」の勢いで徘徊ツーリングに行ってき
たよ。

 林道の倒木跡。

先週はここに大きな木がとうせんぼしていたが、さすが生活道路
なのでもう撤去されていた。

 五光の里は稲刈り終わる。

毎年「はぜかけ」の時期に来るんだけど今年は間に合わず、
刈り取った跡だけが残っていた。

 大野貯水池。

いつもの休憩場所は先客がいらっしゃったので、今日は奥から
池を眺めた。
紅葉の季節が待ち遠しい。

 彼岸花。

徘徊ルートは基本的にド田舎道。
道端に彼岸花が咲いていたよ。
普段は気づかない場所に生えているんだな・・・

 予報では夕方ごろから雨だったので日没前に帰宅し、チェーン
の確認やらちょっとした作業を済ませてバイクを仕舞い、部屋に
帰って一息ついたら外から音が聞こえてきた。
ゲリラ豪雨だ!

 まさに間一髪で濡れずに済んだ連休最後の徘徊ツーリングでした。


リアウインカー移設

2018年09月15日 | YB125SP改造

 「改造はひと段落したって言ったな。あれは嘘だ。」
YB125SPにサイドバッグを付けようとすると、位置的にどうし
てもウインカーにかぶさるので具合が悪い。
そんな時にスズキのST250などのオーナーさんが実行している、
ナンバープレート横にウインカーを移設する方法などがあるけれ
ど、部品を追加せずにスマートな仕上がりに出来ないか色々考え
た。

結果、こんな仕上がりなったよ。
今週は雨続きだったから、夜な夜な室内で加工をしていたのだ。w
たぶん参考にしたい方も居るだろうから、少し工程を書くよ。

 テールライト関係の配線。

接続位置や這いまわしはこんな感じなので、サイドカバーと
シートを外して、各ケーブルを抜く。

 ウインカーは14mmスパナーでナットを緩めれば外れる。

左右それぞれ配線色と長さが違うのだ。

 ウインカ-固定部の穴。

回り止め構造の「長穴」になっていたので、これを再現するよう
にボックス横に穴あけすれば良い。

 ウインカ-側。

けっこう細かい作りになってるなあ。

 テールライトボックス外す。

10mmレンチで2か所のボルトを外してからケーブルをフェンダ
ーから抜く。

 テールライトの裏蓋を外してみた。
樹脂製のケースなので強度に不安が残るけれど、リブ構造なの
が好都合だったから、加工を進める事にしたよ。

これだけ空間があれば、どうにかウインカ-を固定できると判断
して、加工を始めた。

 穴あけケガキ。

ランプの付け根から水平に線を書き、30mmの場所に縦線を書い
て穴あけの中心とする。

 ドリルで穴あけ。

2mm→4mmと少しずつ広げて10mm付近まで広げる。

 長穴用のケガキ。

ここからはヤスリで少しずつ削るので特に正確に書いていない。

 ひたすら削る。

この手の作業はプラモデル造りに慣れてる人なら簡単だろうね。
何度もウインカ-を通して水平出しやハメコミ具合が納得できる
まで削る。

 長穴の結果。

不慣れな俺でも時間をかけてヤスリで削ればここまで仕上がる。

 裏側の補強用ワッシャー。

市販のワッシャー「内径10mm・外径25mm・厚さ2.2mm」の
汎用丸大ワッシャーでも機能的には使えるけれど、樹脂製ケース
に金属ボルトナットで締め付けると、締めすぎた時に割れる可能
性があるので、弾力のある樹脂ワッシャーを自作した。
リサイクルショップで買った薄いまな板を切りだしたよ。
まな板は入手難だろうから金属ワッシャーで構わないと思う。

 ウインカ-仮止め。

ヨシ、これなら行ける。
金属ワッシャーの時は締めすぎに注意!!!

 さてウインカ-の配線をどう処理するか?
純正ウインカ-の電気的規格は12V10Wなので電流は約0.8A。
これが間欠動作するので細い電線でも許容電流内に収まりやすい。
バイクや自動車用の薄い被覆のAVS0.5が欲しいんだけれど、その
辺じゃ売っていないので代用電線を見つけてきた。

 市販のLANケーブルで家にあった古い規格のカテゴリー5。
ハードオフなどジャンク屋さんで100円程度で売られてるから、
入手は楽だろう。

芯線がヨリ線であるのが条件だから、柔らかい実物を選ぶと良い。
60㎝ほど切って剥いて、中味の電線を取り出した。
電線の規格はAWG24(より線)で、許容電流も十分範囲内。

 配線色に茶と緑があったので、ツイストペアの白線と共に
4本を既存シース内に通してみた。

シリコーン潤滑スプレーをひと吹きしてから通すと楽だよ。

 LANケーブルじゃなく手持ちの細い線を使う場合は被覆の厚さ
の関係で入れにくい場合もあるだろう。

アース線を左右共通にすれば本数を減らせるので、工夫すると
良いと思う。

 前準備。

余ったLAN配線の端材でこんな物を8本作っておく。

 細い線材をギボシ端子に圧着する時は、太さを太らせるために
補強線をそえて圧着する技なのだ。

これで3倍太くなるのだ。
芯線を2倍の長さに剥いて折り返しても太くなる。
色々小技はあるのだ。

 圧着する。

一応1.25部で圧着したが、0.75対応のギボシ端子と圧着工具な
らその方は良いだろう。

 圧着完了。

両側はこんな感じになる。

 組み立て。

ウインカ-を固定し、配線を整理する。
余った配線を折り返してまとめ、束線バンドで縛って納める。

 結線。

箱の中に納まりつつ、端子に無理がかからないように整線する。

 裏蓋をネジ止め。

うまくまとまったよ。

 確認。

テールライト固定ボルトが配線を傷つけないように割りばしを
差し込んで配線を少し奥へ押し込んでおく。
こんな見えない配慮がトラブルを未然に防ぐのだ。w

 後は車体に付けて配線すれば完成。

防塵カバー内に全て収まった。

 仕上がり外観。

スッキリしていて尚且つ後へ移動したから、サイドバッグも安心
して装着できるようになった。

 巻き込み防止構造を考える。

外して余ったウインカ-固定穴とタンデムステップホルダーの
余り穴を使って、何かパイプ状の物を柵にすれば良いかな?
また新たな課題が出来てしまった。

 今日は雨模様な土曜日で、途中日が差したタイミングを利用し
て取り付けたけれど、結局霧雨が降って来たから出かけるのは
止めたよ。

 以上YB125SPにサイドバッグを付ける時に邪魔なウインカー
を移設するお話でした。


甲州市の林道

2018年09月10日 | YB125SPツーリング

 YB号の改造ネタもひと段落し、台風も去ったので日曜は少し
遠出ツーリングへ出かけたよ。

 ショートカット林道。

山梨方面へ向かう時によく使うショートカット林道に倒木が。
正確には右の崖上から降って来た感じ。
タイヤ1本分の隙間を抜けて進んでみた。

 フルーツラインを走る。

勝沼~塩山にかけて広がる果樹園地帯を通り抜けるルート。
高台なので景色が良い。

 そうこうしているうちに目的の林道地帯へやってきたのだ。

以前、訪れた時に気になった脇道へ進んでみよう。

 途中まで舗装してあり、奥は長めの未舗装路だったよ。

フラットなのでYB号でも苦も無く走る事はできるが、突き当り
のある片道林道だから、自損事故を起こしても他にだれか来る
可能性は低くて危険なので、こんな時は大人しくトコトコ景色
を楽しみながら走るのが良いのだ。

 満足して丹波山の道の駅へ行く。

残暑なのでアイスクリームが美味しい。w

 この日はまだ夏の空と気温。

今週も新しい台風の影響で天気が悪くなるらしいし、週末も期待
できないので、しばらく遠出ツーリングはおあずけだね。

秋ごろになったらキャンプでもしたいもんだ。
少し準備を始めよう。


シールチェーンの末期

2018年09月04日 | YB125SP整備

 台風21号のおかげで早く帰宅できたのは良いけど暇だ。w

前にドライブチェーンを交換したので、そのネタを書いてみるよ。
リアホイールを18インチ化した時にチェーンが伸びている事に
気づいて、通販で次のチェーンを買っておいたのだ。

 チェーンをドリブンスプロケットの所で後に引っ張って見ると・・・

隙間が大きく開くようになっていた。
このシールチェーンはYB号の一か月点検直後に純正から交換した
物だから、約1年8か月使用。
初期伸び以降は安定して伸びなかったけれど、伸び出すと加速的に
伸び続ける。
シールチェーンは構造上、ローラーとブッシュ間は注油できても
ブッシュとピン間はグリスをOリングで封入している関係で、
後からそこへ注油が出来ない。
よってグリスが劣化すると潤滑性能が低下してピンが削れ出して
伸び始めるのだ。

 用意したのはEK江沼の強化チェーンで118リンク。

今度はノンシールなので注油の箇所は多くなる反面、各部への
浸透は可能だからメンテしだいでOリングよりも長持ちしやすい。

 秘密兵器。

安いペンチの先端を削って段差加工をしてある。

 クリップの付け外しが楽になるのだ。

出番が少ないので安物ペンチを加工したけど、これが凄く使いや
すくて早い。

 外したクリップはこんなヤレ具合だったよ。

ピンが完全に摩耗状態で、このまま使い続けるといつか折れる
と思う。
他の個所も同様に削れていると思うよ。

 新チェーンと入れ替え。

仮にアクスルシャフトを緩め、前に10mmくらいタイヤをずらし
ておいてタイヤを回すと旧チェーンから新チェーンへ変わるのだ。

 新ジョイントのピンにグリスを塗る。

封印する構造じゃないけど、やっておくのが良い。

 下側でクリップ固定。

クリップの切り欠き方向を厳守して固定する。
簡単な作業で新しいチェーンに入れ替わった。

 隙間確認。

引っ張ってもほとんど隙間が起きない。
新品は実に気持ち良いのだ。

 チェーンの振り幅(あそび幅)はメーカー指定の数値内に収めて
おく事。
試走すると必ず初期伸びが起きるので、細かい調整はその後で
やれば良いね。
10㎞ほど試走してきたら、振り幅20mmが40mmに増えた。
ピンとブッシュ間の初期グリスが薄く伸ばされて見かけ上伸びる
事になるらしい。
もう一度調整して完了。
車種独自の振り幅が指定されているから、取説を確認して行う
と良いでしょう
張りすぎは故障や消耗促進の原因になるので、目分量などいい
加減な事はしない方が良いと思う。

 チェーン交換して走行音が静かになったよ。


タンクキャップの呼吸口の話

2018年09月02日 | YB&YBR関係雑記

 雨で暇だから燃料タンクのキャップの話を書いてみるよ。

国産ヤマハ車にも使われている伝統の形。w

さて、環境対策法関係でこのキャップに呼吸口がある年代と
排除された年代が存在するわけだけど、中古車体や修理などで
旧型に新型のキャップを付けると不具合が起きるのだ。

 旧型の構造。

キャップに呼吸口が有り、内部気圧を外気圧と同じにすることで
燃料排出を円滑にすると共に、真夏の高温で蒸発するガソリン蒸
気を大気に放出させてタンク内の圧力が上がらないようにしている。
これが昔の方法。

 新型の構造。

EURO3規制車体からはガソリン蒸気の大気放出を禁止して、活
性炭のキャニスターを介して燃焼させる機構が義務付けられた。
よってキャップには呼吸口が無くて密閉構造になったのだ。

いったいどんな構造差があるのか気になってたから、この目で
確かめてみたくなって調べてみたよ。

 旧型セット。

YBR時代に買い置きしていた予備のキャップ・メインスイッチ・
サイドカバーキーの3点セットを取り出してみた。

 比較してみた。

う~ん、さっぱりわからんw
ところが良く観察すると違いがあったのだ。

 こんな所に穴が!

旧型には穴がある!
ここは傘の裏みたいな位置で外気側になるのは確かだね。

 旧型をそのまま分解してみた。

ロック機構はこんな感じ。

 さらに分解を進める。

ここまで分解可能だと分かった。
謎の穴付き部品がある。

 新型であるYBのキャップも分解してみる。

穴が無い!
 旧型の謎部品の右側が偶然にも外れたので観察。

やっぱり穴を通じてタンク内とタンク外を呼吸できる構造になって
いたよ。

 実は何名かの方が中古YBRなどを入手したけど、タンクキャッ
プを新しい物に交換したら不調になった話があり、規制年代をま
たいで旧型に新型キャップを使うと呼吸困難になってガソリンが
キャブへ流れにくくなる症状が出るのだ。

タオバオでセット購入する時などは年代や車種を特定限定して入手
しないとならない。
しかも果たして呼吸口付きが本当に来るのかも不安要素。w

 対策案。

要は穴を開ければよいので、この位置に1.5mmの穴をドリルで
開ければ済む。
サイドスタンド駐輪時に大雨が降ると右側Aに多く雨水が流れる
関係もあるので、BとCのみ開ける考えもあるね。
正規旧型のAの部分がスチールボールのワンウェイバルブ構造に
なっていたのは、この関係だと想像する。
AやBに穴開けしたら、そこにスポンジ片でも埋めて防塵構造に
すれば良いかな?

 穴あけにはピンバイス構造のドリルが最適。

ダイソーでこんな精密ドリルが売られているので、ゆっくり開け
表の金属カバーを貫通しないようにすれば良いと思う。
樹脂構造体と金属カバー間の隙間が呼吸路になれば良いわけだ。

 組み立てにコツがあった。

ロック用爪とスプリングはグリスを仮止め接着剤として使う。
こんな感じの乗せておく。

 固定部品を被せる。

パッキンスプリングまで押す感じに押さえてからネジ止め。
一回成功すればコツが分かって二回目以降は簡単だったよ、

というわけでタンクキャップに関しては

・2011年式以前のYBRは旧型で呼吸口付き。
・YBR125Kは全て密閉式。
・キャニスター付きモデルの2011年式以降のYBRやYB、YX、
 中国版XTZ、YSは新型。
・旧型に新型を使う事情が発生した時は穴を開ける事。
・新型に旧型を使っても不具合は起きない。
・新型のキャニスター機構を外す事情がある場合は旧型を使う
 か穴開けするか、キャニスター配管を大気解放構造にする。

こんなまとめでした。

 余談だけれどガソリン給油時に注意が必要。

車体を水平にした状態で給油する時は2の位置以上に入れてはい
けないと指定されているよ。
たくさん入れようと赤線まで給油すると、サイドスタンド時に
漏れ出したり、キャニスターへ容量オーバーになって始動性が
悪化する場合があるのだ。
メーカー指定の方法は守る方が良いでしょう。

 以上、暇つぶしのタンクキャップのお話でした。


純正キャブレターBS25メンテナンス

2018年09月01日 | YB&YBR関係雑記

 9月になってしまったのだ。
死蔵している純正キャブレターBS25型を完全整備して保存
する事にしたから、その手順を書いてみる事にしたよ。

11年式以降のYBRやYXも同型キャブを使ってるから少しは参考
になるだろう。

 基本工具はこれ。

2番+ドライバーとマイナスドライバー。
できれば電工ドライバーのように柄が太くて緩める時に力を入れ
やすい物を使いたい。

 車体から外すための手順は以前紹介した記事を参考にどうぞ。
リンク BS25型キャブレターを開けてみた

 ピストンバルブの確認。

上部のフタを外す。
このネジが結構固いという話をあちこちでされてるので、回しや
すい柄のドライバーをお勧めしたわけだ。

 スプリングが出て来る。

中にある物を抜く。

 これがピストンバルブ。

ゴムの膜がダイヤフラムと呼ばれる部品で、劣化して穴や亀裂
が発生すると、異常動作になって加減速や最高速がおかしくなる。
よく目視確認しよう。

 亀裂や穴が見つかったら新品交換しか修理方法は無い。

このように引っ張るとダイヤフラムがバルブから外せるので、
タオバオでダイヤフラム単体を入手するか、このピストンバルブを
アセンブリごと購入交換すれば良いと思う。
年数が経った過走行車は特に確認すべき部品だよ。

 ついでにジェットニードルを観察してみたよ。

中の固定部品をピンセットで押し下げながら左に回すと外れる。
構造を観察すれば何をどうすれば良いか分かるだろう。

 外れたよ。

このジェットニードルは調整可能な多段型では無かった。

 微調整で濃くする方向なら2段分できる。

軸径を測ったら3mm未満なので、小丸M3平ワッシャ(0.5mm厚)
が2枚まで下に履かせて、ジェットニードルの濃さを増す事は
可能だと分かった。
社外マフラーに換装した時の微調整にも使える技だよ。

 戻す時は逆操作。

押し下げてから右に回転させて離せば半月型の溝に引っかかる。
特に用事が無い限り、この分解・組み立ては不必要だね。

 フロート室の中身を確認・掃除する。

もしもこんな感じに腐っていたらw かなり掃除を念入りに行わ
ないと完調しない。
中途半端にやるのが一番不調をいつまでも抱える原因なのだ。

出来ればジェット類を一旦外し、本体は鍋に洗濯洗剤をひとつま
み入れたお湯に漬けて「5分くらい煮る」事で細い経路の固化し
た汚れが溶けだして貫通しやすくなる。
外したジェット類も一緒に煮ると汚れが落ちやすいが、腐食が
酷い時は新品に交換した方が楽だと思う。

 PJ(パイロットジェット)外し。

この中の細い穴が汚れや腐食の影響を受けやすく、しかも始動性
や加速性能にも大きく影響するので最重要箇所だよ。

 MJ(メインジェット)関係。



メインジェットとメインジェットホルダー共に緩めて外す。

 キャブクリーナーをガラス容器に少し溜めてから漬ける。

微細な穴の中の固化した汚れは漬け置きが効くのだ。

 燃料量を調整するフロートバルブ機構を分解。

ネジ1個外すだけでここまで分解できるよ。

 ニードルバルブの先端を確認。

このゴム製の円錐部分が穴を塞いだり開いたりしながら、油面を
自動調整するのだ。
表面に凸凹や段々の凹みなど、消耗状態ならば新品交換必須。

ダンパー機構の確認。

この出っ張を押してみてバネの反発で戻るなら正常。
動きが悪い時に潤滑剤を吹いて往復させて回復を促すか、新品
に交換。

 ニードルバルブホルダーの受け穴を確認。

中を覗き込んでみて錆や汚れを見つけたら竹串や綿棒で掃除した後、
コンパウンドを竹串の先端に少し塗る。ピカールでも構わない。

奥の穴の縁を研磨掃除する。

そっと数回回転させて汚れやサビを除去すれば良い。
その後、パーツクリーナーで良く洗浄する。

 燃料経路の貫通確認。

ガソリンコックからの燃料ホースを受けてる箇所には、樹脂製
の燃料フィルターが仕込まれているのだが、これが外しにくいので
裏から噴射洗浄する。

ニードルバルブホルダー側の穴にキャブクリーナーかパーツクリ
ーナーを噴射し、貫通確認・洗浄をする。
原因不明なオーバーフローはこれら燃料バルブ関係の汚れや動作
不良が原因だったって事が多く、忘れずに整備すべき場所なのだ。

 次の作業をやりやすくするために工夫。

スロットルバルブを半開きにするために8mm用スパナーを挟む。

PJ(パイロットジェット)の経路の貫通確認・掃除。

PJを外した穴に噴射するのだ。

スロットルバルブ付近にある細い噴出口から出るか確認する。

全部な穴から出る必要があるのだ。

PS(パイロットスクリュー)側からも確認。

回転数を数えながらマイナスドライバーをゆっくり優しく右回転
させて、止まった箇所で「何回転」だったかメモした後、左回転
でPSを外す。(中にスプリングがあるが、そのまま紛失しない
ように放置か、あるいは取り出しておく)

パイロットスクリューの先端が折れて短くなっていないか確認。
もしも折れているなら、残念ながらBS25型キャブの構造上改修
が出来ないので、キャブごと新品交換しないとならない。
折れるはPSを強く締めすぎて先端が噛み込んでしまうのが原因。

 PS側から貫通確認・掃除。

これで先ほどの細い穴5か所やPJ装着穴から出れば良い。

右側の穴からも洗浄液が噴出する事を確認。

スロー系エアー経路の貫通・清掃。

ここに噴射させて今までの穴全部に貫通するかが重要なのだ。
汚れなどで一か所でも未貫通だと始動やアイドリングが不安定に
なる。
 大丈夫だったらパイロットスクリューを元に戻す。

この時には一番奥まで締めこんでから、外す前にメモした回転数
まで緩める。

 メインジェットエアー経路を確認・掃除。

左の穴がメインジェットのエアーブリード経路になるので重要。
かなり細いジェットが圧入されている。

噴出先はメインジェット関係部品を組み込む穴なのだ。

 燃料蒸気還元経路の確認・掃除。

キャニスターから来たホースがつながる箇所に噴射。

この小さな穴から噴出すれば大丈夫。

 チョーク機能の確認・掃除。

チョーク機構を外した奥に穴があるので、そこへ噴射。

チョーク用の燃料を吸い上げるパイプから噴出すれば大丈夫。

このパイプにも微細な穴のジェットが圧入されているので、非貫
通の時は後で紹介する方法で貫通掃除をすれば良い。

 一通り本体側の貫通確認・掃除が終わった所でキャブクリーナー
に漬け込んだジェット類の仕上げをする。

用意したのはデンタル用品の歯間ブラシの一番細い物。

 MJ(メインジェット)の貫通確認・掃除。

ゴシゴシやらずに一往復程度で十分。
ギターの弦や魚釣り用テグスでも代用可能。

 PJ(パイロットジェット)の貫通確認・掃除が一番繊細。

あまりに細いので身の回りにある代用品として、電線を剥いて
芯線をほぐして1本にした物を通すしかない。

エアーブリード穴も汚れが残っていたら歯間ブラシか銅線で掃除。

メインジェットホルダーのエアーブリード穴も重要箇所。

チョーク用パイプも貫通していなかった時は配線で掃除。

キャブクリーナーで貫通確認しながら掃除すると良い。

 ジェット類の仕上げ作業が終わったら、それぞれ元の穴に
組み付ける。
この時に締め込み過ぎに注意して、指先で硬くなったと感じたら
終了したほうが良いだろう。本体のネジをナメたらキャブごと
丸々交換しければならないのだ。

 フロート室のドレン経路の貫通確認。

オーバーフロー機構は意外と重要な機能なのだ。w

 いよいよ仕上げにフロート室やピストンバルブのフタを組み付
けるわけだけど、この時にドライバーの持ち方に注意して欲しい。

緩める時は大きな力を掛けやすい握りだけど、締める時は締めす
ぎになりやすいから、この持ち方はやめておいた方が良い。

指先の力で十分なトルクがかかる。

細いボルトと柔らかいアルミボディなキャブレターには、この
くらい繊細な力加減が合っている。

 ピストンバルブを戻す時に方向に注意。

ダイヤフラムのベロをキャブ側のベロ受け溝に合わせて組む。

スプリングと共にフタを「真っ直ぐ」押し下げて指で仮止め。

ダイヤフラムが溝からはみ出てていないか確認。

締めすぎない程度に締めて完了。

 あとは車体にキャブを戻して始動すれば良い。
細かいパイロットスクリュー調整などはエンジンが温まってから。
リンク パイロットスクリュー調整

なお、放置期間が長くない車体ならここまで細かい分解掃除は
必要ないだろうけど、泥化した汚れを非分解で溶かして除去す
る方法に燃料添加系洗浄剤があるので、使ってみるのも方法だ
と思うよ。
リンク 燃料添加剤の効果?

 開けたらあまりにひどい腐り具合の結果、掃除しても不調な
らばキャブを新品丸ごと買った方が楽で早いと思うよ。
個人輸入の2週間待ちにはなるけれど物は安いし、何回も何時
間もかけて開け閉め整備する苦労よりは良い結果が出やすい。

 以上、皆から結構要望が多かったBS型キャブレターの分解
確認・掃除の紹介でした。
バイク屋さんに頼む方が楽だと分かると共の、工賃が高いのも
よく分かるお話でした。w