報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

歩く、食べる、しゃべる

2005年12月26日 21時41分02秒 | 軽い読み物
日本では、黙々と読んで書いての日々だった。
それはそれで、文句はないのだけれど、
健康的かというと、おそろしく不健康な生活だった。
まず、歩かない。
それから、しゃべらない。

幸い、いまバンコクでは普通に歩く。
食事はほとんど屋台でとるので、歩かなければメシにありつけない。
また、普通にしゃべる。
友人と合流しているので当然である。
「読む、書く」から「歩く(=食べる)、しゃべる」に生活の比重が移行した。

昨日は友人とバンコクの街を散策にでかけた。
したがって一日中、歩く、食べる、しゃべる、を繰り返した。
歩きながらしゃべっているうちに、メシ屋にたどり着き、
食べながら、しゃべるに移る。
そしてまた、歩きながら、しゃべるとなり、
オープンしたばかりの高級デパート「サイアム・パラゴン」内
をなどを散策すると、
次においしいそうなチーズケーキを発見することになる。

歩くことは、とても頭の働きにいいように思う。
人と歩いている時、僕は果てしなくしゃべる。
固まっていないアイデアを口に出してみることによって、
のちのち、糸口が見えてきたりする。
しゃべっている最中に、見えてくることもある。
ただ、しゃべっているうちに、
どこを歩いているかも分からなくなり、
歩いていることすら忘れてしまう。

ものを考えるときは、歩くのが一番だと思っている。
二番目は、おフロに浸かっている時。
あくまで、僕の場合だが。
しかし、日本ではほとんど散歩をしなくなり、
その分、フロに浸かっている時間が長くなった。
バンコクではシャワーしかないが、
歩く時間が長くなったので帳尻があっている。

椅子に座って、うんうん唸りながらものを考えるという習慣が僕にはない。
歩いているか、浸かっているかが一番向いているようだ。
歩いているときや、おフロの中で原稿のほとんどができあることもある。

ムツゴウロウこと畑正憲氏は、頭の中の原稿用紙に、手書きの文字となって、
すべての原稿ができあがってしまうということを読んだことがある。
沢木耕太郎氏のルポだったと思う。
畑氏は、頭の中の原稿用紙に現れた「手書きの字体」を、
実際の原稿用紙に、そっくりそのまま写さないと先に進めないらしく、
たとえば原稿用紙に「あ」の文字を書いても、
頭の中の原稿用紙の「あ」の字体と少しでも違ったら、
何度でも消して書きなおすそうである。
す、すごい・・・

ブルーベリー・チーズケーキに満足したあと、
ルンピニ公園を散歩しながら、
また延々としゃべっていると、
「もう、三周も同じところを歩いてるんだけど・・・」
と友人に言われた。
「そんなに歩いたっけ?」
「歩きましたっ!」

もうしばらく、食い散らかし、しゃべり散らかしの日々がつづきそうである。




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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
歩く、食べる、しゃべる、呑む (Mee)
2005-12-27 19:03:26
歩くと、血行が良くなって頭が活性化させれのかもしれませんねぇ。



しかし、屋台のご飯、実に美味しそうです。

私ですと、「オヤジ!シンハーお代わり!」ってとこでしょうか。



シンガから屋台が一掃されたのが非常に残念です。
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美味しそう~!! (遙香☆やおしゃん)
2005-12-28 01:50:03
喋るお友達にも会っていらっしゃったんですね!

1人っきりの1人旅かと思っていました。失礼しましたm(__;)m

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Meeさんへ (中司)
2005-12-28 12:32:00
タイの屋台で、シンハを握り締め、

メシに食らいついている人を見たら、

「Meeさん!」と声をかけてみます。







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遙香☆やおしゃんさんへ (中司)
2005-12-28 12:39:11
しゃべるおともだちが三人おります。

というより、しゃべりすぎるおともだちと言った方が正確です。

油断すると、僕のしゃべる時間を奪われてしまうのです。

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Unknown (bozu)
2005-12-31 03:00:55
僕の通う大学の教授は草むしりをしていると論文の草稿が浮かんでくるといってました 自分は散歩しながらネタを拾って お風呂に入ってるとバーってそれが走り出します 記憶力が悪い上に几帳面なので メモ帳がふやけて大変です 中司さんとは似てるようで違う感じですかね
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>バンコク (takeyan)
2006-01-05 23:51:01
某トム・クルーズの映画を見て以来、一度は体験してみたいと思いつつ・・・。

今度こそ行ってみようかな。
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bozuさんへ (中司)
2006-01-08 10:28:54
”草むしり”をしているときに論文が浮かぶというのは、分かりますねぇ。自分の好きなことをしているとき、人間、無心になれますから。その空白状態こそが重要なのだと思います。



bozuさんも”散歩&フロ派”ですか。いっしょですね。



今回、タイのイサンへ行ったついでにラオスまでちょっと足を伸ばしました。田舎街の郊外の美しい景観を眺めながら、レンタルバイクで走っているときに、いろいろ頭に浮かんできました。でも友人を後ろに乗せていたので、ほどほどにしておきました。
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takeyanさんへ (中司)
2006-01-08 10:30:36
ぜひとも、タイへお越しくださいませ。



今回、友人知人数人とタイで合流しておりますが、屋台でメシを食べながら、周りで家族友人などとテーブルを囲んでいるタイの人々を食べっぷりを眺めながら、「ほんま、ええ景色ですなぁ」とみなで見とれてしまいます。



一見、猥雑で混沌とした雰囲気に包まれているのですが、妙な郷愁を感じてしまいます。タイはそんなところです。



タイは皆様を、お待ち申し上げております。
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