報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

日本を管理下に置きたいIMF

2005年10月08日 19時05分14秒 | ■時事・評論
日本は、IMFや世界銀行への拠出金額がアメリカについで第二番目である。IMFへは総額1330億ドル、世界銀行へは1530億ドル拠出している(2003年時点)。IMFの副専務理事は日本人であり、日本人職員も約30名いる。しかし、日本がIMF内で主導的立場にあるというわけではない。

それどころか、IMFはかつて日本の経済行政をその管理下に置こうとした事がある。バブルが崩壊し、邦銀が多額の不良債権をかかえ、日本経済が低迷していた90年代、アメリカ財務省は再三にわたって不良債権処理の加速化を要求している。しかし、一向に進まない日本の不良債権処理に業を煮やしたアメリカ政府は、日本をIMFの管理化に置こうとした。

2001年9月、柳沢伯夫金融相(当時)は、IMFが日本政府に要求していた邦銀への「特別審査」を受け入れる意向を表明した。IMFの直接管理下には入らなかったものの、日本の金融行政はIMFの”監視下”に入ることになった。
http://72.14.203.104/search?q=cache:ggzLEngZNNwJ:www.weeklypost.com/jp/010921jp/news/news_2.html+%EF%BC%A9%EF%BC%AD%EF%BC%A6%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%82%A6%E9%8A%80%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%AF%A9%E6%9F%BB&hl=ja

2002年10月には、竹中平蔵金融相(当時)は「竹中プラン」を発表する。これは、邦銀の不良債権処理の加速化を促す内容となっている。強引な不良債権処理の過程で、多くの中小企業が倒産したと非難が集中した。また不良債権処理に失敗し、破綻したりそな銀行は公的資金を注入され実質的に”国有化”された。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-30/01_02.html
http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_06_04/content.html

2003年9月、IMFは邦銀への「金融特別査察報告」を発表。その中で「竹中プラン」を支持、賞賛している。日本の金融界には、IMF報告はあまりにも米国に都合が良いのではないのかと危機感が広がった。
http://gendai.net/woman/contents.asp?c=031&id=1199
また、「竹中プログラムは、日本経済をクラッシュさせて、IMFによる第2の占領統治を企んでいるのではないか」と渡辺喜美議員は発言している。
http://www.nasu-net.or.jp/~yoshimi/2002/daisannomiti.html

こうした経緯から竹中平蔵大臣は、アメリカの忠実な僕と揶揄されて久しい。

<ネバダレポート>

2002年2月の国会予算委員会で、五十嵐文彦議員(衆院、民主)は「ネバダレポート」について言及している。これは、IMFに近い筋がまとめたものであるとし、もし日本がIMFの管理下に入れば、この「ネバダレポート」が実施されるのではないかと発言している。しかし、言及しただけで深くは追求していない。
http://f47.aaa.livedoor.jp/~gijutsu/nevada3.html

その「ネバダレポート」の内容とは。

1.公務員の総数、給料は三〇%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。
2.公務員の退職金は一切認めない、一〇〇%カット。
3.年金は一律三〇%カット。
4.国債の利払いは五年から十年間停止。
5.消費税を二〇%に引き上げる。
6.課税最低限を引き下げ、年収百万円以上から徴税を行う。
7.資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の五%を課税。
債券、社債については五から一五%の課税。
8.預金については一律ペイオフを実施し、第二段階として、預金を三〇%から四〇%カットする。

なんともすさまじい内容である。
こういうものがIMFによって2001年にまとめられていた。もちろん、IMFは日本を管理下に置き、本気で実施するつもりであったに違いない。日本に対する「構造調整プログラム」と言ってもいいかもしれない。

しかし、IMFは、2002年に竹中大臣がまとめた「竹中プラン」と、それによって日本経済にもたらされた結果にたいへん満足したようだ。その後、竹中平蔵氏は郵政民営化担当相になるが、IMFは「郵政民営化法案」も歓迎するコメントを出している。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20050809mh08.htm

小泉首相と竹中大臣の政策というのは、アメリカの「年次改革要望書」やIMFの「ネバダレポート」の意向を体現しようとしていると言っていいのではないか。もはや、国会に反対者はほとんどいなくなり「独裁」状態の小泉政権。彼らは日本を一体どうしたいのか。日本人を、アメリカや多国籍企業、国際金融資本のために奉仕するだけの働きアリにしたいのか。

エギジビション写真

2005年10月08日 04時41分06秒 | 写真:アフガニスタン
エギジビション写真 : カブール

Yann Arthus Bertrandの空撮写真に見入る人々。
シャリナウ・パークを一周する道にぐるりと展示されている。
大勢の市民が一枚一枚丁寧に見入っていた。
長らく外の世界のことを知る機会のなかった人々は、
ベルトランの写真をどのように見ているのだろうか。