報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

来年5月、自衛隊イラク撤退?

2005年10月26日 06時40分05秒 | ■時事・評論
中京テレビ ニュースプラス1より抜粋
英・豪軍がイラク撤退なら日本も残留困難
2005-10-22
サマワで治安維持を担当しているイギリス軍とオーストラリア軍は来年5月にも撤退するとみられている。
これに関連しアーミテージ前副長官は「もしイギリス軍とオーストラリア軍がサマワから撤退するとしたら、日本だけが残ることはとても困難だろう」「アメリカはイラク復興に協力を求めてはいるが、これまでの日本の貢献には、すでに十分感謝していると思う」と述べ、日本が同じタイミングで撤退するとしても、アメリカは一定の理解を示すだろうとの見方を明らかにした。


このアーミテージ発言の深層とは何だろうか。
オーストラリア軍とイギリス軍が撤退した後、自衛隊がサマワに残るとしたら、自衛隊が攻撃の対象になる可能性も高くなる。もし、自衛隊に犠牲者が出れば、小泉首相の政治生命も危うくなる。失脚しないまでも、小泉首相の支持率が下がれば、米国にとっても得策ではない。何といっても、アメリカの政策を忠実に実行してくれる得がたき存在なのであるから。

前回述べたが、日本の憲法「改正」はアメリカの安全保障政策にとって重要課題になっている。選挙で”圧勝”した小泉自民は、いまや何でもできる。ここで、自衛隊がサマワで犠牲者を出せば、憲法「改正」も頓挫するだろう。アーミテージ前国務副長官は、それを懸念しているのではないだろうか。

だいたい、自衛隊がイラクにいてもアメリカの役に立っているわけではない。イラク復興にとってもどれだけの貢献をしているかははなはだ疑問だ。そこにいるだけ、というのが実情だろう。自衛隊派兵は、憲法「改正」への布石であり、小泉首相に対するアメリカへの忠誠心の踏み絵にすぎない。

アーミテージ氏としては、ひとまず日本に憲法を無視させ、武装した自衛隊を長期間戦闘地域へ送り込むことに成功した。アメリカにとっては大きな前進というところだろう。これで、第一段階は終了し、第二段階として憲法を「改正」させる。最終的には、自衛隊を戦闘地域での戦闘任務にもあたらせたいのであろう。いま、いたずらに自衛隊をサマワで危険にさらしては、元も子もなくなってしまう。小泉首相の肩の荷を降ろして、憲法「改正」に専念させたいのではないだろうか。

アーミテージ氏は「日本は主権国家であって、アメリカから指導を受けるものではない」とも発言しているが、見え透いたリップサービスと言うしかない。