報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

「郵政民営化」とメディア(2)

2005年07月28日 14時24分07秒 | □郵政民営化
<魔女狩り>

 27日、テレビ朝日、夜のニュース。
「郵政民営化」法案に反対表明している10人の自民党の参議院議員は「造反議員」と呼ばれた。

 メディアは「造反」というネガティブな言葉を使って、反対派議員の政治生命を絶とうと試みている。「造反」という言葉には、「裏切り者」「恩知らず」という意味も込められている。日本人が潜在的に嫌う言葉だ。メディアは、日本国民の利益よりも、党や党首、先輩への恩を優先しろと言っているに等しい。

「郵政民営化」の危険性を一切報じないまま、このような報道方法をとれば、視聴者は、”こいつらは悪者議員なのだ”と刷り込まれる。そうしたイメージは、政治家に大きなダメージを与える。態度を決めかねている優柔不断な議員には効果的だ。メディアは、何としても「郵政民営化」法案を通過させたいようだ。正確な情報を視聴者に提供するのではなく、明らかに為政者の側に立っている。
 まるでファシズム国家におけるマスメディアの姿だ。

 テレビ画面で、したり顔にコメントしているキャスターやコメンテーター。
 りっぱな肩書きをつけているが、彼らは進んで「ファシズム」の片棒をかついでいる。
 革新的なイメージのあるテレビキャスターも、毎日毎日視聴者を欺き続けている。
 彼らこそ、国民に対する裏切り者だ。

「造反」する議員には、それぞれ利害や利権、思惑があるに違いない。しかし、「郵政民営化」法案への反対は、紛れもなく国民の富を守る行為だ。その議員をテレビ上で血祭りにあげるメディア。まるで「魔女狩り」や「レッドパージ」を見ているようだ。
 
 21世紀の日本で、このような前時代的な茶番が、全メディアをあげて堂々と行われていることに驚愕する。
 ここはいったいどこなのだろう。