報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

ロンドン同時爆破事件について③

2005年07月14日 18時24分15秒 | ■対テロ戦争とは
 7月10日、米国土安全保障省のチャートフ長官が、現場も見ていないのにロンドン爆破事件について
「自爆攻撃の可能性を排除していない」
 と不自然なコメントした。
 その2日後の12日には、ロンドン警視庁は、突然実行犯4人を特定し、自爆テロの可能性が高いと発表。現時点では、もはや自爆テロと確定されている。

 アメリカのコメントというのは、なんとも効果絶大と言うしかない。

 ロンドン警視庁は、事件後たった一週間で、ほぼすべての関係者を割り出し、その足取りをつかんだことになる。あまりにも早すぎるし、あまりにも話ができすぎている。そして、不自然すぎる。そもそも、そんなに優秀なロンドン警視庁なら、爆破を事前に防げたはずだ。ほかにも優秀な諜報機関もある。
 爆破犯は、ロンドン警視庁やMI6よりもはるかに優秀な人材と高度な知識を持った連中だ。そんな組織は、世界にそんなにあるものではない。
 ちょっとパキスタンへ行って軍事訓練を受けたような若者にできる仕事ではない。

 しかし、こちらにはもはや、真相を知るすべはない。

 ひとつ言えることは、これでイギリスは大手を振って「対テロ戦争」を戦えるということだ。あるいはイギリス国民は「対テロ戦争」からもはや抜けられなくなったとも言いかえられる。

 これは、まだまだ序の口だ。
 ブッシュ大統領は、911テロのあと、
「この戦いは、5年で終わるかもしれないし、50年続くかもしれない」
 と発言している。